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アヤンナの美しい鳥/マサト真希(著) 読了

アヤンナの美しい鳥/マサト真希(著)美しい物語だった。
美しいだけではない物語だった。
読むのに時間はかかってしまいましたが、
とてもよかったです。

少女漫画ちっくな印象があったんじゃないかなぁ、と思います。
少女漫画自体は読まないですけどね^^;
メディア展開されて知った作品とかを思うにということなので、
違うかもしれないけど。

誰もが幸せに、という結末ではなく、
涙を流し、何もかもやる気をなくすような事態にもなり。
でも、それでも前に進んでいく。
大切な人を多くの人の記憶に残すために。
人の記憶の中で生き続けるために。
二人が紡ぎ続けてきた物語で伝えていく。

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アヤンナの美しい鳥/マサト真希(著)


以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
前半から中盤はかなりゆったりとした展開で、
終盤に一気に話が変化していく感じです。
終盤の展開から、もうちょっと前半の展開を早くしてもよかったんじゃなかろうか、
とは思いました。
そういう時間があってのは最後だとは思いますけど。

貧しい生活の中で紡がれていく物語。
リリエンが語る美しくも悲しい結末の物語。
それを二人が幸せな物語へと変えていく。
そういう時間を経て二人の間に生まれたのは、
相手を愛おしく想う気持ち。

プライドをズタズタにされたリリエンの過去。
怒りに任せてアヤンナは話させてしまった。

蔑まれ続けてきたアヤンナが変わり始め、
リリエンという存在がとても大きくなっていく。
それはリリエンの中でも同じように。

そんな中で現れたのが隻腕のサイリ。
読むうちにいやいやまさか、と思いながら読んでいたわけですが、
そのまさかだった結末に驚きました。
サイリが、じゃなくて全てがという感じで。

この結末は本当にかなしかった。
サイリがもう少し早く来てくれていれば変わっていたのでしょうかね。
もしくは、二人きりにさせなければ。

でも、そういうたらればはアヤンナとリリエンが語ってきた物語のようには、
途中から結末を変えることは出来ない。
結末の続きを綴っていくことしか出来ない。

何をする気力もなくなった中で自分が放ち生きてほしいと願っていた若いリャーマとの再会。
そして、リャーマが見せてくれた緑あふれる景色。
青い空に翼を広げる鳥。

リリエンは空で生き続けている。
そして、リリエンを多くの人の中で生き続けさせるために、
アヤンナは物語を紡いでいく。
美しいだけはない物語を。

本当によかった。
今年一になりそうな予感です。
まだ2月ですけどね^^;

サイドストーリー
「アヤンナの美しい鳥 ―箱庭の花守―」
幼い花守と盗人の物語。
本編の方ではアヤンナがリリエンの語った物語を引き継いで幸せな物語に、
という流れでしたが。
本編の方でもリリエンがアヤンナを助けつつ、というものではありますけど。
このサイドストーリーではリリエンの語る物語をアヤンナが幸せな結末へと導く物語にし、
最後をリリエンがまとめる、というリレーを。
それがすごくよかった。
本編では自分では幸せな物語を紡ぐことが出来ない、と語っていたリリエンが、
こうした形で新たな物語を語ってる姿がすごくよかった。

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