edit

吹き溜まりのノイジーボーイズ/天沢夏月(著) 読了

吹き溜まりのノイジーボーイズ/天沢夏月(著)青春だねぇ。

1年生のときに失敗した吹奏楽部に復活。
それから1年モヤモヤとし続け、それでも音楽から離れられなかったアキに
先生がある生徒たちに吹奏楽を教えてやってくれないか、と頼まれる。
でも、そこは学校の吹き溜まり、ヤンキーたちが集まる場所だった。

一度失敗した自分への不安。
彼らの本当の気持ち。
日々、悩みながらも成長していく高校生たち。
参加してなかった子を参加させるために動きまわったり。
それでアキが傷ついて落ち込んでしまうこともあったり。
上手くいっていたと思えば、トラブルがやってきたり。
最後には諦めそうになったりも。

けど、音楽が人を繋げる。
まだまだ未熟で未完成でも、自分たちだから出せる音楽を聞いてくれる人の心へ。

楽しかったです。
「サマー・ランサー」も近いうちに買いたいと思います。
新作も楽しみにしたいですねぇ。

関連記事
吹き溜まりのノイジーボーイズ/天沢夏月(著)


以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
アキは不良たちの音楽を聞く前に、その容姿だけで無理だと断ったわけですが、
無理矢理引き込まれて聞いた音楽はお世辞にも上手いとは言えない。
でも、アキの心に突き刺さるものがあった。
そうして、始まった不良たちとの吹奏楽部。

彼らが吹奏楽を始めた理由は後半で語られるわけですが、
アキを巻き込んだ先生が原因。
先生の過去を偶然聞いてしまって彼らは吹奏楽をすることを決めた。

最初から吹奏楽を始めていた子たちとは別に
参加しなかった子たちもいた。
その子たちをアキが参加させるために説得するわけですが、
先生を含めて、その子たちはみんな音楽から目を背けようと、逃げようとしていた。
理由は様々ですが、好きな音楽から必死で離れようとしていた。
それでも、みんな離れきれずにほんの少しずつ音楽に指をかけていた。

それをアキが掴んで引き込んでいった。
諦めが悪く音楽バカなアキが不器用だけど素直に気持ちをぶつけて。

そんなアキも自分が突っ走りすぎて彼らの気持ちをわかっていないのではないか、とか。
彼らが自分のことを本当はどう思っているのかと気にしながら。
でも、そんな本音を書き込んでいた楽譜を見られてしまって、
彼らの気持ちを聞くこととなった。
アキは心配は杞憂だった。
自分たちに根気強く教えてくれるアキを本当に慕っていた。
友達に、仲間になれていたんだと本当に嬉しかったでしょうね。
一度目が失敗していただけに怖かっただろうからねぇ。

で、他の子を引き込む時はドラム経験者で
参加後は自然とアキが頼る存在となったアカネの協力もあったり。
アカネが無表情なのに人一倍仲間思いだったのがいいですね。
アキがどうしたいのか、というのを先に読んで準備をしていたり。
そんなアカネの態度がアキは気に食わなくてぶすっとしたりw

最後の一人を残してノイジーボーイズは解散してしまうことになるわけですが、
不良が、という世間の目がやっぱり変わらないということへの寂しさだったりで。
きっかけはユウが暴れたことであったり、
先生に迷惑をかけてしまうかもしれない、ということで尻込みしたり。
ただ、吹奏楽を通して変わってきていた、と自分たちでは思っていたのに、
周りの反応を知って、やっぱりか、と自分たちを自分たちで諦めてしまった。

そんな気持ちにアキも諦めムードになるわけですが、
アカネとユウの昔のバンド仲間のユキがその素直さで状況を変える。

ユウの中にあったわだかまりだったり。
アキの折れそうだった気持ちを。

そんなユキの気持ちは結局どうだったんでしょうかね。
アキはアカネが好きなんじゃ、と思っていたようだし、
ユウもそう思ってたようだけども。
ユウにあんな風に真剣に怒るのはそれだけユウを大切に思ってる、ということでもありそうな気が。

先生も昔は同じような状況だった。
で、自分の不良というレッテルのせいで迷惑をかけたり、
最後までやり遂げることが出来なかったことを後悔していた。
それでアキに先生役としてしてもらって、自分はあまり見に行かなかった。
見に行けなかった。
自分のようにはなってほしくない、という気持ちはあったのでしょうけど、
それを全部アキ任せにってのがどうにもね。
しかも、バラバラになったときも逃げましたしねぇ。
最後は輪に入ってましたが、少々納得出来ない感じがあったなぁ。
一人だけものすごく楽をして音楽と再び向き合うようになりましたからね。

そんなこんなで本当にギリギリ、というか、
始まってしまってからようやく揃ったわけではありますが、
発表の場、文化祭は大成功となったノイジーボーイズ。
その後はそれぞれ人気者になったらしい。

で、1つの噂も出るように。
それについては公式サイトのサイドストーリーで楽しめます。

さてはて、駿河はあれだろ。
小学生の男の子が好きな女の子にちょっかい出すっていうヤツ。
高校生がそれをすると惨めだな。
自業自得だわなぁ。
冷やかしに来て一人寂しく踊ってる感じは笑えたねぇ。

というわけで、いい青春の話だった。
アキの頑張ってる姿がすごく愛おしい感じだったなぁ。
可愛い子だったねぇ。
しかしまぁ、男の中に一人だけ女の子ってのはもうちょっと危機感を持ったほうが。
とは思った^^;


サイドストーリー
「球技場のノイジーボーイズ」

恋する女の子、いいねw
大成功に終わった文化祭から1ヶ月後の球技大会。
アキとアカネは付き合ってるんじゃないか、という噂の中での素直になれないアキの気持ち。
夏の初め頃からすでに惹かれてたでしょうに、とは思うものですがね^^;
ノイジーボーイズのメンバーたちに茶化されたり、
一緒に変える女の子の友達たちにも茶化されたり。
周りの視線だったりでなかなか素直に応援出来なかったわけですが、
最後にはようやく応援出来ましたね。

ちゃんとした告白はその後したんでしょうかね。
アカネにとっては本編の方での言葉が告白のつもりだったんだと思うけど^^;
アキから気持ちをぶつけたんでしょうかね。

部活に汗を流して、という本編もいいですが、
ベタ甘なサイドストーリーも良かった。
「サマー・ランサー」も部活にって感じの話だから、
新作はベタな感じの恋愛モノってのも読んでみたいねぇ。

吹き溜まりのノイジ...

吹き溜まりのノイジ...
著者:天沢夏月
価格:662円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る


トラックバック

TB*URL

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

template by Lazy Diary

copyright © ぐ~たらにっき all rights reserved.