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天使のどーなつ/峰月皓(著) 読了

天使のどーなつ/峰月皓(著)ページ数も多くなくて一気に読めてしまう小説だったなぁ。
面白かったです。
ただ、もう少し三人の女性のことを掘り下げてもよかったんじゃないかと思います。
それをすると一気に読めてしまう感じがなくなってしまうかもしれないですが、
一人の女性だけが語り手でなく、他の子も語り手になるので、
どうにもそれぞれのことが浅くなっていた印象があります。
それがもったいなかったなぁ、と思うところ。

後、一つ気になったのは明日香ちゃんは
小学四年生なのか
小学三年生なのか
どっちなのだろうか^^;
一番最初は小学四年生という話なのに、
それ以降は小学三年生に。
ということはまぁ、三年生なんだろうと思うんだけど、
こんな間違え方ってするものだろうか?

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
「羽のドーナツ」という中規模なドーナツチェーン店の開発部に所属している
ドーナツのことばかりを考える女の子・留衣。
そんな彼女が参加することになったのは10周年企画の特別チームだった。
が、会社を上げてすべき企画への参加者は少数。
その理由は留衣にとってはそこで初めて知ることになる
「羽のドーナツ」が大手チェーン店に買収されるということだった。
企画のリーダーが反対派であるためにそこに参加すれば反対派ということになってしまう、
ということがあったからだった。

そんな中で留衣はずっと追い求めていた奇跡のドーナツを作る。
買収されず未来を繋げるために。

開発部にいた頃とは違い、色々なことを学ぶ中で美味しいドーナツを作ればそれでいい、
という考え方じゃダメなんだということに気付かされる。

そして、企画に参加した同期の二人の女の子。
留衣にとっては初めての友達が出来ることとなる。
最初は留衣の性格から距離があったわけですが、
一緒にいる時間が増えることで二人は留衣の魅力に惹かれていく。

そんな三人で作った奇跡のドーナツ。
それが未来を変える。

奏子、時乃という二人。
奏子は「羽のドーナツ」の看板であるドーナツに一目惚れして東大卒でありながら入社。
憧れの人である留衣の師匠の開発部の部長・田崎との会話に緊張したり、
そんな田崎と特別な関係のように話をする留衣に嫉妬をしたりも。

いい男を捕まえるために企画に参加した時乃。
でも、そこに参加していたいい男は奏子のかつての恋人でもあった。
それでも関係なしとアタックしていたわけですが、
それと同時に知ったのが留衣の魅力。
彼女は次第に留衣へと惹かれていって山形のことなんてどうでもよくなった。
彼女とともに企画を成功させたいという気持ちに。

留衣の老婦人の友達。
ドーナツを題材にした絵本を描いた女性。
その正体は「羽のドーナツ」の前身であるパン屋を築いた奥さんだったんですね。
現社長のお母さん。
これは全く予想してなかったので普通にビックリしました^^;

そんな登米子さんが作ったレシピをそのまま使い続けているオールドファッション。
留衣はそのオールドファッションを進化させて奇跡のドーナツを作り上げた。
油を変え、材料に豆腐を加える事で新しいドーナツを。

オールドファッションに拘ったのは「羽のドーナツ」の前身がパン屋である、
という証明ということもあったが、
留衣自身に強い思い出があったからだった。

留衣はかつて拒食症だった。
太っていたことでいじめられ、そうなった。
そこから救ってくれたのがオールドファッションだった。
料理が下手な母が自分が作ってみたの、といい、
妹もそれを手伝ったんだ、と必死で留衣に何かを食べてもらおうとした。
本当はどこかで買ってきたものだったのかもしれない、そのドーナツに留衣は救われた。

そんな留衣のドーナツへの愛情。
それが普段は経営に一切口を出さないとしていた登米子さんを動かし、
ほとんど決定づけられていた買収の話をなかったことに。

ただ、田崎部長からは中途半端なものを出しやがって、と後でどやされてましたけどね^^;
残されたわずかな時間で開発部の人たちは新しい油に合うように他のドーナツの改良も見なおして、
新しいドーナツもさらによく、というのは上手くいったんでしょうね。
田崎がどやしたとはいっても留衣の基本がしっかりとしてたんだろうとは思いますが。

そして、10周年のリニューアル。
顔は「羽のドーナツ」と屋号をとった新たなオールドファッションと、
それを作った開発部の若手である留衣だった。
インタビューされて緊張したりと慣れないことも経験。

そういう刺激がまたドーナツ作りにいい影響があるといいですね。

話の流れはすごく読みやすくて面白かったです。
ただ、やっぱりそれぞれをもう少し掘り下げてほしかった。
まぁ、あっさりと終わらせた過去のことは現在のことを邪魔をしてはいないけど、
留衣にしても奏子にしても、それが今を決めた一つの出来事なんだから、
もう少しあってもなぁ、とは思うところ。
そこが非常にもったいない。
そういうところ以外はよかったです。

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