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きじかくしの庭/桜井美奈(著) 読了

きじかくしの庭/桜井美奈(著)何でこれを後回しにしたのか。
と後悔するほどによかった。

楽しい作品というのは結構あるけども、
何かこう、スッと落ちてくる感じがありました。
あっという間に読めた、というよりは、
読むのが止まらなかったです。
色々と後回しにしてしまってますが^^;

大賞受賞も納得できる作品だったと思います。
この人の作品はメディアワークス文庫以外でも読んでいきたいねぇ。
次回作が今から楽しみ。

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きじかくしの庭/桜井美奈(著)


以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
話は1年ごとに区切られ、それぞれ三年生になって受験を控えた悩みを持った少女たちが
学校の隅にある忘れられた花壇へ。

最初は雑草だらけの花壇だったが、最初の女の子が自分の感情のぶつけどころとして、
雑草を抜いてた。
そこに先生の田路がやってきて、何か植えるのか、と。

そうして、その花壇が変わっていく。

女の子たちに色々なことを教えて、教えられてな田路先生。
この人の恋が一番じれったかったw
結局、どういうことだったんだろう?
一から説明しろよ。
こっちにもしてくださいw
という感じでした。
けど、それからさらに3年が経った学校。
そこに残って教師を続け、アスパラを育てている田路先生。
そして、そこにやってきた香織の存在と妊娠。
わからないことは多いですが、幸せそうでなによりですねぇ。

一年目の女の子は恋人の裏切りで傷ついた亜由。
マジでこいつ最低だな、って男でしたね。
二股男。
しかも、同じクラスの子とか頭おかしいだろw
でも、そんな男から声をかけられると嬉しく思ってしまう。
ただまぁ、最後は彼氏への復讐をして卒業。
彼の嫌いだったアスパラガスを彼との思い出の場所であった花壇に植えて。
ただし、アスパラガスの収穫は彼女が卒業してから。
というわけで、その後は田路先生が面倒を見ることとなった。

きじかくしっていうのはアスパラガスのことだったんですねぇ。

二年目の女の子は親友の舞と千春。
そんな二人は自分のクラスの生徒ですらなかったというね。
なのに、巻き込まれたとは言いつつも、どうにかしようとする。
まぁ、一方でアスパラガスの世話を手伝う人を探してたわけですが。
舞のバイトが学校にバレたことで千春とのケンカに。
冷静になり、時間が経つことでわかった本当の理由。
でも、仲直りが出来ない。
本当にお互いを大切に想っているのに。
そんな二人を一押しした。
きじかくしで千春を隠して舞の本心を田路先生は言わせた。

三年目は留年した祥子。
家庭やクラスのこと一人で抱え込んできたもの。
その中で花壇で会った担任とのやり取り。
アスパラガスを祖父母のもとで育てたことがあった祥子は、
世話をすることで喫煙から離れていく。
でも、その中で出た噂。
そして、文化祭を前にして起こった問題。
だけど、そういったことがクラスとも家庭とも溶け込めることとなった。

最後は六年目。
祥子が教育実習生として戻ってきていた時の話。
進学先を変えて留年せずに行ったんだなぁ。
お得だからという理由もあったのかもしれないけど、
祥子が教育実習をしたのは田路先生の影響はきっとあると思うぞ。
最後にやってくれましたけどねw

そして、他の生徒たちもやってきた。
亜由も花壇に足を運び、舞と千春の二人は毎年文化祭に顔を出していたみたいですね。

生徒たちの悩みを解決することになる言葉の多くは実感のこもった言葉。
彼女たちが悩んでいるように田路もまた悩んでいた。
だから余計に放っておけなかったんでしょうけど、
やっぱり教師が向いてたんでしょうね。
一歩引いたところにいる田路が悩みを抱えた彼女たちにはぴったりとはまったんだろうねぇ。
万人受けする、というわけじゃないんでしょうけど、
ちゃんと話せばわかる良さ、というか、不思議な魅力があるんでしょうね。

彼女の香織との関係。
一年目で別れることになり、二年目で友達でいることが出来ないと知り、
三年目でどうしようもなくなった。
そして、突然のプロポーズ。
六年目に祥子の奥さんという言葉と、同僚からの妊娠ということ。
幸せだということはよくわかりましたが、
三年目の最後から六年目に至るまでの話が本当に気になる^^;

それに、結局、幸成は裏で何をしてたんだろ?
絶対何かをしてたんでしょうけど、その辺については明かされず。
すごく気になった。
サイドストーリーが幸成目線だったから、話が出てくるのかな?
と思ってたんですが、それもなかったんでね。

けど、本当によかった。
読後感がすごくいいんですよねぇ。
気持ちが温かくなるいい作品でした。
本当にこれからの作品も楽しみな作家さんだ。


サイドストーリー
“好き”の理由
というわけで、幸成目線での大学時代の話。
田路と香織が付き合い始めた頃の話なわけですが、
香織が照れたところがすごく可愛らしかった。
他の人が無理だと言う自分の考えを、田路だけは否定しなかった。
それが香織が惹かれた理由。
このころの幸成が二人のために必死で動いてた、
ってことがわかるわけで、
そんな幸成だから余計に今の二人に対しても何かしたんだろうってのがわかるんですよね。
だから余計に何をしてたのかを描いてほしかった^^;


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桜井美奈 「きじかくしの庭」

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