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路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店/行田尚希(著) 読了

路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店/行田尚希(著)ゴタゴタとしてるので少し読むのに時間がかかってしまいましたが、
楽しめました。

表具というあまり聞きなれないものと、
妖怪という不可思議な存在たちとの話。

最初は依頼をしにきた洸之介が、
自分でも表装をすることに。
表具の奥深さを知っていき、
そんな中で裏の仕事にも関わっていく。

妖怪が問題に関わってるのかと思いきや、
絵に込められた作り手の思念がというもの。
それを表装によって悪さをしないようにする。

表具というのは聞きなれないですが、
読みやすかったです。
表具についても少しだけ興味を持ちましたしね。

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
20代ほどの見た目の店主の環は実は500年以上生きている化け狐。
そこに訪れる人たちも妖怪が多い。
化け狸や猫又、雪女に天狗などなど。

最初の話は洸之介の父親の絵。
そこに込められていた想いは、子供の健康を願う父の想いだった。
怖いものだと思っていたけども、そうじゃなかった。
そして、環の表装によって父の絵は表情を変える。
表装によって絵はどのようにも変わることが出来る。
そのことを知り、残っていた絵の表装を自分で挑戦してみることになる。

そんな中で洸之介が遭遇したのは環の家で預かっている天狗の王子様・桜汰の学校での事件。
倉庫にしまわれボロボロになっていた絵が、
自分のことを見てほしいと子供たちを連れ去っていた。
その理由に父親と離れて暮らさないといけない桜汰は自分と重ねてなんとかしたいと。
そして、環の表装で蘇った絵をがめつい校長を上手く言いくるめて学校に飾らせた。
しかしまぁ、今の世の中、学校で肝試しって出来ないと思うけど^^;
旧校舎は怖いだろうなぁ。

三つ目は化け狸の樹。
化け狸は基本的には人間を騙して人の生活に紛れてるらしい。
で、その初歩が結婚詐欺。
が、樹はそれも満足にできない。
ということでしたが、結婚詐欺よりもタチが悪いことしてたのなw
お金をだまし取るんじゃなくて、騙されてるのがバレバレで、
でもなんかいいなぁってことで、
お金をくれるらしい。
そんな樹が本当に恋をしてるのは環。
その気持ちは詐欺の相手にもバレバレで、もちろん環もわかってる。
そんな二人の冷やかしに気付かない樹は幸せ者なんだと思う^^;
この話では屏風が原因となってたわけですが、
それも直せるのなぁ。

四つ目は猫又の揚羽の元バイト先の変化。
これには環を連れて行かず、洸之介に頼んだ。
環に頼まなかった理由はあまり迷惑をかけられないから、ということだった。
ただまぁ、環にはバレバレだったし、
揚羽が思ってるような迷惑なんてものはなかったみたいですね。
洸之介は自分は素人だからと言ってましたが、
直感でちゃんとわかってるところを見ると裏の仕事の素質があるんでしょうね。
大人になったらどうするんだろうかねぇ。

五つ目は環の話。
環が表具師になった理由となった過去と、
そこに残っていた後悔。
その過去と向かい合った環の少し危うい感じに心配になりながらも、
洸之介はわからないなりにしっかりと支えた。
が、その後みんなと連絡がつかなくなって不安になったり。
これまでのは夢だったんじゃないか、化かされていただけなんじゃないか。
けど、環たちとは時間の感覚が違いすぎた、というか、
あんたら言うの忘れすぎだろw
ことごとく携帯をダメにしてたみたいだし。

恥ずかしくてもそういう心配をしてたって言いきっちゃってよかったと思うよw
1ヶ月も音沙汰なしじゃ不安にもなるよなぁ^^;

1ヶ月もどこにいたのか、というのは環が自分のことに一段落したからだった。
今まで裂地がたくさんあったお店ですが、それは自分の過去と関係してる絵を表装するために集めていたからだった。
だから、それが出来た後はそんなには必要がない。
ってことで色んなところにいる知り合いに渡して回ってたんだそうな。
それにみんなが協力してた、ということ。

さてはて、これから洸之介はどうなっていくんでしょうかね。
父親の絵を自分で表装すれば一つ区切りがつきますが、
その後どういう道を選ぶんでしょうね。


サイドストーリー
路地裏のあやかしたち 人間の噂話
洸之介が環のもとを訪ねるきっかけとなった噂。
それを教えた森嶋が横丁へと入ろうとする話。
洸之介を心配してということだったわけですが、
散々な目にあってたんだなw
兵助にはそりゃビビるわな^^;


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行田尚希 「路地裏のあやかしたち」

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