edit

旅猫リポート/有川浩(著) 読了

旅猫リポート/有川浩(著)近年稀にみる大号泣でございます。
自分で自分に引きました^^;
ティッシュが箱に半分ほど残ってたと思うのですが、
なくなったw
猫好きということもあり、
入り込み具合が半端なかったです。

秘密って何だろうなぁ、と思っていたわけですが、
読み始めてこの展開ならこれしかないなぁ、ってのがわかりました。
で、それをどうやって明かすんだろうか。
というのを気にしながら読んでいたわけですが、
まさかの明かし方で少しビックリ。

ラブコメでもなく、魅力的なおっさんが登場するわけでもなく、
青年と猫の物語。
一面だけを知れば不幸と言われるかもしれない人生。
でも、ちゃんと知ればわかる幸せいっぱいだった人生。

本当に泣いたなぁ。
有川さんの作品で一番好きになったかもしれん。

関連記事
旅猫リポート/有川浩(著)


以下ネタバレ含みつつ感想続けます。
猫のナナとその飼い主のサトル。
元々は野良猫で名前のなかったナナとサトルの出会いから話は始まります。
そこから5年は二人で仲良く暮らしていた。
でも、サトルはナナの貰い手を探す旅をすることに。

ちなみにナナという女の子っぽい名前ですが雄猫です。
尻尾が数字の7みたいな感じになってたからという由来。

ナナ目線がメインになっていて、回想などは会いに行った人の目線に。
しかしまぁ、本当にナナが賢い^^;
そんでもって、サトルとの息が本当にピッタリ。
ずっと一緒に育ってきたんじゃないかと思うほど。

海から発せられる轟音に驚いてサトルの頭をひっかいて逃げたり、
色んなものに興味を持って見たり。
とても可愛かった。
サービスエリアでの強面の男性に触らせてあげたりと優しかったりねw
あれは笑った。
音楽についても好き嫌いがハッキリとしてたり、
それについての感じ方もいいなぁ、って思いました。

カーラジオで児玉さんが出てきたときはなんだろうなぁ、
嬉しかった、って感じですかね。
熱く本のことを語ってらっしゃいました。
児玉さんへの有川さんの愛が感じられましたね。

ナナの見合い相手になったのは小学校、中学校、高校・大学時代の大切な友達。

最初に会いに行ったのは小学生の頃の友達。
家族ぐるみで付き合いのあった大切な友達。
二人で見つけた小猫。
のちにハチと名付けられ、ナナとよく似た猫をサトルの家で飼うことになるわけですが、
サトルのやんちゃっぷりがすさまじいw
でもって、方向性がずれてるから大変なことになってましたねぇ^^;
それでもまぁ、猫は飼えるようになり、コースケもそれを喜んだ。

でも、そんな小学生時代に起こったのは両親の死。
修学旅行中に交通事故で二人とも亡くなった。
あまりに突然の事故。

お母さんのお土産も買えないままに、コースケにも話す暇もなく帰った。
コースケはサトルがお土産を買えなかったからと買って帰ってあげた。
でも、そこで聞かされたこと。
何が何やらだったでしょうに、そんなコースケに理不尽な言葉をぶつける父親。
本当にこの父親だけは許せんねぇ。

猫も引き取ることを拒否したし。
そのくせ見送りには行く。
そりゃ、息子も呆れるよ。

でまぁ、結局見合いは成立せず。
奥さんとのことでハチにそっくりなナナをと考えているのなら、
奥さんと一緒にまっさらな猫を探すべきだと。

次にあったのは中学生時代の友達。
家の事情で祖母の家で暮らすことになり転校してきた少年。
美人先生のいらぬ同情にハッキリと言って泣かせたのは、
なんともまぁw
サトルも同じようなことをされたようでスッキリしたと意気投合。
そんな二人は一緒に温室で野菜を育てたり、
祖母と縁のなかったサトルにとってヨシミネのお祖母ちゃんは
サトルにとってのお祖母ちゃんになった。

そんな中で二人が起こした事件。
修学旅行中の脱走。
サトルはどうしてもハチに会いたかった。
修学旅行先から電車で一つ。
だから、会いに行こうとした。
でも、結局は捕まってしまい行くことは出来なかった。
サトルの気持ちを痛いほどわかっていたヨシミネは自分が連れ出したんだ、とかばった。
ヨシミネにも事情があったため、それ以上は強く出られなかった先生たち。
それでも家には連絡が行くことに。

後でヨシミネはお祖母ちゃんにサトルの叔母に連絡して謝ってほしいと頼んだ。
事情があったんだろうと、お祖母ちゃんは快くそれを受け入れてくれた。

ここではナナがヨシミネが拾ってきた小猫とケンカしてるように見せかけて、
見合いは破断に。

次は高校で出会い、転校後、大学で再び同じになった、
スギとチカコのペットOKのペンションを営む夫婦。
スギはサトルに罪悪感を感じていた。
チカコへの想いから。
それを看板犬のトラマルにも伝わり、ナナとケンカに。

その別れ際にトラマルが言うことになるんですね。
ここまで秘密にしていたサトルの事情。
ご主人の友達からは長くない匂いがする、と。

そのケンカの関係でナナの見合いはダメになったわけですが、
別れ際にしたサトルのチカコへの告白。
それでスギがやっと笑いトラマルはいてもいいと去ろうとするナナに叫んだ。
人間にはその言葉の意味はわからずケンカが続いているようにしか見えなかった。

しかしまぁ、スギたちは最初から引き取る気はなかった。
預かるだけ。
そのつもりだった。
それをサトルは本当に喜んだ。

ただ、サトルもナナも離れる気はなかった。
ナナの方は明らか。
でもまぁ、サトルは探してるだけあったわけですが、
帰る時はほっとしていつも笑顔に。
二人は離れられるわけがなかった。
本当にいい相棒だもん。

そして、最後の旅はサトルの両親のお墓参り。
その後、旅を終えたサトルとナナが行きついたのは、
サトルを引き取って育ててくれた叔母のノリコのもと。

いやはや、ビックリがまだ残っていたとはって感じでしたね。
ノリコが可愛らしい人だったわけですが。
自分の言うことに後悔してばかりだった。

しかしまぁ、両親亡くしてすぐ本当のお父さんとお母さんじゃないってのは、
色んな意味でマジかよって感じでしたね。
そんなどん底から、今のサトルにってのが本当に強い子だったんだなぁ、と。
生みの親はとんでもないクズだったようですが、
育ててくれた本当の親は本当の親以上に愛情を注いでいたから、
サトルが強く優しい子に育ったんでしょうね。

ノリコとナナのやり取りはおかしかったw

入院することになりサトルとナナはケンカ別れのような形に。
でも、ナナがそれで諦めるはずもなく。
ようやく病院に連れて行ってもらえることになった帰りに、
ナナは再び野良生活に。
サトルの通い猫となるために。
最初は病院関係者も含め敵ばかりだった。
でも、ナナの行動の意味を理解してくれ、温かく見守ってくれるように。
本当に賢く強く、サトルが大好きな子なんだなぁ、ってのがすごく伝わってきた。

そして、別れの時。

病院の人の言い方もたまらんかった。
ノリコはナナをサトルのそばに。

ありがとう。

幸せな最期。

笑顔になる周りの人たち。
そして、涙に。
幸せだったよね、とナナに聞くノリコ。
それにそうだと応えるようにナナはノリコの手をなめた。

その後。
本当にサトルは幸せだったんだ、というのがよくわかる。
葬儀で連絡をした以外からも大量の手紙やらなんやらと。

ノリコは転勤が多く学校を転々としたことを後悔していたが、
様々な土地に行ったことはサトルに色々な友達と出会うきっかけを作ってくれていた。
その中でも特にというのが会いに行った4人。

4人が集ってまた新しい繋がりが出来たり。
そして、最後はノリコの新しい猫が家にやってくることに。
小猫を拾って育てることになった。
ナナは最後までサトルの猫。
そして、新たな住人にナナは色々と教えて最期の時を迎える。
サトルが幸せだったように、そんなサトルの相棒となったナナもまた幸せいっぱいで。

サトルの待つ場所へ。
これからも二人の旅は続く。

1ページ読むたびにティッシュが必要になった最後でした。
本当にここんところ泣くことは多くなったのは多くなってんですけどね。
ここまで泣くかってくらい泣きましたね。

ちなみに気になったのはカバーとった中にあるイラスト。
人の手の形が似たり寄ったりなのはどういう意味があるんだ?
何かよくわからんイラストだったなぁ^^;

泣きに泣き、でも最後には笑顔になれるそんな作品でした。


トラックバック

TB*URL

旅猫リポート/有川浩

◆読んだ本◆ ・書名:旅猫リポート ・著者:有川浩 ・定価:1,400円 ・出版社:文芸春秋 ・発行日:2012/11/15 ◆おすすめ度◆ ・男と野良猫のロードノベル度:★★★★ ・本当

書籍「旅猫リポート/有川浩著」優しさに満ちた作品、猫派でなくてもオススメ

書籍「旅猫リポート/有川浩著」★★★☆ 有川浩著 , 文藝春秋、2012/11/15 (271ページ , 1.470 円)                     →  ★映画のブログ★        

旅猫リポート 有川 浩

旅猫リポート この本は、サトルという名の青年と、 ナナという名の猫がおりなす、 のどかな旅行記かな、 という軽い気持ちで、 読み進めて行きました。 図書館での返却期限が ぎりぎ...

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

大号泣しました(゚´Д`゚)

有川作品で一番泣いたかも。
猫への愛はもちろん、児玉清さんへの愛も伝わったし余計に泣けました…

素敵なおはなしでしたね~(*´∀`)
でもあとがきなかったのは私も残念でした(; ;)

涼香さんへ

コメントありがとうございます。

泣きましたよねぇ。
有川さんの作品はにやける感じが多いですしね。
泣ける作品でここまでというのは本当に衝撃が強かったです。
児玉清さんへの愛が入っていたのもよかったですしね。

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

template by Lazy Diary

copyright © ぐ~たらにっき all rights reserved.