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ハイドラの告白/柴村仁(著) 読了

ハイドラの告白/柴村仁(著)「プシュケの涙」と同じように前半と後半で
語り手が変わる「ハイドラの告白」。
後半の衝撃の数々に本当に驚きました。
「プシュケの涙」を読んで面白いと感じたのなら、
これは必読ですねぇ。

不格好な恋は後半部分になってますね。
前作もそういう構成の仕方でしたが、
今作は繋がりはあるものの直接前半部分には関わらない感じ。

でも、この後半は切なくて怖いという感じでよかった。

前半は由良に振り回され続けたって感じですねぇ^^;

「プシュケの涙」を本当に読んでよかったと、
この作品を読んで思いました。
良かった。

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以下ネタバレ含みつつ感想続けます。
本当にビックリすることが多かったなぁ。

後半部分には「プシュケの涙」の裏側が書かれてたり、
前半部分の秘密が書かれてたりと、
不恰好な恋以外の部分でもすごく引き込まれましたね。

前半部分はとりあえずまぁ、
盛大に騙されたw
由良は由良でも由良間違いかよ^^;
彼方だと思ってた由良は宛だった。

ハルが勝手に勘違いしただけなんですが、
言えよw
最後は二人してハルをいじめてたしねぇw
この双子はいい性格をしとるね^^;

彼方は天然でしてる感じのところがあるけど、
宛は全部計算してしてるって感じなのかな?

でまぁ、1人の芸術家が注目を集めたことで前半の語り手である、
ハルと由良が出会うことになる。
2人はその芸術家が偽物であることを知っていた。
だから、居ても立ってもいられなくなり、ハルはその芸術家のアトリエのある街へ。
そこで同じようにやってきていた由良と出会った。
ハルは由良彼方と同じ大学の先輩にあたる人。
だから、てっきり彼方だと思ったわけですが、
実は宛だったと^^;

でまぁ、彼方ではなく宛でなくてはいけなかった理由は後半部分でわかるのですが、
そりゃ彼方には教えられないなぁ、という状態でしたね。

ハルは由良に巻き込まれて振り回されてたのですが、
この本筋よりもねうの存在のほうが気になってた。
ねうって一体何者だったんだろうか。

彼女がいなきゃハルはきっとどうにかなってたと思う。
だから、大事な存在だったんだというのはわかるのですが
正体が全くわからんまま終わったなぁ。
後半部分を読んで色んなところに繋がりがあるから、
この子もどこかに繋がりがあるのかなぁ?
と想像してみたのですが、ないよね?
本当に気になる存在でした。
別れ際もすごく大人な対応でそれがまた魅力的だったと思います。

しかしまぁ、芸術家の息子であることは予想がついてましたが、
その芸術家の正体には行き当たらなかったなぁ^^;
それが彼方には教えられない理由。
「プシュケの涙」で亡くなった吉野彼方の父親だった。

これ前半部分で気付ける点としては、
彼方と接点のある芸術家と、
スペードのクイーンの女性のモチーフくらいしかないですよね?
黒髪の少女。
それが吉野だったんでしょうね。
だから、彼方に頼んで吉野に渡してもらいたかった。
それは叶うことはないから、宛が絵を持ち続けていた理由。
ということは、その絵に使われていた血は吉野のものだったってことか。

本当に彼方には教えられないなぁ。

布施の大切な人が亡くなった時期と吉野が亡くなった時期は一緒。
でも、彼方と思って絵を渡した宛には、
ある人に渡してほしい、とのことだったわけでしょ。
ということは彼方に渡したかったというわけじゃない?
ってことは吉野になると思ったんだけども。
タイミングが一緒なのが気になるんだよなぁ。
宛が渡すようにって部分について嘘をついてるのかね?
本来は彼方に渡すべきものだから渡すって言ってるのか、どうなのか。
どうなんだろうなぁ。
最低な父親でも大切な娘が亡くなったことで狂ったのなら、
まだマシな気もするけど、どうなんだろうか。

宛はずっと手元に置いていた絵をハルに渡した。
宛の見計らったようなタイミングはなんなんだろ?

後半は由良兄弟のいとこでグラビアアイドルとして活躍している「A」という女性目線。
彼女の中には宛しかいない。
宛に振り向いてもらうためだけに色々なことをする。

だから、他のことは目に入らないわけで、
若干怖いねw
でも、切なくてよかったです。

彼女の「A」という芸名は宛のAを取ってるのかね?
それとも彼女自身の名前にAが使われてるのかな?
ただ、ファースト写真集の名前は完全に宛を意識した名前でしょうね。
「gAme」だもんなぁ。
ゲーム好きの宛のための名前としか言えないねぇ。

で、そんな宛のための写真は宛が自分で買って読んでくれるという最後。
これは本当に嬉しかっただろうなぁ。
こっちまで嬉しくなったもん。

けど、宛の本心はなかなか掴めない。
どういう気持ちを持ってるんだろうなぁ。
彼方ほどでなくとも、
やっぱり宛にとって「A」は特別なんだろうねぇ。

後半の中で語られた「プシュケの涙」の裏側。
彼方は死にかけてたのなぁ。
精神的に追い込まれて。
そこから立ち直っての、あれって考えるとすごいな。
しかも、結末は肉体的に死にかけるだからなぁ^^;
そりゃ、誰だってブチギレるわw

今は青を使った絵ばかりを描いてるらしい。
吉野の影を追い続けてるのかなぁ。

こういう裏を知ることで、本当に思い出すとあの事件はイラッとする。
何で死ななきゃいけなかったんだ、と。
あんなくだらないことで。

彼方はこれからどうするんだろうなぁ。

さてはて、「セイジャの式日」も読もう。
本当に「プシュケの涙」読み始めてよかった。
有川浩さんの名前が帯に出ていたことに感謝だわ。
いい小説に巡り会えたねぇ。


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