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とある飛空士への夜想曲 下/犬村小六(著) 読了

とある飛空士への夜想曲 下/犬村小六(著)壮絶な物語でした。
何度、早く戦争終わってくれ!
と願ったことか。

戦争にあるのはただただ悲しみだけだと思った。
それ以外に何も生まれないですよ。

ただただ、未来に生きる子供たちのために、
空に生きた人たちの物語。

空戦シーンは本当にどれも読み応えがありました。
そして、色んな場面で泣きそうになりました。

飛空士シリーズ最高傑作でした。
上巻、下巻ともに本当に素晴らしかったです。

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以下ネタバレ含みつつ感想続けます。
レヴァームの人たちが称える一つの島での戦い。
ただ、未来の子供たちのために戦い続けた人たち。
こういう少ししか語られていない部分にも色々な物語があったはずなわけで、
そういうのをスピンオフ的な物語として読んでみたいなぁ、
って思った。
そういうものがたくさんあった作品だと思います。

しかしまぁ、猿だ、猿だと言い続けるレヴァーム軍人たちの言葉は読んでてイライラした。
そのくせ、矛盾したこともしてくる。
千々石の行為に対してしたことは到底、猿だなんて言ってるような人がするようなことじゃなかった。

そういうことが出来るのに、
何でもっと早く変わろうとしなかったんだろうか。
同じ人なのに。

7万人の犠牲でようやく国が動いた。
ファナはずっと戦争を終わらせようと動き続けてくれてたんでしょうね。
そして、これが最速で終わらせることが出来た方法なんだとは思う。
でも、もう少し早く終わらせることが出来てればと思わずにいられない。

たらればを言ってもしょうがないですけどね。

皇国も7万人もの人を失わずにすんだわけだし。

何故そんな犠牲をはらわなければ同じ人間を人間として認められないのか。
プライドやらなんやらなんてもん捨てちまえよ。
って思うよねぇ。
けど、そんなに簡単なもんじゃない。

千々石は戦争の中で人の汚さ以外のものを見たという。
戦争は時代がそうさせたのだと。

けどやっぱり戦争なんてしないで友好関係を結べる出会いが出来なかったのかと思ってしまうよなぁ。
これもまたたらればになっちゃうわけですけど^^;

本当に色んな人の歯車を戦争という力が回したのでしょうね。

最後の局面での一騎打ち。
時間にするとほんのわずかの時間だったんでしょうけど、
きっと千々石とシャルルにとってはとても長い時間に感じたんだろうなぁ、って思う。
言葉はわからずとも伝わる思い。
勝負が始まる前。
そして、勝負がついた後。
二人の間に生まれた友情。

生かされたシャルルは本当に色々なものを背負っていたんだなぁ。
シャルルはきっと千々石の最期を全て見つめてたんだと思いたい。

一騎打ちの最中でペアだと心のなかで言っていたシャルルが、
自分が負ければ悲しむと、
ファナの名前を出したのは、これまたグッときたなぁ。

一騎打ちの後の作戦。
千々石の決死の通信。
そこからの作戦変更。

本当に千々石一人が全てを変えた。
そうさせたのはユキの一言。
二人が出会ってなければ、こんな風に戦争は終わらなかったんでしょうねぇ。

最期を読んでいて、
そうか、そりゃそうだよなぁ。
って思った。
千々石が生きてたら「恋歌」の時にシャルルと共に並んでるわな。
これだけ、空を飛び続けることを愛した人が飛空士を辞めるわけないですもんね。
ユキがなんと言おうと飛び続けることだけはやめようとしなかったはず。

「追憶」を読み終わったときに、
最後で語っていたのはてっきり千々石だと思っていたのですが、
波佐見だったってことなんですかね。
千々石に言われたように全てを語り継いでるのでしょう。
波佐見が見た戦争の全てを。

これからの世界に生きる新しい命。
それがユキのお腹の中に。
千々石との間の子供がたしかにそこに。

ユキを一人にさせなかった。
そうさせることが出来たのは本当に波佐見のおかげですね。
彼がいたから千々石は動くことが出来た。
彼がいなければユキを悲しませるだけでしかなかったでしょうし、
たぶん、最期のときをこんな風に迎えることは出来なかったでしょうしね。
波佐見を生かそうとしようともしなかっただろうなぁ。

波佐見がいたから千々石が千々石であれたんだろうと思う。

ユキの酔っぱらいっぷりはよかったなぁw
波佐見としては困惑ばかりだったでしょうにw

しかしまぁ、ビーグルのイラストは千々石本人が描いてたとは^^;
意外だったねぇ。
ていうか、それを波佐見が描いたと嘘つかなくてもw

夜想曲は本当に最初から最後までとても素晴らしかったです。
千々石が守った未来がより良くなっていくことを願います。
それが語り継がれていくことを。
人々の中から消え去らないことを願います。


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とある飛空士への夜想曲 下

とにかく一文一文が濃密です。じっくり読んでしまったために思ったよりも読み終わるまでに時間がかかってしまいました。 迫力ある戦闘もさることながら、どんどん悪くなる戦況と次々と空に散華していく飛空士達を目の当たりにして、より生きることと戦うことにこだわりを?...

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読了直後

たった今読み終わりました。
誰かと語り合いたくてつい書き込んでしまいました^^;
僕も夜想曲が最高傑作だと思います。追憶の新装版を読んでからなのでその流れもあるとは思いますが。

バルドーに関しては、僕は異常過ぎる程に誇り高い人物だと思っています。自分自身にレヴァーム人としての高い誇りがあるからこそ、それ以上に誇り高い天ツ人がいることを認めたくない、みたいな感情が根底にあるからこそあんなに猿猿言い続けたんだと思いますよ。意識したかどうかはともかく、言い続ける事で自分のレヴァーム人としての優秀さを擦り込ませていたんじゃないでしょうか。

偉そうに講釈垂れましたが、すべて僕個人の意見です。
携帯からだとこの文章でも長く感じるので、この辺で失礼します。
乱文失礼しました。
それでは

田吾作さんへ

返信遅れてしまってごめんなさい。

バルドーの誇り高さというのは田吾作さんの言っていること、すごくわかりました。
誇り高いがゆえに認めたいけど認めたくない。
そこからの過度な発言。
最期からもそういう人物だというのは納得ですね。
ただ、彼自身がそうでも周りがと考えると、
やっぱり彼の発言の数々は何か納得いかなかったりもします。
周りはただ猿、猿と言ってただけでしょうからね。
そこには自身の誇りも相手の誇りもないでしょうからね。
でも、そこまで伝わってるとバルドーが別人になっちゃいますけどね^^;

バルドーの考え方としていい考え方を知ることが出来たので、
コメント残していただきまして、本当にありがとうございました。

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