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かくしごと承ります。~筆耕士・相原文緒と六つの秘密~/十三湊(著) 読了

かくしごと承ります。~筆耕士・相原文緒と六つの秘密~/十三湊(著)小説を読むのが随分と空いたわけですが、内容がよかったのはありましたけど、
小説を読みたいという気持ちが前向きにあったので、
読んでいて本当に楽しかったです。
結果的にいい休息期間になっていたみたいです。

内容は筆耕士というあまり聞き慣れない仕事をする人たちの話。
スマートフォンやパソコンでの文字のやり取りがほとんどになっていることもありますが、
手書きの文字の特別感、というのが伝わってきました。

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
物語の中で習字について触れていたりもしたのですが、
なるほどな、と思いましたね。
小学生の六年間だけですが硬筆、毛筆ともに習っていて、ともに段をもらっていたりします。
ただ、自分で自分の字を見て上手いとも綺麗だとも思っていなかったんですよね。
特に毛筆は。
そりゃ、当然ですよね。
イヤイヤ行っていたから。
ちゃんと学ぼうという気持ちが微塵もなかったわけで、
やれと言われたことをやっていて、その結果、わからないうちに段をもらっていたわけですから。
文字を書く上でのバランスとかが度々話に出ていましたが、そんなこと考えもしませんでしたね。
そもそもちゃんと教えてもらった記憶が微塵もない、というのも問題がある気がするけどね。

というわけで、本編の感想に移りますが、まず最初に続くのかな?
続けられそうな感じはありますけど、どうなんでしょうね。
引っ張るような問題はなく終わっていたように思いますが。
実は園先生にも何かがあって、というのはありそうだし、
流星がどう絡んでくるのかというのもありますけどね。
続きが出るのを楽しみにしたいかな。

最初の話は和菓子屋さんのお品書き。
親子の関係がどうなっていったのか気になるなぁ。
文緒が残しておいてほしい、って言っていたように、
何年後かに見つけて懐かしんで話を、というのもきっとあるのでしょうね。

二つ目は命名書。
自分のルーツにも繋がる話。
送り出されたのに、その想いに応えられなかった。
でも、違う形で成功はした。
謎のお金はそのお礼だった。
本人にとっては恥ではあったわけですけど、それでも築き上げたものがあるわけで、
少しでもいいから家族に自分の口で話してほしかったかなぁ。
あまりよく言われていなかったのが寂しく感じてしまいましたね。
優しい人だった、というのが曾孫に伝わっていたわけだから、余計にね。

この話が一番好きだったかなぁ。
旧字だったり俗字が、というのが面白かったです。
そういうことだったのな、と。

親友の結婚の話はそういう事情だったのか、と。
これが最後の結婚となってほしいですね。
前向きな想いを口に出すことで現実にしてきた彼女なら、
それを現実のものにしそうだと思えてしまいますね。
もちろん彼女の中には大きな不安があるのでしょうけど、
それを吹き飛ばせるだけの力が感じられた。
本当にそうなれたのは文緒と再会したことが大きかったでしょうけどね。
隠したままだったら、この先の結果が少し違っていたかもしれない。
そんな風に感じてしまう彼女の態度でしたからね。

最後の二つの話は文緒が引っかかっている都築との過去とそれが今へと繋がる話。
そこに共犯めいた感情を持つ必要はなくないか?
と思えてならなかった。
傷つけようとするのと、傷つかないようにするのとでは全く違うと思う。
そこからの好きになったことへの罪悪感のようなものを持ち続けていたのもね。
結局、最後は踏ん切りがつかなくなってしまったわけですけど。
結婚した相手だから諦める、はわかるけど、
相手に好きな人がいるのなら諦める、は違いますよね。
第一、その相手が誰か、というのはわからないわけだし。
ともにタイミングがすごく悪かったわけで、ちゃんと話が出来るといいですが、
どうなるのでしょうね。



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