ぐ~たらにっき
Lazy Diary
『救えるのは宇宙で私だけ』
お父さんの誕生日。
おっ?
羽ばたく音と鳴き声に気付くニコ。
1匹のセキセイインコに近付いていく。
お父さんの可愛がっていたルミちゃんが戻ってきた。
ルミちゃん?
ルミちゃんを捕まるニコ。
ルミちゃん!
家帰ってきたんだぁ。えらいねぇ。
お父さん喜ぶよぉ。絶対。
あっ。プレゼント、ルミちゃんにしよう。
やったぁ。買わないですんだ。
うまい、うまい、うまい、うまい。
カレーを食べるロボ。
突然立ち上がり、部屋を見渡す。
誰だ!誰だ!誰だ!誰だ!
あっ、気のせいか。
再びカレーを食べ始めたロボ。
うん。うまい!
真っ暗なニコの家。
ケーキに一本のローソクが立ちパパさんが1人バースデーソングを歌う。
そして、パパさんはローソクの火を消すとニコが帰ってきた。
ただいまぁ。
電気をつけパパさんに気付くニコ。
何だ、いたの?
おぉ!
何?1人で食べてんの?
だって、お前たちいつ帰ってくるかわかんないんだもん。
お母さんもお姉ちゃんもまだなんだぁ。
冷蔵庫を開け自分の分のケーキを取り出すニコ。
ローソクに火をつけパパさんに消してもらう。
はい。
パパさんはケーキをニコに返す。
ただいま。
ママさん帰宅。
何?やだぁ。あんたたちケーキ食べてるの?
ごめん。ごめん。だって腹減っちゃって。
ただいまぁ。
あぁ!ケーキ食べてる!
お父さんの誕生日。
あぁ、そっか。
ママさんと一美ちゃんのケーキのローソクの火もパパさんが消す。
あっ!そうだ。
ちょっと待っててねぇ。
お父さん!
ん?
じゃーん!
何?誕生日のプレゼント?
ビックリしたぁ?
ルミちゃんの入った鳥かごを持ってくるニコ。
えっ?あぁ、、、えっ?
これはどういう意味かな?
どういう意味って、ルミちゃん帰ってきたんだよ。
えっ?いや、あぁ。帰ったって?
中空っぽじゃない?
いや、ほら。ここにルミちゃん。
何言ってんの?何も入ってないじゃん。
もしかして、みんなルミちゃん見えないの?
うん。声を合わせて言う3人。
うそぉ~!
翌日、ニコはロボの家に行く。
お前って奴はぁ。
カレーをまた食べていたロボ。
ロボいる?
ん?
ねぇ、これ何に見える?
ニコはルミちゃんを指さしロボに聞く。
ん?何ひっかけ?
ひっかけってない!お願いだから見たままに言って!
サイボーグのセキセイインコだ!
よかったぁ。見えるんだぁ。
えっ?正解なの?えっ!それ、サイボーグなの?
なわけないでしょ!普通のセキセイインコよ!
でもさぁ、みんなには見えなくてさ。
まぁでも、とりあえずロボとあたしには見えるみたいなんだけど。
うそぉ。
ほんとなんだってぇ!
地蔵堂。
何にもいないじゃない。
えぇ~!これが見えない!うそぉ~!
だから言ったでしょ!他の人には見えないって。
見えないもの見えるとか言い張って新手の詐欺かぁ?
わかったぁ~!これは幽霊のセキセイインコだ!
えぇ~!ルミちゃん幽霊になっちゃったのぉ?
旅の途中で不慮の事故にあって、でも我が家に帰りたい一身で。
幽霊になって戻ってきたぁ。インコが?バッカじゃないの?
だから、見える人と見えない人はいるんだよ。
なるほどぉ。
よし、わかったから帰ろう。
えっ。ちょ、ちょ、ちょっと待って。
あなたたち幽霊が見えるの?
まぁ~、そういうことになりますけどね。
そう。だったら例のあの。
あっ。
あら?どこ行っちゃった?
帰っちゃいましたね。
えっ?
叫びながら走るニコとロボ。
公園で崩れ落ちた2人。
幽霊退治しろとかさ、絶対そういうこと言われるよね。
うん。
餌食べないなぁ。
やっぱり幽霊なのかなぁ?
ルミちゃんい餌をあげるニコ。
後ろに気配を感じて振り向く。
パパさんにママさん、一美ちゃんが不安そうな顔でニコを見ていた。
苦笑いのニコ。
みんなが見えないのなら、私もルミちゃんは見えないことにした。
みんなと違うことを言い通すのはなかなか根性がいる。
学校に行ったニコは同じクラスの女の子に話を合わせた。
たとえそれが正しいことでもだ。
夜、うなされるロボ。
うわぁ~!
目を覚ましベッドの隣にいる誰かに気付く。
あんたたち、何やってんのぉ!
マキさんとよっちゃんだった。
あのねぇ。ホテルに幽霊が出て困ってるのね。
ニコと2人で追っ払ってくれないかしら?
やですよ。そんなことぉ!
あぁそう。じゃあ、毎晩ここに来るけどいいかしら?
言葉にならない言葉を口にして怒るロボ。
そして、布団の中に潜り込んだ。
はい。どうぞ。
よっちゃんはマキさんにおにぎりを渡す。
これ中身何?
それ、おかかです。
おかか?
はい。
おいしい。初めて食べた。
わかりましたよぉ!やればいいんでしょ!やれば!
布団から飛び出しロボが言う。
ホテルの一室に向かうニコとロボ。
ニコは盾を持って前を歩く、ロボはバズーカを持ってニコの後ろを歩く。
帰ってきたのはルミちゃんだけではなかった。
何でこんな仕事引き受けたのよ!
だって、あいつら人んち来て帰らないんだもん!
ロボが引き受けたんだからさ。先入ってよね!
俺、俺はこういうの苦手なんだよ。
部屋の鍵を取り出しニコに渡そうとするロボ。
鍵あるから。開けて。開けて。
やだよ!ロボがやるの!
俺はまだ心の準備が出来ないんだよ。何やってんだよ!
こっちだって!
2人で突入した。
うわぁ~!やだぁ~!
ニコの後ろに隠れるロボ。
もしもし?誰かいますか?
ドアが閉まる。
キャッ!
うわぁ~!
泣きそうなニコとロボ。
ドアの方を見る。
誰よぉ!いるの?いるんですかぁ!
俺たちはなぁ、怖がりなんだぞぉ!
カーテンが開く音に気付き振り返る2人。
み、み、み、み!
三日坊主。。。
3ヶ月前に死んだはずの三日坊主が帰ってきた。
三日間しか記憶がもたないことから、三日坊主と呼ばれた男。
職業・殺し屋。
そんな彼の殺しのターゲットは地蔵堂の社長。
ロボとあたしは無我夢中で走り回った。
地蔵堂の社長を救うことは出来たが、その結果三日坊主は死んでしまった。
ロボとあたしと地蔵堂。
全ての始まりは三日坊主だった。
何でうちに連れて帰ってきたんだよ。
知らないわよぉ。ついて来ちゃったんだから。
三日坊主から離れて話す2人。
三日坊主に駆け寄る2人。
あのぉ。
お久しぶりっ。
返事がない。
やっぱり、幽霊には言葉通じないのかね?
そうなのかなぁ?本当に通じないのかなぁ?
通じてるかどうか怒らせてみる?何かひどいこと言ってみて。
ひどいことって?
聞くに耐えないひどいこと。
例えば。
う~ん。
立ち上がるロボ。
このぉ!このぉ!ひよこ顔!
それ、悪口ぃ?
じゃあ、言ってみなよ。ニコが。強烈なやつをね!
えぇ~!
このぉ。。。ぴよ吉。
笑うロボ。
怒って立ち上がる三日坊主。
逃げるニコとロボ。
三日坊主は自分を必死で指さす。
何してんの?
何か伝えたいんじゃない?
怯える2人。
ジェスチャー?
俺?
頷く三日坊主。
俺!
うん。
俺は。
椅子に座り手を胸の前におく三日坊主。
ん?わかんないよぉ。
私もわかんない。
俺は、俺は、俺はひよこ顔か!
怒って立ち上がる三日坊主。
ベッドの上に逃げる2人。
怒ってるよ!
だから、何ぃ。
俺の次何ぃ!
寝転がる三日坊主。
俺は泳げるのか!
立ち上がって違うと首をふる。
俺は、、、
俺は、、、
再び寝転がる三日坊主。
今度は手を胸の前に置く。
死ん、、、だのか。
三日坊主はそうだと立ち上がってニコに頷く。
俺は死んだのか。
そうだよ。。。死んだんだよ。
三日坊主は固まる。
ロボは新聞の切抜きを取り出し三日坊主に渡した。
覚えてる?殺し屋だったの。
でも、地蔵堂の社長殺せなくて組織に消されたの。
三日坊主はもう、、、死んでるんだ。
翌日、学校。
悪いけどさ。転校生に更衣室教えてやってくれ。
先生に頼まれたニコ。
廊下を歩く2人。
あのぉ。ねっ。
うちの学校だと、そういう靴下のはきかたは流行ってなくて、そんな風に折り返さないんだよね。
後はその、スカートの丈も後もう2センチほど短めなんだ。
バカみたい。
えっ?
あんたそんなに周りと合わせたいんだ。
帰り支度をするみんな。
窓際でクラスの女の子が話している。
今度の転校してきた白井さんてさぁ。
何か話にくいんだよねぇ。
ねぇ~。
自分だけ違うって感じだもん。
みんなでしかとしちゃおっか。
確かにしたくなるキャラだもんねぇ。
ねぇ~。
白井さんを追いかけるニコ。
あのさ。
自分らしくやるのはいいと思うけど、少しくらい周りに合わせないとそろそろやばくなるから。
今が、ギリギリだから。
笑う白井さん。
はぁ。。。。
自己嫌悪だぁ~!
ニコは公園で叫んだ。
家に帰るニコ。
あれ?ルミちゃんいない。
ルミちゃ~ん。ルミちゃ~ん。
鳥かごを持って公園を探すニコ。
ルミちゃ~ん。ルミちゃ~ん。
あっれ?どこ行っちゃったんだろう?
どうしたの?鳥探してるの?
どんな鳥?
セキセイインコなんですけどぉ。
あれ?そっか。他の人には見えないんだから。
何言ってるの?
この子いっちゃってない?
苦笑いするニコ。
いいです。すみません。
ルミちゃ~ん。
あれ?ニコ、何してるの?
まだ、三日坊主と一緒なんだ。
うん。近いよ!
なかなか離れてくれなくてね。
あっ!ルミちゃんがいなくなった。
えっ?いるじゃん。
ロボはかごの中を指さす。
えっ?どこに?
ここにいるでしょ。ねぇ。
三日坊主も頷く。
家に帰るニコ。
何もいない鳥かご。
私には見えない。
あんたそんなに周りとあわせたいんだ。
見えないふりをしてたから、だから本当に見えなくなってしまったの?
ロボの家。
さすがに5日目のカレーは飽きるなぁ。
5日目のカレー。
あれ?しゃべれるのぉ~?
少しずつ思い出しました。
座りなおすロボ。
あのさ、幽霊になるってことは何かあるんじゃないの?
何か?
だから、心残りとかさ。やり残したこととかさ。
何か、引っ掛かることがあるから、この世に留まってるんでしょ?
首を横にかしげる三日坊主。
わかんないかぁ。
レシートを取る三日坊主。
生きてる!
ん?
あなたは、、、生きてる。生きてる。生きてます。
私には、、、それがありません。
だって、しょうがないでしょ?
幽霊なんだもん。
死ぬ前から私は、、、生きてきたという思い出がありません。
生きてきたっていう実感が、、、ないの?
頷く三日坊主。
そんなこと言われてもなぁ。
ロボと電話するニコ。
う~ん。生きてた実感かぁ。
えっ?何?三日坊主がくんの?うちに?
えぇ~!
庭の方を見るとそこにはすでに三日坊主が。
ていうか、もう来てるし。
パパさんが帰ってきた。
会社の女の子からもらっちゃったぁ。
俺、これでもてるんだよねぇ。
銀玉鉄砲って古いなぁ。
女の子じゃなくてオバサンにもらったんじゃないの?
ちょっと何言ってるのよ。
会社じゃオバサンのこと女の子って呼ぶのよ。
ちょっと何言ってんのよ。
険しい表情パパさんの銀玉鉄砲を見つめ立ち上がる三日坊主。
三日坊主?
三日坊主は自分が銃を持つ姿を思い出す。
三日坊主の顔はどんどん険しくなっていく。
パパさんは撃つ真似をする。
部屋が揺れ始める。
お皿は落ち、部屋がメチャクチャに。
ロボ~!
三日坊主が大変!
叫びながら走り、ロボは急いでニコの家に。
えっ!
メチャクチャな部屋に驚くロボ。
一美ちゃん。
机の下に隠れていた一美ちゃんに気付く。
ロボぉ。。。
三日坊主と目が合う。
三日坊主は視線をそらす。
ロボの家。
すみません。
気が付いたら急に憎しみがわいていて。
すごい力を持ってるんだ。。。
立ち上がる三日坊主。
あれ?どこ行くの?
自分がいたら迷惑ですから。
ちょっと、ちょっと待ってよ!
あたしは三日坊主が生きてた時に、助けてあげることが出来なかった。
だから、今回はちゃんと助けてあげたい。
そうだ。。。
帰るべきところに帰してあげたい!
でもまた、憎しみがわいてきたら、、、自分でも止めようがないし。
止めようと思ったら止めれるさ!
どうやるの?
それは、、、だから、、、たとえば、、、呪文を唱えるとか。
どんな呪文?
えぇ!?えぇ~と。えぇ~っと。
何かに目をやるロボ。
バテレン レンコン トマトア マーックス!
バテレン レンコン トマトア マーックス!
三日坊主も真似をする。
何か、、、出来た。。。
我慢できそうな気になってきました。
やってみます。
うん!
三日坊主が出て行く、ニコはスーパーのチラシを取る。
レンコンとトマトが安売りしてる。
いいんだ!呪文なんて何だっていいんだ!
大事なのは信じぬくことだぁ~!!!
でも、それ詐欺だよ!
呪文を唱えながら公園を歩く三日坊主。
前から歩いてくる男性に気付き、呪文をやめる。
自分が死んだときのことを思い出した三日坊主。
ベンチに座った自分を殺した男性に険しい表情で近付いていく。
三日坊主。。。!?
逃げ出す男性。
違うんだって、俺じゃないんだ!
あの箱、渡してくれって頼まれたんだ!
違うんだって!
風がうなり声をあげて男性を襲いだす。
三日坊主はニコとロボとの思い出を思い出す。
バテレン レンコン トマトア マーックス!
必死で呪文を唱え始める三日坊主。
三日坊主?
えっ?
三日坊主が呪文唱えてる。
バテレン レンコン って。
えぇっ!
ニコとロボは急いで三日坊主のところへ。
三日坊主!
どうしたのぉ~?
呪文を唱え続けていた三日坊主。
俺を殺した男。
男性がいた方を指さす。
えっ?
あたりを見回すニコとロボ。
もういないよ。
思い出したよ。
ロボと、、、ニコだ。
そうだよ。
思い出した。
3人は笑顔になる。
原っぱを歩く2人。
ごぼ蔵とかお歯黒女とか、、、
ねぇ、三日坊主。
振り向き三日坊主に話しかけようとしたニコ。
しかし、そこにはロボしかいなかった。
あれからさ、いっぱい友達が出来たんだよ。まぁ、今はちょっと離れてるけどね。
ねぇ!
ん?どうかした?
三日坊主は?
ちょっと何言ってんの?ここにいるでしょぉ。ねぇ~!
あたし見えない。
えっ?
見えないよ!
今にも泣きそうな顔でニコは走り出した。
リビングで寝転がるニコ。
悲しそうな表情で。。。
ロボの家。
このようなことで忙しい人には、私たちは見えないんじゃないですか?
ニコ、、、忙しいのかぁ。。。
知らないんですか?
うん。普段の生活のこととか話さないからなぁ。
翌日、学校。
林さん、募金。
大勢の女子生徒がニコの周りに集まってきた。
募金の内容が書かれた紙を見たニコ。
これってさぁ、絶対なの?
クラスごとの集計だからさ、他のクラスに負けるの嫌じゃない?
周りの生徒は頷く。
わかった。
ニコは渋々お金を入れた。
そして、隣の白井さんにも募金を入れるように言う女子生徒たち。
白井さん募金。
あたししない。
あたしそういうの嫌いだから。
何であんなめんどくさいこと言うんだろう。。。バカじゃないの。。。
とにかく、やり方がやなの。
こういう無理矢理なやり方が。
無理矢理じゃなかったらお金集まらないよねぇ。
林さんだって、本当はそういうの嫌なんでしょ?
えっ?
女子生徒たちがニコを見る。
あ、あたしは、、、
バテレン レンコン トマトア マックス。。。
はっ?
呪文を呟くニコ。
バテレン レンコン トマトア マーックス!
ニコはロボの呪文を大声で唱えた。
固まる生徒達。
募金なんだし、私も無理矢理っていうのはどうかと思う。。。
そんな姿を見た白井さんは笑顔でニコを見た。
ニコも笑顔になった。
ロボが教えてくれたあの呪文さぁ、、、効いた。
夕方の原っぱ。
3人で歩く。
ヘベレケ ダイ、、、じゃなかった。何だっけ?
やだ。覚えてないの?
ロボが教えてくれたやつってさ。
あれは自分を守るためのものだったんだよねぇ。
えっ?そう?
ねっ!三日坊主だってそうだよね?
三日坊主はこっちだよ。
ニコは逆の方向を向いて話しかけていた。
もしあの呪文がなかったらさ。本当のやりたいことわかんないままだったよね?
三日坊主がいるであろう場所にニコは話しかけた。
そうですねぇ。。。
何て?
そうですねぇ。だって。
三日坊主の声が聞こえないニコはロボに通訳してもらう。
ほら。
ニコは笑顔で言う。
ここは子供の頃に遊んだ場所によく似ている。
ここは子供の頃に遊んだ場所によく似てるって。
三日坊主が言ってる。
そんなことまで思い出せたんだ。
よく遊んだ。楽しかった。
よく遊んだ。楽しかったぁ。だって。
ニコは笑顔になる。
バテレン レンコン トマトア マーックス。
三日坊主が呪文を呟く。
ロボは笑顔になる。
ニコも笑う。
地蔵堂。
マキさんの前に三日坊主が現れた。
あっ、あなた!
えっ?
三日坊主?
三日坊主?えっ?三日坊主いるんですか?見えるんですか?
三日坊主が見えないよっちゃんはマキさんに駆け寄る。
よく遊んだ。楽しかった。
一言だけ言って三日坊主は消えた。
な、何なんですか?
あのね。よく遊んだ。楽しかった。って。
何ですか?それ。
さぁ?何で来たんだろう?
2人はまだ原っぱにいた。
2人は座って赤らんだ空を見ていた。
三日坊主さぁ。。。行っちゃったよ。
そう。。。
うまく帰れるといいなぁ。
さようなぁ!
さようなぁ~!
地蔵堂。
これで、三日坊主の幽霊はもう二度と、現れることはありません。
じゃあ、あれは。最後の挨拶だったんだわ。
挨拶に来たんだ。三日坊主。
うん。
ロボはよっちゃんに近付いていく。
何だよ!ロボぉ!
一美ちゃんとは、、、どうなってるんだ!
だから、誤解だって。どうなるもこうも、どうもなるわけもないだろ!
疑いの視線を送るロボ。
あっ、疑ってる。だから、本当だって。
よっちゃんの言うとおりだよぉ。
だって、今一美ちゃん別の人と付き合ってるもん。
えっ!?うそぉ~!
声をそろえて驚くロボとよっちゃん。
マキさんは笑う。
挨拶がなかったんだぁ。
固まる2人。
並木道を歩く2人。
ロボさぁ。
ん?
一美ちゃんのこと、まだ好きなの?
うん。だって、やっぱ可愛いんだもん。
ニコは立ち止まる。
じゃあさ、いっぺんデートしてみる?
歩き続けるロボ。
ロボ?
振り向いたロボは鼻血が出ていた。
ロボと一美ちゃんのデート当日。
あの、、、今日はよろしくお願いします。
肩膝をつき手を出すロボ。
こちらこそ。
一美ちゃんはロボの手を取り歩き出した。
ニコは掃除のおばちゃんに変装してついていく。
これは、、、池です。
うん。
一美さんは、魚は好きですか?
う~ん。うん。好きだよ。
公園のベンチに座る2人。
一美さんはどんな男性がタイプなんですか?
う~ん。私やっぱ強い人かなぁ?
何だぁ。思ってたよりうまくやってんじゃん。
じゃあ、帰るか。
影ながら見ていたニコは帰ろうとした。
こんなのとデートしてんの?
俺達の方がはるかによくない?
えっ?ちょっと何するんですか?
2人の男が絡んできた。
ロボは吹き飛ばされる。
2人の男は一美ちゃんの隣に座る。
ちょっとぉ~!
失礼でしょ!
失礼でしょ!ってやるのか?
やるのか?
一美ちゃんがベンチを離れる。
ちょっとぉ~!
何やってんのよぉ~!
一美ちゃんにいいところ見せろぉ~!
ニコが大声でロボに言う。
ゴーゴー!
だっ!
何か言おうとしたロボ。
いいから、行けって!
ゴーゴーゴー!
お~し。やぁ~!
あっさり倒されるロボ。
よわぁ~!
まだまだぁ~!
マックスビーム!
マックスロボを突き出すロボ。
マックスロボあえなく大破。
あぁ~!マックスぅ。。。
隠れていた一美ちゃんは呆れる。
ニコは口をあけて固まってしまった。
ロボの家。
バラバラになったマックスロボを見つめる2人。
一美ちゃんとマックスロボ、一挙になくしちゃったね。
申し訳なさそうにニコが言う。
なくなってなんかいないさ。
正義は死なない!
それでも悲しそうなロボ。
地蔵堂。
ねぇ、よっちゃん。
はい?
あんたこの店やる?
やる?やるって社長は?
あたし?もういいかなぁって。
やるんなら、よっちゃんにあげる。
急にそんなこと言われてもなぁ。
あの人死んじゃったし。
社長の恋人っすか?
うん。もともとあの人のそばにいたいと思って、この店始めたんだし。
そうかもしれませんけどぉ。
まだ、やってないこともあるし。
まだ何がやりたいんすか。
よく遊んだ。楽しかった。って三日坊主の最後の言葉。
よく遊んだ。楽しかった。。。
私も最後の最後には、そう言ってさよなら出来たらなぁって。
夜を歩くニコとマキさん。
よっちゃんから聞きました。
地蔵堂やめるって。
こんなところでもけっこう星が見えるのね。
星と星って、近付いたり遠ざかったりしてるのよ。
星ですら、同じなんてありえない。
人は変わるわ。
ずっと同じなんてないの。
立ち止まる2人。
ニコ、色んなことを知りなさい。
これからも色んなことを知って、どんどん変わっていきなさい。
…でもそのために、、、人と別れるんですよね?
そうね。
別れるのは嫌だ。
枯れないと次の花は咲かない。
別れるから次の出会いがある。
必ずある。
ニコを抱きしめるマキさん。
翌日ロボの家。
ルミちゃんを逃そうとするニコとロボ。
あっ、あれ?あっ。
逃げた?
うん。飛んでった。
バイバーイ。元気でなぁ~。
って死んでるかぁ。
何でルミちゃんも三日坊主も、見えなくなっちゃったんだろう。
私なんか変わっちゃったのかなぁ?
ロボはロボのままなのに。
そんなことないよ。俺も色々変わったよ。
でもね、俺は、どんなときでもきっと自分の味方でいようと思うんだ。
たとえ、最後の1人になったとしても、、、俺は自分を味方する。
ニコは涙をこらえるように落としていた視線を上にあげた。
地蔵堂がなくなって私とロボは出動することがなくなってしまった。
私とロボが最後に話したのは、いつもの道で。
話の途中で電話がかかってくるニコ。
あれ?
ねぇ、ごめん。その話明日聞くわ。ごめんね。
わかった。じゃあ、また明日ね。
明日ね。
バイバーイ。
2人は別れた。
2人とも、それが最後になるとは思ってもみなかった。
ケンカしたわけでもないし、引っ越したわけでもないのに、
何となく会わなくなってしまった。
ニコの家。
大勢のカメラマンと記者が家にいた。
ニコ以外はおめかしをして登場。
ポルターガイストというのでしょうか?
私どもも全くあぁいう経験は初めてでして。。。
パパさんにマイクを渡すママさん。
食器棚が何回も、何回も揺れていたと記憶します。
一美。
一美ちゃんにマイクを渡す。
食器なんかもすごい割れたりしました。後はそのぉ。
マイクを奪うママさん。
外国製のティーカップですとか、後、外国製のシュガーポットですとかね。
騒ぐ記者団。
ニコ!
ニコにマイクが渡される。
えっ!
あのぉ~。。。怖かったです!
記者団は驚く。
たぶん、私たちはいつでも会えると思っていたのだ。
マックスロボの修理をするロボ。
正義は死ななかったぁ~!
ロボ修復完了!
1人荷物を抱えて歩くマキさん。
誰かに気付き立ち止まる。
よっちゃん。。。
1人だけで楽しいことしようだなんて、ずるいじゃないですか!
笑うマキさん。
社長とよっちゃんは流れ星のように私の前から消えた。
その後、一度だけロボを見かけたことがある。
一心に空を見上げていたので、声をかけそびれた。
ロボは、ダイヤモンドで出来た星みたいだと思った。
どんなものでも、きっとロボを傷つけることは、出来ないだろう。
夜空の星のように何十年後、私とロボはまた急接近するのだろうか?
ニコはロボと同じように空を見た。
ニコは想像する。
ロボ。出動よ。
救えるのは宇宙であたしだけなの!
宇宙とか言われるとトキメクじゃないかっ!
2人はマックス!
ポーズを決めた2人。
ニコがマキさんの服装。
ロボがよっちゃんの服装で地蔵堂にいた。
友達と並木道を歩くニコ。
どこzの惑星を調べるか話す2人。
友達は金星。
じゃあね、私は、、、地球にしよっかな。
ロボの言うとおり、私はずっと自分の味方でいようと思う。
バテレン レンコン トマトア マックス。
学校の屋上でニコは呟いた。
ロボは子供達と遊んでいた。
マックス!友情!パワー!
何度も大声で繰り返すロボと子供達。
なぜなら、あたしを救えるのは宇宙であたしだけだから。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
キャスト
☆須藤威一郎(ロボ)…松山ケンイチ
☆林二湖(ニコ)…大後寿々花
☆林一海…村川絵梨 ☆林竹男…塚本晋也
☆林雪江…片桐はいり
☆名梨秀吉…岡田義徳 ☆真境名マキ…浅丘ルリ子
<第11回ゲスト>
☆三日坊主…中村獅童
公式HP
第1回感想 | 第2回感想 | 第3回感想 | 第4回感想 | 第5回感想
第6回感想 | 第7回感想(未放送) | 第8回感想 | 第9回 感想 レビュー | 第10回感想 | 最終回感想
コメント・TBは感想へ
おっ?
羽ばたく音と鳴き声に気付くニコ。
1匹のセキセイインコに近付いていく。
お父さんの可愛がっていたルミちゃんが戻ってきた。
ルミちゃん?
ルミちゃんを捕まるニコ。
ルミちゃん!
家帰ってきたんだぁ。えらいねぇ。
お父さん喜ぶよぉ。絶対。
あっ。プレゼント、ルミちゃんにしよう。
やったぁ。買わないですんだ。
うまい、うまい、うまい、うまい。
カレーを食べるロボ。
突然立ち上がり、部屋を見渡す。
誰だ!誰だ!誰だ!誰だ!
あっ、気のせいか。
再びカレーを食べ始めたロボ。
うん。うまい!
真っ暗なニコの家。
ケーキに一本のローソクが立ちパパさんが1人バースデーソングを歌う。
そして、パパさんはローソクの火を消すとニコが帰ってきた。
ただいまぁ。
電気をつけパパさんに気付くニコ。
何だ、いたの?
おぉ!
何?1人で食べてんの?
だって、お前たちいつ帰ってくるかわかんないんだもん。
お母さんもお姉ちゃんもまだなんだぁ。
冷蔵庫を開け自分の分のケーキを取り出すニコ。
ローソクに火をつけパパさんに消してもらう。
はい。
パパさんはケーキをニコに返す。
ただいま。
ママさん帰宅。
何?やだぁ。あんたたちケーキ食べてるの?
ごめん。ごめん。だって腹減っちゃって。
ただいまぁ。
あぁ!ケーキ食べてる!
お父さんの誕生日。
あぁ、そっか。
ママさんと一美ちゃんのケーキのローソクの火もパパさんが消す。
あっ!そうだ。
ちょっと待っててねぇ。
お父さん!
ん?
じゃーん!
何?誕生日のプレゼント?
ビックリしたぁ?
ルミちゃんの入った鳥かごを持ってくるニコ。
えっ?あぁ、、、えっ?
これはどういう意味かな?
どういう意味って、ルミちゃん帰ってきたんだよ。
えっ?いや、あぁ。帰ったって?
中空っぽじゃない?
いや、ほら。ここにルミちゃん。
何言ってんの?何も入ってないじゃん。
もしかして、みんなルミちゃん見えないの?
うん。声を合わせて言う3人。
うそぉ~!
翌日、ニコはロボの家に行く。
お前って奴はぁ。
カレーをまた食べていたロボ。
ロボいる?
ん?
ねぇ、これ何に見える?
ニコはルミちゃんを指さしロボに聞く。
ん?何ひっかけ?
ひっかけってない!お願いだから見たままに言って!
サイボーグのセキセイインコだ!
よかったぁ。見えるんだぁ。
えっ?正解なの?えっ!それ、サイボーグなの?
なわけないでしょ!普通のセキセイインコよ!
でもさぁ、みんなには見えなくてさ。
まぁでも、とりあえずロボとあたしには見えるみたいなんだけど。
うそぉ。
ほんとなんだってぇ!
地蔵堂。
何にもいないじゃない。
えぇ~!これが見えない!うそぉ~!
だから言ったでしょ!他の人には見えないって。
見えないもの見えるとか言い張って新手の詐欺かぁ?
わかったぁ~!これは幽霊のセキセイインコだ!
えぇ~!ルミちゃん幽霊になっちゃったのぉ?
旅の途中で不慮の事故にあって、でも我が家に帰りたい一身で。
幽霊になって戻ってきたぁ。インコが?バッカじゃないの?
だから、見える人と見えない人はいるんだよ。
なるほどぉ。
よし、わかったから帰ろう。
えっ。ちょ、ちょ、ちょっと待って。
あなたたち幽霊が見えるの?
まぁ~、そういうことになりますけどね。
そう。だったら例のあの。
あっ。
あら?どこ行っちゃった?
帰っちゃいましたね。
えっ?
叫びながら走るニコとロボ。
公園で崩れ落ちた2人。
幽霊退治しろとかさ、絶対そういうこと言われるよね。
うん。
餌食べないなぁ。
やっぱり幽霊なのかなぁ?
ルミちゃんい餌をあげるニコ。
後ろに気配を感じて振り向く。
パパさんにママさん、一美ちゃんが不安そうな顔でニコを見ていた。
苦笑いのニコ。
みんなが見えないのなら、私もルミちゃんは見えないことにした。
みんなと違うことを言い通すのはなかなか根性がいる。
学校に行ったニコは同じクラスの女の子に話を合わせた。
たとえそれが正しいことでもだ。
夜、うなされるロボ。
うわぁ~!
目を覚ましベッドの隣にいる誰かに気付く。
あんたたち、何やってんのぉ!
マキさんとよっちゃんだった。
あのねぇ。ホテルに幽霊が出て困ってるのね。
ニコと2人で追っ払ってくれないかしら?
やですよ。そんなことぉ!
あぁそう。じゃあ、毎晩ここに来るけどいいかしら?
言葉にならない言葉を口にして怒るロボ。
そして、布団の中に潜り込んだ。
はい。どうぞ。
よっちゃんはマキさんにおにぎりを渡す。
これ中身何?
それ、おかかです。
おかか?
はい。
おいしい。初めて食べた。
わかりましたよぉ!やればいいんでしょ!やれば!
布団から飛び出しロボが言う。
ホテルの一室に向かうニコとロボ。
ニコは盾を持って前を歩く、ロボはバズーカを持ってニコの後ろを歩く。
帰ってきたのはルミちゃんだけではなかった。
何でこんな仕事引き受けたのよ!
だって、あいつら人んち来て帰らないんだもん!
ロボが引き受けたんだからさ。先入ってよね!
俺、俺はこういうの苦手なんだよ。
部屋の鍵を取り出しニコに渡そうとするロボ。
鍵あるから。開けて。開けて。
やだよ!ロボがやるの!
俺はまだ心の準備が出来ないんだよ。何やってんだよ!
こっちだって!
2人で突入した。
うわぁ~!やだぁ~!
ニコの後ろに隠れるロボ。
もしもし?誰かいますか?
ドアが閉まる。
キャッ!
うわぁ~!
泣きそうなニコとロボ。
ドアの方を見る。
誰よぉ!いるの?いるんですかぁ!
俺たちはなぁ、怖がりなんだぞぉ!
カーテンが開く音に気付き振り返る2人。
み、み、み、み!
三日坊主。。。
3ヶ月前に死んだはずの三日坊主が帰ってきた。
三日間しか記憶がもたないことから、三日坊主と呼ばれた男。
職業・殺し屋。
そんな彼の殺しのターゲットは地蔵堂の社長。
ロボとあたしは無我夢中で走り回った。
地蔵堂の社長を救うことは出来たが、その結果三日坊主は死んでしまった。
ロボとあたしと地蔵堂。
全ての始まりは三日坊主だった。
何でうちに連れて帰ってきたんだよ。
知らないわよぉ。ついて来ちゃったんだから。
三日坊主から離れて話す2人。
三日坊主に駆け寄る2人。
あのぉ。
お久しぶりっ。
返事がない。
やっぱり、幽霊には言葉通じないのかね?
そうなのかなぁ?本当に通じないのかなぁ?
通じてるかどうか怒らせてみる?何かひどいこと言ってみて。
ひどいことって?
聞くに耐えないひどいこと。
例えば。
う~ん。
立ち上がるロボ。
このぉ!このぉ!ひよこ顔!
それ、悪口ぃ?
じゃあ、言ってみなよ。ニコが。強烈なやつをね!
えぇ~!
このぉ。。。ぴよ吉。
笑うロボ。
怒って立ち上がる三日坊主。
逃げるニコとロボ。
三日坊主は自分を必死で指さす。
何してんの?
何か伝えたいんじゃない?
怯える2人。
ジェスチャー?
俺?
頷く三日坊主。
俺!
うん。
俺は。
椅子に座り手を胸の前におく三日坊主。
ん?わかんないよぉ。
私もわかんない。
俺は、俺は、俺はひよこ顔か!
怒って立ち上がる三日坊主。
ベッドの上に逃げる2人。
怒ってるよ!
だから、何ぃ。
俺の次何ぃ!
寝転がる三日坊主。
俺は泳げるのか!
立ち上がって違うと首をふる。
俺は、、、
俺は、、、
再び寝転がる三日坊主。
今度は手を胸の前に置く。
死ん、、、だのか。
三日坊主はそうだと立ち上がってニコに頷く。
俺は死んだのか。
そうだよ。。。死んだんだよ。
三日坊主は固まる。
ロボは新聞の切抜きを取り出し三日坊主に渡した。
覚えてる?殺し屋だったの。
でも、地蔵堂の社長殺せなくて組織に消されたの。
三日坊主はもう、、、死んでるんだ。
翌日、学校。
悪いけどさ。転校生に更衣室教えてやってくれ。
先生に頼まれたニコ。
廊下を歩く2人。
あのぉ。ねっ。
うちの学校だと、そういう靴下のはきかたは流行ってなくて、そんな風に折り返さないんだよね。
後はその、スカートの丈も後もう2センチほど短めなんだ。
バカみたい。
えっ?
あんたそんなに周りと合わせたいんだ。
帰り支度をするみんな。
窓際でクラスの女の子が話している。
今度の転校してきた白井さんてさぁ。
何か話にくいんだよねぇ。
ねぇ~。
自分だけ違うって感じだもん。
みんなでしかとしちゃおっか。
確かにしたくなるキャラだもんねぇ。
ねぇ~。
白井さんを追いかけるニコ。
あのさ。
自分らしくやるのはいいと思うけど、少しくらい周りに合わせないとそろそろやばくなるから。
今が、ギリギリだから。
笑う白井さん。
はぁ。。。。
自己嫌悪だぁ~!
ニコは公園で叫んだ。
家に帰るニコ。
あれ?ルミちゃんいない。
ルミちゃ~ん。ルミちゃ~ん。
鳥かごを持って公園を探すニコ。
ルミちゃ~ん。ルミちゃ~ん。
あっれ?どこ行っちゃったんだろう?
どうしたの?鳥探してるの?
どんな鳥?
セキセイインコなんですけどぉ。
あれ?そっか。他の人には見えないんだから。
何言ってるの?
この子いっちゃってない?
苦笑いするニコ。
いいです。すみません。
ルミちゃ~ん。
あれ?ニコ、何してるの?
まだ、三日坊主と一緒なんだ。
うん。近いよ!
なかなか離れてくれなくてね。
あっ!ルミちゃんがいなくなった。
えっ?いるじゃん。
ロボはかごの中を指さす。
えっ?どこに?
ここにいるでしょ。ねぇ。
三日坊主も頷く。
家に帰るニコ。
何もいない鳥かご。
私には見えない。
あんたそんなに周りとあわせたいんだ。
見えないふりをしてたから、だから本当に見えなくなってしまったの?
ロボの家。
さすがに5日目のカレーは飽きるなぁ。
5日目のカレー。
あれ?しゃべれるのぉ~?
少しずつ思い出しました。
座りなおすロボ。
あのさ、幽霊になるってことは何かあるんじゃないの?
何か?
だから、心残りとかさ。やり残したこととかさ。
何か、引っ掛かることがあるから、この世に留まってるんでしょ?
首を横にかしげる三日坊主。
わかんないかぁ。
レシートを取る三日坊主。
生きてる!
ん?
あなたは、、、生きてる。生きてる。生きてます。
私には、、、それがありません。
だって、しょうがないでしょ?
幽霊なんだもん。
死ぬ前から私は、、、生きてきたという思い出がありません。
生きてきたっていう実感が、、、ないの?
頷く三日坊主。
そんなこと言われてもなぁ。
ロボと電話するニコ。
う~ん。生きてた実感かぁ。
えっ?何?三日坊主がくんの?うちに?
えぇ~!
庭の方を見るとそこにはすでに三日坊主が。
ていうか、もう来てるし。
パパさんが帰ってきた。
会社の女の子からもらっちゃったぁ。
俺、これでもてるんだよねぇ。
銀玉鉄砲って古いなぁ。
女の子じゃなくてオバサンにもらったんじゃないの?
ちょっと何言ってるのよ。
会社じゃオバサンのこと女の子って呼ぶのよ。
ちょっと何言ってんのよ。
険しい表情パパさんの銀玉鉄砲を見つめ立ち上がる三日坊主。
三日坊主?
三日坊主は自分が銃を持つ姿を思い出す。
三日坊主の顔はどんどん険しくなっていく。
パパさんは撃つ真似をする。
部屋が揺れ始める。
お皿は落ち、部屋がメチャクチャに。
ロボ~!
三日坊主が大変!
叫びながら走り、ロボは急いでニコの家に。
えっ!
メチャクチャな部屋に驚くロボ。
一美ちゃん。
机の下に隠れていた一美ちゃんに気付く。
ロボぉ。。。
三日坊主と目が合う。
三日坊主は視線をそらす。
ロボの家。
すみません。
気が付いたら急に憎しみがわいていて。
すごい力を持ってるんだ。。。
立ち上がる三日坊主。
あれ?どこ行くの?
自分がいたら迷惑ですから。
ちょっと、ちょっと待ってよ!
あたしは三日坊主が生きてた時に、助けてあげることが出来なかった。
だから、今回はちゃんと助けてあげたい。
そうだ。。。
帰るべきところに帰してあげたい!
でもまた、憎しみがわいてきたら、、、自分でも止めようがないし。
止めようと思ったら止めれるさ!
どうやるの?
それは、、、だから、、、たとえば、、、呪文を唱えるとか。
どんな呪文?
えぇ!?えぇ~と。えぇ~っと。
何かに目をやるロボ。
バテレン レンコン トマトア マーックス!
バテレン レンコン トマトア マーックス!
三日坊主も真似をする。
何か、、、出来た。。。
我慢できそうな気になってきました。
やってみます。
うん!
三日坊主が出て行く、ニコはスーパーのチラシを取る。
レンコンとトマトが安売りしてる。
いいんだ!呪文なんて何だっていいんだ!
大事なのは信じぬくことだぁ~!!!
でも、それ詐欺だよ!
呪文を唱えながら公園を歩く三日坊主。
前から歩いてくる男性に気付き、呪文をやめる。
自分が死んだときのことを思い出した三日坊主。
ベンチに座った自分を殺した男性に険しい表情で近付いていく。
三日坊主。。。!?
逃げ出す男性。
違うんだって、俺じゃないんだ!
あの箱、渡してくれって頼まれたんだ!
違うんだって!
風がうなり声をあげて男性を襲いだす。
三日坊主はニコとロボとの思い出を思い出す。
バテレン レンコン トマトア マーックス!
必死で呪文を唱え始める三日坊主。
三日坊主?
えっ?
三日坊主が呪文唱えてる。
バテレン レンコン って。
えぇっ!
ニコとロボは急いで三日坊主のところへ。
三日坊主!
どうしたのぉ~?
呪文を唱え続けていた三日坊主。
俺を殺した男。
男性がいた方を指さす。
えっ?
あたりを見回すニコとロボ。
もういないよ。
思い出したよ。
ロボと、、、ニコだ。
そうだよ。
思い出した。
3人は笑顔になる。
原っぱを歩く2人。
ごぼ蔵とかお歯黒女とか、、、
ねぇ、三日坊主。
振り向き三日坊主に話しかけようとしたニコ。
しかし、そこにはロボしかいなかった。
あれからさ、いっぱい友達が出来たんだよ。まぁ、今はちょっと離れてるけどね。
ねぇ!
ん?どうかした?
三日坊主は?
ちょっと何言ってんの?ここにいるでしょぉ。ねぇ~!
あたし見えない。
えっ?
見えないよ!
今にも泣きそうな顔でニコは走り出した。
リビングで寝転がるニコ。
悲しそうな表情で。。。
ロボの家。
このようなことで忙しい人には、私たちは見えないんじゃないですか?
ニコ、、、忙しいのかぁ。。。
知らないんですか?
うん。普段の生活のこととか話さないからなぁ。
翌日、学校。
林さん、募金。
大勢の女子生徒がニコの周りに集まってきた。
募金の内容が書かれた紙を見たニコ。
これってさぁ、絶対なの?
クラスごとの集計だからさ、他のクラスに負けるの嫌じゃない?
周りの生徒は頷く。
わかった。
ニコは渋々お金を入れた。
そして、隣の白井さんにも募金を入れるように言う女子生徒たち。
白井さん募金。
あたししない。
あたしそういうの嫌いだから。
何であんなめんどくさいこと言うんだろう。。。バカじゃないの。。。
とにかく、やり方がやなの。
こういう無理矢理なやり方が。
無理矢理じゃなかったらお金集まらないよねぇ。
林さんだって、本当はそういうの嫌なんでしょ?
えっ?
女子生徒たちがニコを見る。
あ、あたしは、、、
バテレン レンコン トマトア マックス。。。
はっ?
呪文を呟くニコ。
バテレン レンコン トマトア マーックス!
ニコはロボの呪文を大声で唱えた。
固まる生徒達。
募金なんだし、私も無理矢理っていうのはどうかと思う。。。
そんな姿を見た白井さんは笑顔でニコを見た。
ニコも笑顔になった。
ロボが教えてくれたあの呪文さぁ、、、効いた。
夕方の原っぱ。
3人で歩く。
ヘベレケ ダイ、、、じゃなかった。何だっけ?
やだ。覚えてないの?
ロボが教えてくれたやつってさ。
あれは自分を守るためのものだったんだよねぇ。
えっ?そう?
ねっ!三日坊主だってそうだよね?
三日坊主はこっちだよ。
ニコは逆の方向を向いて話しかけていた。
もしあの呪文がなかったらさ。本当のやりたいことわかんないままだったよね?
三日坊主がいるであろう場所にニコは話しかけた。
そうですねぇ。。。
何て?
そうですねぇ。だって。
三日坊主の声が聞こえないニコはロボに通訳してもらう。
ほら。
ニコは笑顔で言う。
ここは子供の頃に遊んだ場所によく似ている。
ここは子供の頃に遊んだ場所によく似てるって。
三日坊主が言ってる。
そんなことまで思い出せたんだ。
よく遊んだ。楽しかった。
よく遊んだ。楽しかったぁ。だって。
ニコは笑顔になる。
バテレン レンコン トマトア マーックス。
三日坊主が呪文を呟く。
ロボは笑顔になる。
ニコも笑う。
地蔵堂。
マキさんの前に三日坊主が現れた。
あっ、あなた!
えっ?
三日坊主?
三日坊主?えっ?三日坊主いるんですか?見えるんですか?
三日坊主が見えないよっちゃんはマキさんに駆け寄る。
よく遊んだ。楽しかった。
一言だけ言って三日坊主は消えた。
な、何なんですか?
あのね。よく遊んだ。楽しかった。って。
何ですか?それ。
さぁ?何で来たんだろう?
2人はまだ原っぱにいた。
2人は座って赤らんだ空を見ていた。
三日坊主さぁ。。。行っちゃったよ。
そう。。。
うまく帰れるといいなぁ。
さようなぁ!
さようなぁ~!
地蔵堂。
これで、三日坊主の幽霊はもう二度と、現れることはありません。
じゃあ、あれは。最後の挨拶だったんだわ。
挨拶に来たんだ。三日坊主。
うん。
ロボはよっちゃんに近付いていく。
何だよ!ロボぉ!
一美ちゃんとは、、、どうなってるんだ!
だから、誤解だって。どうなるもこうも、どうもなるわけもないだろ!
疑いの視線を送るロボ。
あっ、疑ってる。だから、本当だって。
よっちゃんの言うとおりだよぉ。
だって、今一美ちゃん別の人と付き合ってるもん。
えっ!?うそぉ~!
声をそろえて驚くロボとよっちゃん。
マキさんは笑う。
挨拶がなかったんだぁ。
固まる2人。
並木道を歩く2人。
ロボさぁ。
ん?
一美ちゃんのこと、まだ好きなの?
うん。だって、やっぱ可愛いんだもん。
ニコは立ち止まる。
じゃあさ、いっぺんデートしてみる?
歩き続けるロボ。
ロボ?
振り向いたロボは鼻血が出ていた。
ロボと一美ちゃんのデート当日。
あの、、、今日はよろしくお願いします。
肩膝をつき手を出すロボ。
こちらこそ。
一美ちゃんはロボの手を取り歩き出した。
ニコは掃除のおばちゃんに変装してついていく。
これは、、、池です。
うん。
一美さんは、魚は好きですか?
う~ん。うん。好きだよ。
公園のベンチに座る2人。
一美さんはどんな男性がタイプなんですか?
う~ん。私やっぱ強い人かなぁ?
何だぁ。思ってたよりうまくやってんじゃん。
じゃあ、帰るか。
影ながら見ていたニコは帰ろうとした。
こんなのとデートしてんの?
俺達の方がはるかによくない?
えっ?ちょっと何するんですか?
2人の男が絡んできた。
ロボは吹き飛ばされる。
2人の男は一美ちゃんの隣に座る。
ちょっとぉ~!
失礼でしょ!
失礼でしょ!ってやるのか?
やるのか?
一美ちゃんがベンチを離れる。
ちょっとぉ~!
何やってんのよぉ~!
一美ちゃんにいいところ見せろぉ~!
ニコが大声でロボに言う。
ゴーゴー!
だっ!
何か言おうとしたロボ。
いいから、行けって!
ゴーゴーゴー!
お~し。やぁ~!
あっさり倒されるロボ。
よわぁ~!
まだまだぁ~!
マックスビーム!
マックスロボを突き出すロボ。
マックスロボあえなく大破。
あぁ~!マックスぅ。。。
隠れていた一美ちゃんは呆れる。
ニコは口をあけて固まってしまった。
ロボの家。
バラバラになったマックスロボを見つめる2人。
一美ちゃんとマックスロボ、一挙になくしちゃったね。
申し訳なさそうにニコが言う。
なくなってなんかいないさ。
正義は死なない!
それでも悲しそうなロボ。
地蔵堂。
ねぇ、よっちゃん。
はい?
あんたこの店やる?
やる?やるって社長は?
あたし?もういいかなぁって。
やるんなら、よっちゃんにあげる。
急にそんなこと言われてもなぁ。
あの人死んじゃったし。
社長の恋人っすか?
うん。もともとあの人のそばにいたいと思って、この店始めたんだし。
そうかもしれませんけどぉ。
まだ、やってないこともあるし。
まだ何がやりたいんすか。
よく遊んだ。楽しかった。って三日坊主の最後の言葉。
よく遊んだ。楽しかった。。。
私も最後の最後には、そう言ってさよなら出来たらなぁって。
夜を歩くニコとマキさん。
よっちゃんから聞きました。
地蔵堂やめるって。
こんなところでもけっこう星が見えるのね。
星と星って、近付いたり遠ざかったりしてるのよ。
星ですら、同じなんてありえない。
人は変わるわ。
ずっと同じなんてないの。
立ち止まる2人。
ニコ、色んなことを知りなさい。
これからも色んなことを知って、どんどん変わっていきなさい。
…でもそのために、、、人と別れるんですよね?
そうね。
別れるのは嫌だ。
枯れないと次の花は咲かない。
別れるから次の出会いがある。
必ずある。
ニコを抱きしめるマキさん。
翌日ロボの家。
ルミちゃんを逃そうとするニコとロボ。
あっ、あれ?あっ。
逃げた?
うん。飛んでった。
バイバーイ。元気でなぁ~。
って死んでるかぁ。
何でルミちゃんも三日坊主も、見えなくなっちゃったんだろう。
私なんか変わっちゃったのかなぁ?
ロボはロボのままなのに。
そんなことないよ。俺も色々変わったよ。
でもね、俺は、どんなときでもきっと自分の味方でいようと思うんだ。
たとえ、最後の1人になったとしても、、、俺は自分を味方する。
ニコは涙をこらえるように落としていた視線を上にあげた。
地蔵堂がなくなって私とロボは出動することがなくなってしまった。
私とロボが最後に話したのは、いつもの道で。
話の途中で電話がかかってくるニコ。
あれ?
ねぇ、ごめん。その話明日聞くわ。ごめんね。
わかった。じゃあ、また明日ね。
明日ね。
バイバーイ。
2人は別れた。
2人とも、それが最後になるとは思ってもみなかった。
ケンカしたわけでもないし、引っ越したわけでもないのに、
何となく会わなくなってしまった。
ニコの家。
大勢のカメラマンと記者が家にいた。
ニコ以外はおめかしをして登場。
ポルターガイストというのでしょうか?
私どもも全くあぁいう経験は初めてでして。。。
パパさんにマイクを渡すママさん。
食器棚が何回も、何回も揺れていたと記憶します。
一美。
一美ちゃんにマイクを渡す。
食器なんかもすごい割れたりしました。後はそのぉ。
マイクを奪うママさん。
外国製のティーカップですとか、後、外国製のシュガーポットですとかね。
騒ぐ記者団。
ニコ!
ニコにマイクが渡される。
えっ!
あのぉ~。。。怖かったです!
記者団は驚く。
たぶん、私たちはいつでも会えると思っていたのだ。
マックスロボの修理をするロボ。
正義は死ななかったぁ~!
ロボ修復完了!
1人荷物を抱えて歩くマキさん。
誰かに気付き立ち止まる。
よっちゃん。。。
1人だけで楽しいことしようだなんて、ずるいじゃないですか!
笑うマキさん。
社長とよっちゃんは流れ星のように私の前から消えた。
その後、一度だけロボを見かけたことがある。
一心に空を見上げていたので、声をかけそびれた。
ロボは、ダイヤモンドで出来た星みたいだと思った。
どんなものでも、きっとロボを傷つけることは、出来ないだろう。
夜空の星のように何十年後、私とロボはまた急接近するのだろうか?
ニコはロボと同じように空を見た。
ニコは想像する。
ロボ。出動よ。
救えるのは宇宙であたしだけなの!
宇宙とか言われるとトキメクじゃないかっ!
2人はマックス!
ポーズを決めた2人。
ニコがマキさんの服装。
ロボがよっちゃんの服装で地蔵堂にいた。
友達と並木道を歩くニコ。
どこzの惑星を調べるか話す2人。
友達は金星。
じゃあね、私は、、、地球にしよっかな。
ロボの言うとおり、私はずっと自分の味方でいようと思う。
バテレン レンコン トマトア マックス。
学校の屋上でニコは呟いた。
ロボは子供達と遊んでいた。
マックス!友情!パワー!
何度も大声で繰り返すロボと子供達。
なぜなら、あたしを救えるのは宇宙であたしだけだから。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
キャスト
☆須藤威一郎(ロボ)…松山ケンイチ
☆林二湖(ニコ)…大後寿々花
☆林一海…村川絵梨 ☆林竹男…塚本晋也
☆林雪江…片桐はいり
☆名梨秀吉…岡田義徳 ☆真境名マキ…浅丘ルリ子
<第11回ゲスト>
☆三日坊主…中村獅童
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