ぐ~たらにっき
Lazy Diary
『みんな死なないで』
何も変わらない。
お母さん!これ着たでしょ!
着るわけないじゃない。
匂いぃ!ほら、これお母さんの香水じゃない!
一回くらいいいじゃない!
一美。お前仁科さんに俺と母さんが見合い結婚てばらしたろ。
本当のことじゃない。
うちは、対外的には恋愛結婚だってことになってんの!
ねぇ、そうだよね。
お父さん。こないだバッタリ会ったとき無視したでしょ?私のこと。
あぁぁ、気付かなかった。
上司の人に私のことを紹介するのがそんなに嫌なの?
お母さん、この匂いどうにかしてよ。ちょっとぉ!
一美ぃ!
何ぃ!?
俺はつまんないことで嘘をつく、小っちゃい人間て思われちゃったじゃないか。
知らないよ。もう、そんなこと。
家族が口喧嘩するなか1人朝食を食べるニコ。
このどうでもいい家族のもめごともいつもと変わらない。
何で何も変わらないんだろう?
あんなに色んなことがあったのは、全てはプッチーニだ!
牛乳パックを握りつぶすニコ。
死が間近な人の願い事を何でも叶えてくれるという3人組。
ロボがそのうちの1人と恋に落ちて、、、私の前からいなくなった。
そして、プッチーニは今度は地蔵堂の社長を殺すという。
殺されても仕方がないの。
どうして!?
ロボと地蔵堂がいっぺんになくなった私は、、、私じゃないみたいだ。
神社でお祈りをするパパさん。
それを待つニコ。
よしと。
何で拝まないの?
だって、信じられないくらいたくさんの人が拝んでんだよぉ。
そんな、あたしの願い事なんて聞いてくれるわけないじゃん。
お前って案外マイナス思考なんだなぁ。パパさんは笑いながら言う。
合理的なの。
あのねぇ、神様が願い事かなえてくれるんじゃないんだよ。
うそぉ!?叶えてくれないの?
じゃあ、何でお父さん拝んでんのよ。
まぁ、言ってみりゃ、神様との約束みたいなもんだな。
俺、家族のゴタゴタ頑張って解決しますんで、ひとつよろしく。みたいな。
そうなんだぁ。
だってさぁ、何かするときに1人じゃ心許無いじゃん。
誰かと一緒じゃないとさ。
あっ、そこ曲がっちゃダメだって。
えぇ?
マックスダーッシュ!
ロボとの日々を思い出すニコ。
あたし、用思い出した。
走り出すニコ。
ちょちょちょちょ。
神社に戻ったニコはよっちゃんと会う。
よっ。
よっちゃんはお祈りする。
もう神様に頼るくらいしか出来なくってな。
どうか、社長の考えが変わりますように。
社長、プッチーニに殺されても仕方がないって本気なんだ。
俺だってよぉ、いざとなったら社長の命守ることくらいは出来るよ。
でもさ、本人があれじゃあ、こっちがお手上げじゃん。
目、赤いよ。泣いた?
涙を拭うよっちゃん。
花粉症かな?
ニコもお祈りする。
神様、約束です。
私、何でもします。何でもしますから。
また、みんなの笑顔を見せてください。
昭子さんの家。
ロボが昭子さんの後姿に見惚れている。
何?会社は?行かないの?
いや、いいなぁって思って。
何が?
そうやって、誰かがさぁ働いてるところ見てるの楽しいって。
永遠に見てたいなぁって。
会社は?
行きたくないなぁ。
行きなさい!
玄関に向かうロボは後ろにいる昭子さんに気付く。
あぁぁぁ~!
見送ってくれる人がいるぅ!
わかったから、もう早く早く。
ロボは変わった形で置かれたヒールに気付く。
あれ?これ何?これ。
あぁ、これあたしの癖。
何か大きなことのある日の前は必ずやっちゃうんだよねぇ。
ふ~ん。今日何かあるの?
うん。月に一回の院長の回診の日。
これがまた面倒でさぁ。
そっか。今日は忙しいんだ。
頑張ってね。
うん。
いってらっしゃい。
いってきます!
社長さ。
昔、世界的に名を馳せたスパイだったんだよね。
ほら。
1枚の写真を出すよっちゃん。
うわぁ!
生きるか死ぬかの修羅場で仲間を見捨てたっていうか、自分だけ生き残っちゃったんだな。
でも、仕方ないんじゃない?
じゃないと死んじゃうんでしょ?
でも、見捨てられた方の身になって考えてみ。
ニコは考えてみる。
ニコとロボ。
ニコが銃で撃たれてしまう。
ロボがニコを抱きかかえる。
ニコぉ~!
ごめん!俺行くね。
はぁぁ~?
ごめんねぇ。
許せない!
だろぉ。
その仲間っていうのがぁ、社長の恋人らしいんだわ。
命は助かったらしいんだけど、今も意識が戻らず何十年もずっと眠ったまま。
その人が、そろそろ危ないらしいんだわ。
ニコは黒い折鶴を出す。
これ、プッチーニが落としてったんだけどさぁ。
たぶん、その人が書いた最後の願い事だと思うんだけど。
でもそれ、、、社長の字だ。
えっ!?えっ?
えっ、じゃあ、自分で自分を殺すように頼んだってこと?
今度こそ、その人と一緒に死のうと思ったんじゃないねぇの?
何で?だって、何十年も昔の話でしょ?
そんなこと本人じゃなきゃわかんねぇよ。
何でぇ?
だから、許せねぇんだよ!
恋人を置いて逃げていった自分が。
でもだからって。
俺だって許せねぇよ。
このまま社長が死んじゃったらさ。
昭子さんの家で洗濯物を取り込むロボ。
宅配便でぇす。
ドアを開けるとよっちゃんが。
お邪魔しまぁす。
あれ?ちょっと?
ちょっと。どうしたのよ。よっちゃん。
よっちゃんはロボを殴る。
あ、いたぁ~。
気安くよっちゃんて呼ぶんじゃねぇよ!
ちょっとぉ、友達でしょ?
お前なんか友達でもなんでもねぇよ。
ひどい。ひどすぎるぅ!
ひどいのはお前じゃねぇか。
何で?
ここに住んでる女、うちの社長を殺そうとしてんだよ。
まさかぁ。そんなのありえないよぉ!
だといいんですけどね!
家の中を動き回るよっちゃん。
ったく、どこだよ。
カレンダーの印に気付く。
決行は5日か。
まさかぁ。
じゃあ、何だよ。この印は!
その日は、雷寿司かなんかから出前を取る日だよ!
そんなもん、いちいち書き込むわけねぇだろぉがよ!
社長を殺る日だよ!
そういえば、ニコもそんなこと言ってたなぁ。
お前、ニコの言うこと信じなかったんだってな。
いやだって。
ちょっと本当なの?その話。
今、証拠見せてやるよ。
よっちゃんは色々なところを探す。
何探してるの?
何でやるかしっとかないと、こっちも手のうちようがねぇからな。
何って?
ショットガンか?ライフルか?
吹き矢じゃねぇだろなぁ?
洗面所に入るよっちゃん。
そんなのあるわけないでしょぉ。
お前ってやつは!
あ、いたぁ!
歯ブラシお揃いじゃねぇかよ!
歯ブラシがお揃いでコップの中に並んでることが許せなかったよっちゃん。
ちょっと、ちょちょちょ。
よっちゃんは洗濯機にロボの頭を突っ込む。
脳みそごと洗え!
あぁぁぁぁぁ~!
あった。
洗濯機の中に拳銃が隠してあった。
大胆だなぁ。
全然気が付かなかった。
はぁん。いっちょまえに。
ちょ、ちょっとぉ、戻すの?
いいか。これは知らなかったことにしろ。
後、俺が来たことも彼女に言うな。
よっちゃんは拳銃をしまい玄関へ。
ちょちょっとぉ。
あぁ、こないだ神社でニコに会った。
何か必死で拝んでたよ。
よっちゃんは帰っていく。
病院でばれないようにプッチーニが話をする。
本当に殺すの?
どんな願いでも叶える事になってるからね。
だって、人殺すんだよ。
出来る?
何?
絵美理は昭子さんから箱を渡される。
中には拳銃が入っていた。
何これ!どうしたの?
関山さんが持ってるのぱちった。
あの親父、ライフル1丁と拳銃2丁。
ロッカーに隠してたのよ。
関山さんて。
絵美理は関山さんという人物を思い浮かべる。
そう。その関山さん。
えぇ、やだよ。撃てないよ。
みんな1人1つずつあんだから。
拳銃を手にする絵美理
重い。。。
重いのよ。
えぇ~。
ロボは料理中の昭子さんの後姿を見つめる。
視線は洗濯物へ。
そして、洗濯機を思い出す。
洗濯物?
昭子さんに話しかけられるロボ。
いや、あぁ。。。
ずっとこういうことが続けばいいのになぁ。って
あたしは時間が止まればいいのになぁ。って思う。
続けるのって難しいからさ。
てか、続かないの知ってるから。
俺たち続かないの?
写真撮ろうか?ねぇ。
そうしよ。そうしよ。
カメラを準備する昭子さん。
笑ってよぉ。
シャッターが切られる。
なはははっ!何これ。写真を確認して笑う昭子さん。
すっごい不安そうな顔してるよ。
何で?
もっかいかなぁ?これ。
夜の鉄道脇。
電車が通るタイミングに合わせて銃の練習をする3人。
きたっ!
せーの!
バン!
何だこれ。
すげぇ。。。
ねぇ、覚えてる?
別子と4人でコンサートの帰り写真撮ったときのこと。
あの時、別子言ったんだよね。
あたしが死んだら、みんなあたしのこと忘れちゃうんだろうなぁって。
その時、あたし忘れるわけないって言ったんだよね。
電車がきて3人が銃を構える。
でも、あたしさぁ。
別子の顔思い出せないときがある。
バン!
あたしも。。。何でだろう。
死んだときあたしもあんなに泣いたのに。
バン!
バン!
恵は無言で銃を撃つ。
家に帰った昭子さん。
ロボの寝顔を見つめ優しく触れる。
ロボは起きていた。
昭子さんの手を握るロボ。
何だ起きてたんだ。
ロボは昭子さんが銃を撃つ姿を想像する。
何?
悲しい。
悲しい匂いがする。
何言ってんの。
昭子さんはロボの手を離した。
翌日。地蔵堂。
死のうだなんて思わないで下さい!
そんな昔のこといいじゃないですか!
もう誰も覚えてない話なんだし。
そうね。あたしも時々忘れてる。
だったら。
でも、忘れたからって、なかったことにはならないわ。
マキさんは立ち上がりニコに言う。
これはあなたが言った言葉よ。
全部忘れたからってなかったことになんかならないんだからね!
ニコは三日坊主に言ったことを思い出す。
それは!
あの時の言葉、あたしにはとっても応えたわ。
そんな、、、そういうつもりじゃ。
そうなのよ。
なかったことにはならないのよ。
あなたの言う通りよ。
絵美理は関本さんの看護をしていた。
何ですか?これ。
チェリーや。
桜ですね。
わしな。桜いっちゃん好きやねん。
いさぎえぇやろ。
全部散らしてまた来年やぁ。
そこに別の看護士さんが呼びに来た。
ちょっとすみません。
いややなぁ。
また誰ぞ。わしのロッカー。
ロボは昭子さんと映画を見ていた。
あぁぁ~!
ロボは昭子さんの後ろに隠れた。
血出てるとこ終わった?
終わった。
って、まだやってるじゃないのよぉ~!
本当にダメなんだね、こういうのね。笑いながら言う昭子さん。
テレビを切る。
人殺しのシーンとか絶対見ないんだ。
実写はね。
アニメとかだったら大丈夫。
じゃあさ、あたしが人殺しだったらどうする?
その答え、、、ちょっと考えさせてもらっていいですか?
ふふっ。いいよ。
ロボは立ち上がる。
ちょっとぉ。
例えばの話なんだからさぁ。
そんなに真剣に考えなくてもいいってばぁ。
部屋を出て行くロボ。
そこに昭子さんにメールが。
今夜、予定通り決行
プッチーニの仕事だった。
その答えなんですけど、、、
僕は昭子さんが人殺しでも好きだと思います。
何そんな悲しそうな顔して。
正義感よりも、好きのほうが勝ってしまった自分が悲しいだけです。
もう、やだなぁ。単なる例え話でしょぉ。
自分としては、昭子さんがラスボスだとしても、好きです!
な、何?ラスボス?
ラストのボスです。
映画とか一番最後に出てくる一番悪い奴です。
巨悪です。
あ、あぁ。。
巨悪。
昭子さんが巨悪!
悲しい。。。
でも、好きだぁ!
両手を広げるロボ。
昭子さんは立ち上がる。
さてと、行くかな。
えっ?
今日ね、夜勤変わってあげたの。
あれ?そんなの持って行くの?
バイオリンケースを持つ昭子さん。
あっ、あぁこれ預かり物。
さばってて困ってたんだよね。
あれ?
ロボは変わった置き方のヒールに気が付く。
今日なんかあるの?
何もないよ。
今日いつもよりヒマなんじゃないかなぁ?
じゃ、いってきます。
じゃ、気をつけてね。
昭子さんが言った後、昭子さんの言葉を思い出すロボ。
これ、あたしの癖。
何か大きなことのある日の前は必ずやっちゃうんだよねぇ。
カレンダーを掴むロボ。
今日だぁ。。。
ニコに電話がかかる。
ロボ?
今夜だ。
えっ?
地蔵堂の社長、今夜だと思う。
プッチーニが今夜殺しに来るってこと?
地蔵堂にそう伝えておいて。
ねぇ、どうしたらいい?
どうしたらいいの?
ロボ来てくれるよね?
いや、、、
じゃあ、どうしたらいいのよ。
だから、社長を隠すとか。
隠すってどこに?
普通、考え付かないような意外な場所とか。
意外な場所?
そんなこと急に言われても。
そうだ。学校。ニコの中学は?
そこなら、まさか誰も地蔵堂の社長がいるなんて思わないだろ。
学校か。わかった。
学校ね。
昭子さんが話を聞いていた。
それは意外な場所だわ。
プッチーニにばれたって電話した方がいいんじゃない?
そうしないと、その女の子。
ニコ裏切ることになるわよ。
昭子さんはプッチーニに電話する。
もしもし、場所は中学校に変更。
詳しいことは会ってから話します。
じゃ。
あたしのこと、、、人殺しでも好きだって言ったよね?
あれって本当?
信じちゃっていいのかな?
いいよ。言わないで。
信じていいです。
出て行こうとした昭子さんを止め携帯電話を渡したロボ。
いいの電話しないで。
頷くロボ。
あたし本当に殺すから。
昭子さんは出ていった。
ロボは涙をこらえていた。
地蔵堂でロボの作戦をマキさんに話したニコ。
学校?
学校で死んだりすると迷惑じゃない?
死にません!
わかったわ。
どこで死のうと、私はかまわないわよ。
ロボは駅前で1人座り込んでいた。
近くでマックスロボの主題歌を歌う酔っ払ったサラリーマンが2人。
だから、そこ勇気じゃないんだって。
1人のサラリーマンが歌詞を間違え注意する。
じゃあ、何の心なのよぉ。
何の心ですか?
それは、、、正義の心です。
ロボはサラリーマンに教える。
そうだ。そうだよ。正義の心だよ。
サラリーマン2人はは歌いながら歩いていく。
ダメに決まってるじゃないか。
人を殺すなんて。
どんなときだってダメに決まってるじゃないか!
マックス!
テレフォーン!
ない!
プッチーニは中学へ。
ニコたちも中学にいた。
よっちゃん見てぇ。
机に掘られた相合傘を見つけるマキさん。
懐かしいなぁ。
まだ、こんなことやってるんだ。
誰かが生きた証。
あたしが生きてきた証も、言ったとおり全部綺麗にしてよ。
わかってます。
言わないで下さい。
ニコは何かに気付き慌てて窓を開ける。
どうした?
ロボの声が聞こえたような。
えっ?
気のせいかな?
ロボは走りながら叫んでいた。
ニコ~!ニコ~!
お前耳がいいんだろ?
俺の声を聞けぇ~!
ニコ~!
ロボ?
プッチーニにばれた~!
学校にいるってばれたぁ~!
ニコは目を閉じ集中する。
プッチーニにばれた~!
学校にいるってばれたぁ~!
プッチーニにばれた。
学校にいるってばれた!
えっ?
社長!
そこにプッチーニが教室に入ってきた。
小野一郎さんからの依頼です。
真境名マキさんですよね?
マキさんは立ち上がる。
素人のお前らに本当に殺せんのかよ。
即死できる場所はだいたいわかりますから、安心ください。
どうして死ぬ人の願い事、叶えようとするんですか?
あれ、見える?
絵美理は窓の外を指さす。
うちの病院よ。
もうすぐ消灯の時間だわ。
見てて、明かりが一斉にが消えるから。
明かりが消えていく病院。
本当だ。
眠れない患者さんは、暗い病室から明るい夜の街を見ているの。
自分もまた、あの街に戻れるのかなぁ。って思いながら。
もう戻れないって知ってる人もいる。
あんな小さな窓から、そんな思いで見ている人たちがいるなんて。
外の人たちは思ってもいないでしょうね。
あたしたち、看護士だから人が死ぬのは慣れてるんだろう。って思われてんのよね。
でも、全然慣れないの!
いつもスイッチ切って悲しくないようにして、
何であたしたちだけが死に立ち会わなきゃなんないの?
何でみんな死ぬなんて何もないみたいに暮らせるの?
私たち、あの窓を無視して暮らしてる人たちを許せないの。
人の命がなくなっても、何一つ変わらないこの世の中が嫌なの。
何一つ変わらないなんてことないと思う。
私の代わりだっていくらでもいると思うわよ。
だから、私が死んでも何も変わらない。
もし、あなたが死んだら、ロボは悲しんで、もう誰ともしゃべらなくなるかもしれない。
そしたらあたしは、学校の友達とだけしゃべるようになって。
それって何も変わってないように見えるかもしれないけど。
でも、、、それはもう私の知ってる世界じゃなくて、、、
元に戻そうとしても、もう戻らなくて。
死ぬって言うのは、自分だけがいなくなって、それで終わるわけじゃない。
池に石を投げた時みたいに、次から次へと波紋が広がって、いつまでも静まってくれなくて。
マキさんを見るニコ。
誰かがいなくなるって、、、そういうことでしょ?
そうね。。。
あたしも1人で生きてるんじゃないのよね。
この世界にあたしも関わってるのよね。
どうしようもなく関わってる。
そうですよね?
そこにロボが駆けつけた。
あの。
みなさん聞いてください。
あの、、、えぇっとですね。
奇跡が起こりましたぁ!
奇跡って?
もしかして、小野さんの意識が戻ったとか?
そう。それです!
病院、小野さんの病室の前。
何であんな嘘つくんだよ。
だってしょうがないでしょ。
銃つきつけられてたんだよ。
何か言わないと撃たれると思ってとっさに。
社長が可哀そうだろ。
すみません。。。
小野さんのそばではマキさんが腕をなぞっていた。
別子との写真を前にするプッチーニ。
ごめん。
あたし引き金ひけなかった。
あたしだって。
もうこんなことやめたい。
でも、、、やめたら別子のこと忘れそうで怖い。
昭子さんが写真の裏に気付く。
写真を絵美理から取る。
どうしたの?
見て。
私のことなんか
忘れていいからね
それぞれの道を
歩いていって下さい
別子
私のことなんか忘れていいからね。
それぞれの道を歩いていって下さい。
そんなこと、いつ書いたんだろう?
私のことなんか忘れていいからね。だって。
バカだなぁ。別子。
本当にバカ。
廊下に出た3人。
あぁ~。
ちょうどよかったぁ。
関山さん亡くなっちゃって。
関山さんてあの?
関山さん亡くなったんだ。
関山さんの病室。
ロッカーを開けるとそこにはプッチーニ宛の箱が。
あら?
ん?
何これ。
おぉぉ~。
これリハビリで切ってたやつ。
中には紙で作られた桜でいっぱいだった。
その中には黒い折鶴が。
関山さんの最後の願い。
なんかハードそう。
なんたって関山さんだからねぇ。
これで最後にしようか。
最後って?プッチーニの仕事?
うん。
いいよ。いいよね?
うん。
これが本当の最後のお願い。
恵が折鶴を開ける。
あんたら幸せになりや。
あんたら
しあわせになりや
これが最後のお願い?
関山さんリハビリ頑張ったんだねぇ。
ちゃんと字になってるよぉ。
全部散らしてまた来年やぁ~。
桜を散らす絵美理。
これ関山さんの口癖。
笑いあう3人。
あんたら、幸せになりや。
今までで一番難しい願いかもね。
マキさんは目を開けていない小野さん話しかけた。
ごめんなさいね。
あなたのこと忘れて、美味しいもの食べたり、笑ったり、幸せだなぁって思ったりしたこといっぱい
あった。
それから、いい気になってお金儲けしたり、人の悪口言ったり。
本当はね。
そんなことまだまだ続けたいって心のどこかで思ってるの。
最低でしょ?
許せないでしょ?
窓の外一面に桜の花びらが散っている。
桜?
ねぇ見て、桜。
小野さんの手をギュッと握り締めたマキさん。
小野さんは握り返した。
小野さんは意識を取り戻す。
声にならない声を聞こうと耳を近づけるマキさん。
許す?
あたしを許してくれるの?
どうして?
もう一度近づけるマキさん。
友達だから。
それだけ?
小野さんの表情は柔らかかった。
そして、もう一度目を閉じてしまった。
それだけ言いに来てくれたの?
次もまた、友達だといいわね。
ロボは昭子さんの部屋に帰ろうとした。
ん?
あれ?あれ?
鍵が入らない。
男性が出てくる。
誰?
お前こそ誰だよ。
誰って。
中に入り込むロボ。
家具も同じだし、同じ部屋だし間違いないでしょ!
あれ?昭子さんは?
ロボは部屋を追い出されてしまう。
並木道を歩くニコ。
前から昭子さんが歩いてくる。
あぁ!
おっ。
あのぉ。
ニコは昭子さんの前に立つ。
遠くへ行くんですか?
うん。
旅行?
より長いかな?
仕事は?
辞めた。
住んでいた部屋は?
荷物ごと人に貸しちゃった。
ロボは。。。
ニコと昭子さんが声を揃えて言う。
ロボには何も言ってないんですか?
うん。
ふぅ。。。可哀そう。
あのね。あたし、今日の夕方6時くらいまでここにいるから、一緒に来たかったら来てって伝えて。
メモを渡そうとする昭子さん。
あたしがですか?
嫌です!
風船に手紙つけて飛ばすようなもんだから、届かなかったらそれまでだから。
私風船ですか?
そう。よろしくね。
ニコの指にメモを結びつける昭子さん。
絶対一緒に行くって思わないんだ。
何がなんでもっていう生き方は疲れちゃったから。
ニコは昭子さんと別れた後、ゴミ箱にメモを捨て走り去った。
あたしはロボに昭子さんのメモを渡さなかった。
生まれて初めて、間がさすという言葉の意味を知った。
どうせロボは家にいないんだし、会えるわけないんだから捨てて正解だよ。
目の前にロボがいた。
ロボは後ずさり。
ベンチに座る2人。
何で家に戻らないの?
いや、だって、浮気して帰るみたいで気が引けるというか。。。
誰に?
だからぁ、ロボットたちに対して。
あぁ。。。
あのさぁ。。。
ん?
一番大変な時にいれなくてごめんね。
ニコはロボを見る。
真剣な顔のロボがいた。
別に!
許してくれるの?
下を見るニコ。
そう簡単に許してくれるわけないよね。
俺ひどいことしちゃったもんなぁ。
ロボ。。。
うん?
今何時?
今?6時10分前。
来て!
何?
ニコは走る。
ゴミ箱のメモを探し始めたニコ。
ここだ!
ない!ないよ!
何ぃ?
昭子さんが待ってる場所。
あたし、ここに捨てちゃったのぉ。
えぇ?
6時までそこにいるから伝えてって。
ないよぉ。
そうなんだ。
どうしよう。
あたし取り返しのつかないことしちゃった。
もういいよ。
でも、まだ間に合うかもしれないじゃん。
だってもう6時だし。
ベンチに戻る2人。
どうしても伝えたかったらさ、別の方法とったって。
ごめんねぇ。
あたしどうかしてた。
ほんとにごめん。
もういいよ。
よくない。
いいって。
俺がいいって言ってるんだから、気にすんなよ。
ロボは昭子さんとの写真を取り出した。
不安な笑顔の写真。
ロボは破り捨てた。
ちょっとロボ何してんの?
いいの?
うん。いい。
写真まで捨てることないじゃん。
あたしのせいだ。。。
自分で自分が許せない。
俺は許してるから。
どうして?
顔をあげロボを見る。
だって俺たち、友達だろ!
ポーズを決めて言うロボに笑顔を見せるニコ。
立ち上がるロボ。
燃える友情だって!
ロボが帰ってきた。
痛みと懐かしさと許してもらった安堵感と一緒に。
地蔵堂。
よっちゃんゴメンね。
あたしまた生きることにしました。
よろしくお願いします。
こちらこそ。
よっちゃんは笑顔で地蔵堂にかかった布を外していく。
ロボは家に帰る。
マックスロボを前にしてロボは微笑む。
ただいマックス!
あなたがいなくなると世界が変わる。
あなたがいなくなると私の知っている世界じゃなくなる。
それはとっても寂しいことだから、、、
だから、、、死なないで。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
キャスト
☆須藤威一郎(ロボ)…松山ケンイチ
☆林二湖(ニコ)…大後寿々花
☆林一海…村川絵梨 ☆林竹男…塚本晋也
☆林雪江…片桐はいり
☆名梨秀吉…岡田義徳 ☆真境名マキ…浅丘ルリ子
<第9回ゲスト>
☆プッチーニ…小林聡美、ともさかりえ、もたいまさこ
公式HP
第1回感想 | 第2回感想 | 第3回感想 | 第4回感想 | 第5回感想
第6回感想 | 第7回感想(未放送) | 第8回感想 | 第9回感想
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お母さん!これ着たでしょ!
着るわけないじゃない。
匂いぃ!ほら、これお母さんの香水じゃない!
一回くらいいいじゃない!
一美。お前仁科さんに俺と母さんが見合い結婚てばらしたろ。
本当のことじゃない。
うちは、対外的には恋愛結婚だってことになってんの!
ねぇ、そうだよね。
お父さん。こないだバッタリ会ったとき無視したでしょ?私のこと。
あぁぁ、気付かなかった。
上司の人に私のことを紹介するのがそんなに嫌なの?
お母さん、この匂いどうにかしてよ。ちょっとぉ!
一美ぃ!
何ぃ!?
俺はつまんないことで嘘をつく、小っちゃい人間て思われちゃったじゃないか。
知らないよ。もう、そんなこと。
家族が口喧嘩するなか1人朝食を食べるニコ。
このどうでもいい家族のもめごともいつもと変わらない。
何で何も変わらないんだろう?
あんなに色んなことがあったのは、全てはプッチーニだ!
牛乳パックを握りつぶすニコ。
死が間近な人の願い事を何でも叶えてくれるという3人組。
ロボがそのうちの1人と恋に落ちて、、、私の前からいなくなった。
そして、プッチーニは今度は地蔵堂の社長を殺すという。
殺されても仕方がないの。
どうして!?
ロボと地蔵堂がいっぺんになくなった私は、、、私じゃないみたいだ。
神社でお祈りをするパパさん。
それを待つニコ。
よしと。
何で拝まないの?
だって、信じられないくらいたくさんの人が拝んでんだよぉ。
そんな、あたしの願い事なんて聞いてくれるわけないじゃん。
お前って案外マイナス思考なんだなぁ。パパさんは笑いながら言う。
合理的なの。
あのねぇ、神様が願い事かなえてくれるんじゃないんだよ。
うそぉ!?叶えてくれないの?
じゃあ、何でお父さん拝んでんのよ。
まぁ、言ってみりゃ、神様との約束みたいなもんだな。
俺、家族のゴタゴタ頑張って解決しますんで、ひとつよろしく。みたいな。
そうなんだぁ。
だってさぁ、何かするときに1人じゃ心許無いじゃん。
誰かと一緒じゃないとさ。
あっ、そこ曲がっちゃダメだって。
えぇ?
マックスダーッシュ!
ロボとの日々を思い出すニコ。
あたし、用思い出した。
走り出すニコ。
ちょちょちょちょ。
神社に戻ったニコはよっちゃんと会う。
よっ。
よっちゃんはお祈りする。
もう神様に頼るくらいしか出来なくってな。
どうか、社長の考えが変わりますように。
社長、プッチーニに殺されても仕方がないって本気なんだ。
俺だってよぉ、いざとなったら社長の命守ることくらいは出来るよ。
でもさ、本人があれじゃあ、こっちがお手上げじゃん。
目、赤いよ。泣いた?
涙を拭うよっちゃん。
花粉症かな?
ニコもお祈りする。
神様、約束です。
私、何でもします。何でもしますから。
また、みんなの笑顔を見せてください。
昭子さんの家。
ロボが昭子さんの後姿に見惚れている。
何?会社は?行かないの?
いや、いいなぁって思って。
何が?
そうやって、誰かがさぁ働いてるところ見てるの楽しいって。
永遠に見てたいなぁって。
会社は?
行きたくないなぁ。
行きなさい!
玄関に向かうロボは後ろにいる昭子さんに気付く。
あぁぁぁ~!
見送ってくれる人がいるぅ!
わかったから、もう早く早く。
ロボは変わった形で置かれたヒールに気付く。
あれ?これ何?これ。
あぁ、これあたしの癖。
何か大きなことのある日の前は必ずやっちゃうんだよねぇ。
ふ~ん。今日何かあるの?
うん。月に一回の院長の回診の日。
これがまた面倒でさぁ。
そっか。今日は忙しいんだ。
頑張ってね。
うん。
いってらっしゃい。
いってきます!
社長さ。
昔、世界的に名を馳せたスパイだったんだよね。
ほら。
1枚の写真を出すよっちゃん。
うわぁ!
生きるか死ぬかの修羅場で仲間を見捨てたっていうか、自分だけ生き残っちゃったんだな。
でも、仕方ないんじゃない?
じゃないと死んじゃうんでしょ?
でも、見捨てられた方の身になって考えてみ。
ニコは考えてみる。
ニコとロボ。
ニコが銃で撃たれてしまう。
ロボがニコを抱きかかえる。
ニコぉ~!
ごめん!俺行くね。
はぁぁ~?
ごめんねぇ。
許せない!
だろぉ。
その仲間っていうのがぁ、社長の恋人らしいんだわ。
命は助かったらしいんだけど、今も意識が戻らず何十年もずっと眠ったまま。
その人が、そろそろ危ないらしいんだわ。
ニコは黒い折鶴を出す。
これ、プッチーニが落としてったんだけどさぁ。
たぶん、その人が書いた最後の願い事だと思うんだけど。
でもそれ、、、社長の字だ。
えっ!?えっ?
えっ、じゃあ、自分で自分を殺すように頼んだってこと?
今度こそ、その人と一緒に死のうと思ったんじゃないねぇの?
何で?だって、何十年も昔の話でしょ?
そんなこと本人じゃなきゃわかんねぇよ。
何でぇ?
だから、許せねぇんだよ!
恋人を置いて逃げていった自分が。
でもだからって。
俺だって許せねぇよ。
このまま社長が死んじゃったらさ。
昭子さんの家で洗濯物を取り込むロボ。
宅配便でぇす。
ドアを開けるとよっちゃんが。
お邪魔しまぁす。
あれ?ちょっと?
ちょっと。どうしたのよ。よっちゃん。
よっちゃんはロボを殴る。
あ、いたぁ~。
気安くよっちゃんて呼ぶんじゃねぇよ!
ちょっとぉ、友達でしょ?
お前なんか友達でもなんでもねぇよ。
ひどい。ひどすぎるぅ!
ひどいのはお前じゃねぇか。
何で?
ここに住んでる女、うちの社長を殺そうとしてんだよ。
まさかぁ。そんなのありえないよぉ!
だといいんですけどね!
家の中を動き回るよっちゃん。
ったく、どこだよ。
カレンダーの印に気付く。
決行は5日か。
まさかぁ。
じゃあ、何だよ。この印は!
その日は、雷寿司かなんかから出前を取る日だよ!
そんなもん、いちいち書き込むわけねぇだろぉがよ!
社長を殺る日だよ!
そういえば、ニコもそんなこと言ってたなぁ。
お前、ニコの言うこと信じなかったんだってな。
いやだって。
ちょっと本当なの?その話。
今、証拠見せてやるよ。
よっちゃんは色々なところを探す。
何探してるの?
何でやるかしっとかないと、こっちも手のうちようがねぇからな。
何って?
ショットガンか?ライフルか?
吹き矢じゃねぇだろなぁ?
洗面所に入るよっちゃん。
そんなのあるわけないでしょぉ。
お前ってやつは!
あ、いたぁ!
歯ブラシお揃いじゃねぇかよ!
歯ブラシがお揃いでコップの中に並んでることが許せなかったよっちゃん。
ちょっと、ちょちょちょ。
よっちゃんは洗濯機にロボの頭を突っ込む。
脳みそごと洗え!
あぁぁぁぁぁ~!
あった。
洗濯機の中に拳銃が隠してあった。
大胆だなぁ。
全然気が付かなかった。
はぁん。いっちょまえに。
ちょ、ちょっとぉ、戻すの?
いいか。これは知らなかったことにしろ。
後、俺が来たことも彼女に言うな。
よっちゃんは拳銃をしまい玄関へ。
ちょちょっとぉ。
あぁ、こないだ神社でニコに会った。
何か必死で拝んでたよ。
よっちゃんは帰っていく。
病院でばれないようにプッチーニが話をする。
本当に殺すの?
どんな願いでも叶える事になってるからね。
だって、人殺すんだよ。
出来る?
何?
絵美理は昭子さんから箱を渡される。
中には拳銃が入っていた。
何これ!どうしたの?
関山さんが持ってるのぱちった。
あの親父、ライフル1丁と拳銃2丁。
ロッカーに隠してたのよ。
関山さんて。
絵美理は関山さんという人物を思い浮かべる。
そう。その関山さん。
えぇ、やだよ。撃てないよ。
みんな1人1つずつあんだから。
拳銃を手にする絵美理
重い。。。
重いのよ。
えぇ~。
ロボは料理中の昭子さんの後姿を見つめる。
視線は洗濯物へ。
そして、洗濯機を思い出す。
洗濯物?
昭子さんに話しかけられるロボ。
いや、あぁ。。。
ずっとこういうことが続けばいいのになぁ。って
あたしは時間が止まればいいのになぁ。って思う。
続けるのって難しいからさ。
てか、続かないの知ってるから。
俺たち続かないの?
写真撮ろうか?ねぇ。
そうしよ。そうしよ。
カメラを準備する昭子さん。
笑ってよぉ。
シャッターが切られる。
なはははっ!何これ。写真を確認して笑う昭子さん。
すっごい不安そうな顔してるよ。
何で?
もっかいかなぁ?これ。
夜の鉄道脇。
電車が通るタイミングに合わせて銃の練習をする3人。
きたっ!
せーの!
バン!
何だこれ。
すげぇ。。。
ねぇ、覚えてる?
別子と4人でコンサートの帰り写真撮ったときのこと。
あの時、別子言ったんだよね。
あたしが死んだら、みんなあたしのこと忘れちゃうんだろうなぁって。
その時、あたし忘れるわけないって言ったんだよね。
電車がきて3人が銃を構える。
でも、あたしさぁ。
別子の顔思い出せないときがある。
バン!
あたしも。。。何でだろう。
死んだときあたしもあんなに泣いたのに。
バン!
バン!
恵は無言で銃を撃つ。
家に帰った昭子さん。
ロボの寝顔を見つめ優しく触れる。
ロボは起きていた。
昭子さんの手を握るロボ。
何だ起きてたんだ。
ロボは昭子さんが銃を撃つ姿を想像する。
何?
悲しい。
悲しい匂いがする。
何言ってんの。
昭子さんはロボの手を離した。
翌日。地蔵堂。
死のうだなんて思わないで下さい!
そんな昔のこといいじゃないですか!
もう誰も覚えてない話なんだし。
そうね。あたしも時々忘れてる。
だったら。
でも、忘れたからって、なかったことにはならないわ。
マキさんは立ち上がりニコに言う。
これはあなたが言った言葉よ。
全部忘れたからってなかったことになんかならないんだからね!
ニコは三日坊主に言ったことを思い出す。
それは!
あの時の言葉、あたしにはとっても応えたわ。
そんな、、、そういうつもりじゃ。
そうなのよ。
なかったことにはならないのよ。
あなたの言う通りよ。
絵美理は関本さんの看護をしていた。
何ですか?これ。
チェリーや。
桜ですね。
わしな。桜いっちゃん好きやねん。
いさぎえぇやろ。
全部散らしてまた来年やぁ。
そこに別の看護士さんが呼びに来た。
ちょっとすみません。
いややなぁ。
また誰ぞ。わしのロッカー。
ロボは昭子さんと映画を見ていた。
あぁぁ~!
ロボは昭子さんの後ろに隠れた。
血出てるとこ終わった?
終わった。
って、まだやってるじゃないのよぉ~!
本当にダメなんだね、こういうのね。笑いながら言う昭子さん。
テレビを切る。
人殺しのシーンとか絶対見ないんだ。
実写はね。
アニメとかだったら大丈夫。
じゃあさ、あたしが人殺しだったらどうする?
その答え、、、ちょっと考えさせてもらっていいですか?
ふふっ。いいよ。
ロボは立ち上がる。
ちょっとぉ。
例えばの話なんだからさぁ。
そんなに真剣に考えなくてもいいってばぁ。
部屋を出て行くロボ。
そこに昭子さんにメールが。
今夜、予定通り決行
プッチーニの仕事だった。
その答えなんですけど、、、
僕は昭子さんが人殺しでも好きだと思います。
何そんな悲しそうな顔して。
正義感よりも、好きのほうが勝ってしまった自分が悲しいだけです。
もう、やだなぁ。単なる例え話でしょぉ。
自分としては、昭子さんがラスボスだとしても、好きです!
な、何?ラスボス?
ラストのボスです。
映画とか一番最後に出てくる一番悪い奴です。
巨悪です。
あ、あぁ。。
巨悪。
昭子さんが巨悪!
悲しい。。。
でも、好きだぁ!
両手を広げるロボ。
昭子さんは立ち上がる。
さてと、行くかな。
えっ?
今日ね、夜勤変わってあげたの。
あれ?そんなの持って行くの?
バイオリンケースを持つ昭子さん。
あっ、あぁこれ預かり物。
さばってて困ってたんだよね。
あれ?
ロボは変わった置き方のヒールに気が付く。
今日なんかあるの?
何もないよ。
今日いつもよりヒマなんじゃないかなぁ?
じゃ、いってきます。
じゃ、気をつけてね。
昭子さんが言った後、昭子さんの言葉を思い出すロボ。
これ、あたしの癖。
何か大きなことのある日の前は必ずやっちゃうんだよねぇ。
カレンダーを掴むロボ。
今日だぁ。。。
ニコに電話がかかる。
ロボ?
今夜だ。
えっ?
地蔵堂の社長、今夜だと思う。
プッチーニが今夜殺しに来るってこと?
地蔵堂にそう伝えておいて。
ねぇ、どうしたらいい?
どうしたらいいの?
ロボ来てくれるよね?
いや、、、
じゃあ、どうしたらいいのよ。
だから、社長を隠すとか。
隠すってどこに?
普通、考え付かないような意外な場所とか。
意外な場所?
そんなこと急に言われても。
そうだ。学校。ニコの中学は?
そこなら、まさか誰も地蔵堂の社長がいるなんて思わないだろ。
学校か。わかった。
学校ね。
昭子さんが話を聞いていた。
それは意外な場所だわ。
プッチーニにばれたって電話した方がいいんじゃない?
そうしないと、その女の子。
ニコ裏切ることになるわよ。
昭子さんはプッチーニに電話する。
もしもし、場所は中学校に変更。
詳しいことは会ってから話します。
じゃ。
あたしのこと、、、人殺しでも好きだって言ったよね?
あれって本当?
信じちゃっていいのかな?
いいよ。言わないで。
信じていいです。
出て行こうとした昭子さんを止め携帯電話を渡したロボ。
いいの電話しないで。
頷くロボ。
あたし本当に殺すから。
昭子さんは出ていった。
ロボは涙をこらえていた。
地蔵堂でロボの作戦をマキさんに話したニコ。
学校?
学校で死んだりすると迷惑じゃない?
死にません!
わかったわ。
どこで死のうと、私はかまわないわよ。
ロボは駅前で1人座り込んでいた。
近くでマックスロボの主題歌を歌う酔っ払ったサラリーマンが2人。
だから、そこ勇気じゃないんだって。
1人のサラリーマンが歌詞を間違え注意する。
じゃあ、何の心なのよぉ。
何の心ですか?
それは、、、正義の心です。
ロボはサラリーマンに教える。
そうだ。そうだよ。正義の心だよ。
サラリーマン2人はは歌いながら歩いていく。
ダメに決まってるじゃないか。
人を殺すなんて。
どんなときだってダメに決まってるじゃないか!
マックス!
テレフォーン!
ない!
プッチーニは中学へ。
ニコたちも中学にいた。
よっちゃん見てぇ。
机に掘られた相合傘を見つけるマキさん。
懐かしいなぁ。
まだ、こんなことやってるんだ。
誰かが生きた証。
あたしが生きてきた証も、言ったとおり全部綺麗にしてよ。
わかってます。
言わないで下さい。
ニコは何かに気付き慌てて窓を開ける。
どうした?
ロボの声が聞こえたような。
えっ?
気のせいかな?
ロボは走りながら叫んでいた。
ニコ~!ニコ~!
お前耳がいいんだろ?
俺の声を聞けぇ~!
ニコ~!
ロボ?
プッチーニにばれた~!
学校にいるってばれたぁ~!
ニコは目を閉じ集中する。
プッチーニにばれた~!
学校にいるってばれたぁ~!
プッチーニにばれた。
学校にいるってばれた!
えっ?
社長!
そこにプッチーニが教室に入ってきた。
小野一郎さんからの依頼です。
真境名マキさんですよね?
マキさんは立ち上がる。
素人のお前らに本当に殺せんのかよ。
即死できる場所はだいたいわかりますから、安心ください。
どうして死ぬ人の願い事、叶えようとするんですか?
あれ、見える?
絵美理は窓の外を指さす。
うちの病院よ。
もうすぐ消灯の時間だわ。
見てて、明かりが一斉にが消えるから。
明かりが消えていく病院。
本当だ。
眠れない患者さんは、暗い病室から明るい夜の街を見ているの。
自分もまた、あの街に戻れるのかなぁ。って思いながら。
もう戻れないって知ってる人もいる。
あんな小さな窓から、そんな思いで見ている人たちがいるなんて。
外の人たちは思ってもいないでしょうね。
あたしたち、看護士だから人が死ぬのは慣れてるんだろう。って思われてんのよね。
でも、全然慣れないの!
いつもスイッチ切って悲しくないようにして、
何であたしたちだけが死に立ち会わなきゃなんないの?
何でみんな死ぬなんて何もないみたいに暮らせるの?
私たち、あの窓を無視して暮らしてる人たちを許せないの。
人の命がなくなっても、何一つ変わらないこの世の中が嫌なの。
何一つ変わらないなんてことないと思う。
私の代わりだっていくらでもいると思うわよ。
だから、私が死んでも何も変わらない。
もし、あなたが死んだら、ロボは悲しんで、もう誰ともしゃべらなくなるかもしれない。
そしたらあたしは、学校の友達とだけしゃべるようになって。
それって何も変わってないように見えるかもしれないけど。
でも、、、それはもう私の知ってる世界じゃなくて、、、
元に戻そうとしても、もう戻らなくて。
死ぬって言うのは、自分だけがいなくなって、それで終わるわけじゃない。
池に石を投げた時みたいに、次から次へと波紋が広がって、いつまでも静まってくれなくて。
マキさんを見るニコ。
誰かがいなくなるって、、、そういうことでしょ?
そうね。。。
あたしも1人で生きてるんじゃないのよね。
この世界にあたしも関わってるのよね。
どうしようもなく関わってる。
そうですよね?
そこにロボが駆けつけた。
あの。
みなさん聞いてください。
あの、、、えぇっとですね。
奇跡が起こりましたぁ!
奇跡って?
もしかして、小野さんの意識が戻ったとか?
そう。それです!
病院、小野さんの病室の前。
何であんな嘘つくんだよ。
だってしょうがないでしょ。
銃つきつけられてたんだよ。
何か言わないと撃たれると思ってとっさに。
社長が可哀そうだろ。
すみません。。。
小野さんのそばではマキさんが腕をなぞっていた。
別子との写真を前にするプッチーニ。
ごめん。
あたし引き金ひけなかった。
あたしだって。
もうこんなことやめたい。
でも、、、やめたら別子のこと忘れそうで怖い。
昭子さんが写真の裏に気付く。
写真を絵美理から取る。
どうしたの?
見て。
私のことなんか
忘れていいからね
それぞれの道を
歩いていって下さい
別子
私のことなんか忘れていいからね。
それぞれの道を歩いていって下さい。
そんなこと、いつ書いたんだろう?
私のことなんか忘れていいからね。だって。
バカだなぁ。別子。
本当にバカ。
廊下に出た3人。
あぁ~。
ちょうどよかったぁ。
関山さん亡くなっちゃって。
関山さんてあの?
関山さん亡くなったんだ。
関山さんの病室。
ロッカーを開けるとそこにはプッチーニ宛の箱が。
あら?
ん?
何これ。
おぉぉ~。
これリハビリで切ってたやつ。
中には紙で作られた桜でいっぱいだった。
その中には黒い折鶴が。
関山さんの最後の願い。
なんかハードそう。
なんたって関山さんだからねぇ。
これで最後にしようか。
最後って?プッチーニの仕事?
うん。
いいよ。いいよね?
うん。
これが本当の最後のお願い。
恵が折鶴を開ける。
あんたら幸せになりや。
あんたら
しあわせになりや
これが最後のお願い?
関山さんリハビリ頑張ったんだねぇ。
ちゃんと字になってるよぉ。
全部散らしてまた来年やぁ~。
桜を散らす絵美理。
これ関山さんの口癖。
笑いあう3人。
あんたら、幸せになりや。
今までで一番難しい願いかもね。
マキさんは目を開けていない小野さん話しかけた。
ごめんなさいね。
あなたのこと忘れて、美味しいもの食べたり、笑ったり、幸せだなぁって思ったりしたこといっぱい
あった。
それから、いい気になってお金儲けしたり、人の悪口言ったり。
本当はね。
そんなことまだまだ続けたいって心のどこかで思ってるの。
最低でしょ?
許せないでしょ?
窓の外一面に桜の花びらが散っている。
桜?
ねぇ見て、桜。
小野さんの手をギュッと握り締めたマキさん。
小野さんは握り返した。
小野さんは意識を取り戻す。
声にならない声を聞こうと耳を近づけるマキさん。
許す?
あたしを許してくれるの?
どうして?
もう一度近づけるマキさん。
友達だから。
それだけ?
小野さんの表情は柔らかかった。
そして、もう一度目を閉じてしまった。
それだけ言いに来てくれたの?
次もまた、友達だといいわね。
ロボは昭子さんの部屋に帰ろうとした。
ん?
あれ?あれ?
鍵が入らない。
男性が出てくる。
誰?
お前こそ誰だよ。
誰って。
中に入り込むロボ。
家具も同じだし、同じ部屋だし間違いないでしょ!
あれ?昭子さんは?
ロボは部屋を追い出されてしまう。
並木道を歩くニコ。
前から昭子さんが歩いてくる。
あぁ!
おっ。
あのぉ。
ニコは昭子さんの前に立つ。
遠くへ行くんですか?
うん。
旅行?
より長いかな?
仕事は?
辞めた。
住んでいた部屋は?
荷物ごと人に貸しちゃった。
ロボは。。。
ニコと昭子さんが声を揃えて言う。
ロボには何も言ってないんですか?
うん。
ふぅ。。。可哀そう。
あのね。あたし、今日の夕方6時くらいまでここにいるから、一緒に来たかったら来てって伝えて。
メモを渡そうとする昭子さん。
あたしがですか?
嫌です!
風船に手紙つけて飛ばすようなもんだから、届かなかったらそれまでだから。
私風船ですか?
そう。よろしくね。
ニコの指にメモを結びつける昭子さん。
絶対一緒に行くって思わないんだ。
何がなんでもっていう生き方は疲れちゃったから。
ニコは昭子さんと別れた後、ゴミ箱にメモを捨て走り去った。
あたしはロボに昭子さんのメモを渡さなかった。
生まれて初めて、間がさすという言葉の意味を知った。
どうせロボは家にいないんだし、会えるわけないんだから捨てて正解だよ。
目の前にロボがいた。
ロボは後ずさり。
ベンチに座る2人。
何で家に戻らないの?
いや、だって、浮気して帰るみたいで気が引けるというか。。。
誰に?
だからぁ、ロボットたちに対して。
あぁ。。。
あのさぁ。。。
ん?
一番大変な時にいれなくてごめんね。
ニコはロボを見る。
真剣な顔のロボがいた。
別に!
許してくれるの?
下を見るニコ。
そう簡単に許してくれるわけないよね。
俺ひどいことしちゃったもんなぁ。
ロボ。。。
うん?
今何時?
今?6時10分前。
来て!
何?
ニコは走る。
ゴミ箱のメモを探し始めたニコ。
ここだ!
ない!ないよ!
何ぃ?
昭子さんが待ってる場所。
あたし、ここに捨てちゃったのぉ。
えぇ?
6時までそこにいるから伝えてって。
ないよぉ。
そうなんだ。
どうしよう。
あたし取り返しのつかないことしちゃった。
もういいよ。
でも、まだ間に合うかもしれないじゃん。
だってもう6時だし。
ベンチに戻る2人。
どうしても伝えたかったらさ、別の方法とったって。
ごめんねぇ。
あたしどうかしてた。
ほんとにごめん。
もういいよ。
よくない。
いいって。
俺がいいって言ってるんだから、気にすんなよ。
ロボは昭子さんとの写真を取り出した。
不安な笑顔の写真。
ロボは破り捨てた。
ちょっとロボ何してんの?
いいの?
うん。いい。
写真まで捨てることないじゃん。
あたしのせいだ。。。
自分で自分が許せない。
俺は許してるから。
どうして?
顔をあげロボを見る。
だって俺たち、友達だろ!
ポーズを決めて言うロボに笑顔を見せるニコ。
立ち上がるロボ。
燃える友情だって!
ロボが帰ってきた。
痛みと懐かしさと許してもらった安堵感と一緒に。
地蔵堂。
よっちゃんゴメンね。
あたしまた生きることにしました。
よろしくお願いします。
こちらこそ。
よっちゃんは笑顔で地蔵堂にかかった布を外していく。
ロボは家に帰る。
マックスロボを前にしてロボは微笑む。
ただいマックス!
あなたがいなくなると世界が変わる。
あなたがいなくなると私の知っている世界じゃなくなる。
それはとっても寂しいことだから、、、
だから、、、死なないで。
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キャスト
☆須藤威一郎(ロボ)…松山ケンイチ
☆林二湖(ニコ)…大後寿々花
☆林一海…村川絵梨 ☆林竹男…塚本晋也
☆林雪江…片桐はいり
☆名梨秀吉…岡田義徳 ☆真境名マキ…浅丘ルリ子
<第9回ゲスト>
☆プッチーニ…小林聡美、ともさかりえ、もたいまさこ
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