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プロポーズ大作戦 第8回 レビュー

『年越しに流す涙は本物ですか』
男の名前は岩瀬健。
過去に戻っても自分の思いを告げられず
2人が交際するのを阻めなかった哀れな男である。

もう終わりにします。
む?
タイムスリップするのやめます。

かの有名なエイブラハム・リンカーンはこう言っている。
あなたが転んでしまったことに関心はない。
そこから立ち上がることに関心があるのだと。

この写真の日が最後だったよな。
過去にタイムスリップしてきてたんだろ?
もっと早く気付いてたら協力してやれたのになぁ。
えぇっ!?
だって、お前あの後過去来なかったろ。

失敗にめげず再び立ち上がるのか、
教訓を得て別の道を目指すのか、
それとも自分の不幸を嘆き続けるのか。
はたして、この男に幸せは訪れるのだろうか。

海岸で撮られた初日の出の写真が映し出される。

お2人がお付き合いされてから初めて一緒に見た初日の出の写真です。

人生で最悪の年明けだった。

なぁ、でもどうやって過去戻んの?
いや、妙なおっさんが戻してくれんだよ。
妙なおっさん?どれ?

もう無理だ。
2人は付き合ってるんだ。
諦めるしかない。
でも、、、幹雄に手助けしてもらえればどうにかなんのかなぁ?

どこだよ。妙なおっさんて。

いや、今さらどう頑張っても手遅れだって。

ハーレルヤハーレルヤ♪

妙なおっさんね。
ごめんなさい。その、変な意味で言ったんじゃないんです。
変な意味じゃない妙なおっさんがいたら、ぜひ会ってみたいものだな。
何でそんなこと言っちゃったんだろうなぁ。
お前ほど後悔と葛藤が好きな人間は見たことがない。
もう過去に戻るのはやめたって宣言したくせに、
その友達に助けてもらえばまだ可能性はあるかもしれない。ってそう思ってんだろ?
自分でもビックリしますよね。
いい加減、彼女の気持ちを変えるのを諦めて自分の気持ちを変えてみたらどうだ。
自分の?
お前があそこの席に座る未来よりも、
この披露宴に出席しない未来を作ることの方がよっぽど簡単だと言うことだ。
どういうことですか。
本来人間には忘れるという便利な機能がついている。
過去のお前が彼女のことを忘れることが出来れば、
今みたいな辛い思いをせずに済むと思わないか?
忘れる。。。
もう2人は付き合ってるんだろぉ。
もうここまで来てしまったら忘れる努力をした方が賢明だと思うがな。

このキャビアもらうぞ。
あぁぁ。
このキャビアがそんなに惜しいか?
じゃあ、過去に戻って恋もキャビアも綺麗さっぱり忘れちまえ。
えぇぇ。
求めよ。さらば与えられん。
ん。
えっ。ビール。

ハレルヤァチャンス!
ぬぉぉぉぉ~!

おんどりゃぁ~!
うわぁ。ごめんなさい。ごめんなさい。もう諦めます。
もうちゃんとやってよ!
えっ?
何やってんの?
この腰抜けが!
ぶっ飛ばすぞ!
ぶっ飛ばすぞぉ!礼とエリが声を合わせて言う。

も、餅つき?

おい、健大丈夫か?お前
ちょっと休め。
代われこの腰抜け。おい。
あっ。エリやる?
あぁやる。

うぅよいしょ!
あっぶねぇな。おい。
遅いんだよ。
もっと早くやれ。
じゃあ、早くやったら付き合ってくれる?
嫌だ。
だぁぁ、危ないなぁ。

こいつらまだ付き合ってるわけじゃないんだ。

いけぇ、エリぃ。
あはは。
健は礼の無邪気な笑顔を見つめる。

幹雄を見つけた健。
アンニョンハセヨ。
ん?
未来から来た。
未来からタイムスリップしてきました。
それで?
それでじゃねぇよ。もっと驚けよ。
わぁぁ~、すっごい。
おばちゃん、ちょっと汁入れて。
だから、本当なんだって。
んな、バカな。
信じろよ。
どうやって?
んと、お前将来映画の製作会社に入る。
んなこと誰だってわかるだろ。
もう内定もらってるんだし。
じゃああのぉ、北島康介の『気持ちいい。チョー気持ちいい』っていうの本人より俺の方が先に言った。
万が一の偶然かもしんないし。
じゃあ、何だったら信じんだよ!

そこに幹雄に電話がかかる。

あぁ、優子だ。
ちょちょちょ。
この電話で優子にいきなりプロポーズされる。
そんなわけないだろ。
出ろよ。
もしもぉし。
ねぇえ~。あたしと結婚してぇ。
わりぃ、後で折り返す。
こんな大事な電話折り返すなよ。
健、お前。
そう。
超能力者だったんだなぁ!
だから、タイムスリップだよ!

宝くじの当選番号をショーグンのテレビで見る5人。
とったどぉ~!
いくらあった?
1等前後賞あわせて1200円。
結局今年も下2桁だけかぁ。
やっぱいっぱい買わなきゃ当たんないもんなのかなぁ?
いや、別に当たらなくてもいいけどなぁ。
いやでも、もし当たってさ。みんなでパァって使ったら絶対楽しくない?
バナジュー。
それはそうだけどぉ。
別にお金なくても十分楽しいし。
私もバナジュー。
じゃあ、もし!もし!もし3億円当たったらどうするか言おうぉ。
いいよ。そんなの。
いくない!
そのな、思いの強さが来年の当選に大きく関わってくるんだよ。
関係ない。
健のパワーでさ。
当選番号変えられないの?
だから、エスパーじゃねぇ。
幹雄の口をつまむ健。
使えねぇなっ。
じゃ、幹雄から。
えっ?
3億円当たったら。
映画撮る資金にする。
おぉぉぉ
さりげなぁく夢語っちゃってますよねぇ。
無駄にラブシーン多そうですけどねぇ。
うるさいよ。
やらしそっ。やらしそっ。
はい。じゃあ次、健。
俺?
そんな急に言われてもな。
別にそんな真剣に考えなくていいから。
そうだ、頭にパッと浮かんだもの言え。
あるけどぉ。
金じゃ買えないしな。
何かっこつけてんの。
仲間と過ごす大切な時間。プライスレス。
あはは。
そういうガラじゃないんだからやめなよぉ。2人とも。
ねっ。あたしはこの雑誌に載ってるの全部買いたい。
おっ!じゃ、ちょっと待ってちょっと待って。
保、ペン!保、ペン!
俺メモるね。
買ってあげるの?
いやだから、いくらぐらいかかるのか一応さ。
でもさ、あれやってみたくない?
端から端まで全部下さい。みたいなやつ。
あぁ、いいかもそれぇ。
でしょぉ。
でさ、このDKNYっていうのは何なの?
はっ?
そんなのも知らないの?
話になんないんだけど。
健知ってる?
俺は、、知ってるに決まってるじゃねぇか。
あれだろ?
ドント・ノック・ニューヨークだろ。
ドント・ノック・ニューヨークかぁ。へぇ。
ドント・ノック・ニューヨーク?
健、それお前本気で言ってんの?
本気だよ!
恥ずかしい。ケンゾー。
あはははは。
ダナキャランニューヨークだから。
何だよ。ドント・ノック・ニューヨークって。
恥ずかしいケンゾー。鶴が礼のマネをして言う。
バカッ!ダナカランニューヨークの別にドント・ノック・ニューヨークがあるんだよ。
おぉ。ドント・ノック・ニューヨークが。
ドント・ノック・ニューヨークがな!
ケンゾーってそうやって知ったかぶりして墓穴掘るの得意だよね。
ブランドに弱いと女にもてないよ。
お前ら大学生にもなってもドント・ノック・ニューヨークも知らねぇのかよ。
そんなのフォローしなくていいから。
おい、健。保にフォローされたら終わりだぞ。
ねっ。次礼は?
3億円当たったら?
う~ん。ドント・ノック・ニューヨークのバッグ?
それは3億円あったら難しくない?
俺もそれにする。
あはは。
いぃねぇ。

外を歩く5人。
さむ。さっむぅ。
エリぃ。エリ。
ゴメンナサイ。
いてぇ。
エリに駆け寄ろうとした鶴は外人さんにぶつかってしまう。

言っとくけど、過去戻ってきたら協力するっつったのお前だからな。
そんなこといつ言ったよ。
2007年4月。
3年後の発言だろ。
文句あんなら未来の俺に言えよ。
ふざけんなよ。
そんなことより、2007年の4月って何やってんの?
礼と多田さんの結婚式。
冗談だろ!?
2人に結婚されたら困るからこっち戻ってきてんだろ。
へぇ。
2人とも付き合ってんのかなぁとは思ってたけど結婚するんだ。
礼ってさ。
未だに健が礼のこと好きだって気付いてないんだろ?
結婚式って。
お前そんな進展するまで礼に何も言えなかったの?
言えてたら、、、ここにいねぇっつうの。
はぁぁ。
何やってんだ!
急がねぇと始まっちまうぞ。
何が?
紅白だよ。
大晦日恒例の紅白歌合戦。
紅白ぅ?

はぁるばるきたぜカラオケぇ。
よっ。鶴!

紅白ってこれかよ。

伊藤先生がアッコさんの格好をして歌う。
そして、ソクラテスの番。

選曲古すぎでしょ。
あいつはいつだって青春の真っ只中にいるんだ。

礼とエリがさくらんぼを歌って盛り上げる。
その後、鶴が佐賀県を歌う。

健。いつもの歌えよ。
そうだよ、今日モンパチ歌ってないじゃん。
いや、俺はいいよ。

BAKAバカBAKAバカ。
岩瀬健はバカ。
歴史的なバカ!だぁ!
鶴が歌いながら健に絡んでくる。

化粧室で礼とエリが話す。
いくつになっても変わんないもんだね。
(このエリの台詞がいまいち聞き取れなかったのでだいたいです。)
ある意味羨ましいよね。
一瞬にして高校時代に戻れるなんてさ。
伊藤先生なんてハリキリすぎだからね。
一番はじけてるし。
あっ。ねぇ今日多田先生は?
残業が終わってから学部の教授たちと温泉に行くんだって。
若い講師とか助教授は無条件で参加らしいよ。
へぇ。せっかくお仕事なのに何か寂しいね。
ううん。別に平気。
寂しいくせに。
ほんとにそんなことないって。
ねぇ。健には多田先生のこと言ったの?
・・・
まぁだ言ってないの?
年越しちゃうよ。

動きぃ始めたぁ~♪
サライをみんなで合唱。

あぁあ、何やってんだ俺。

審査員のみなさんどうぞ!
赤!
伊藤先生以外みんな白。
あれ必要かぁ?
勝者!白組!
イエェ~イ!

家に帰る道。
窓辺をぉ♪
いてぇ。ごめんごめんごめん。
エリにあたってしまった鶴。

礼!
ちょっと来て。
幹雄が突然礼を呼ぶ。
どうする気だよ!
協力してほしいんだろ?
健がお前と2人っきりで話したいんだって。
えっ?
いや、あっ。
俺たちコンビニ寄ってから行くわ。
うん。
健、貸し1な。
おい。ちょ、幹雄。
ごめんごめん。先行くわ。
じゃあ、ご一緒にぃ。
鶴、幹雄、エリは先に歩いて行く。

ちょうどよかった。私も話があったんだ。
もう気付いてたかもしれないけど。
でも、、、ケンゾーにはちゃんと自分の口からいいたかった。
私、、、多田先生と付き合うこと決めたの。
駆け引きとか計算とかなく、好きだって気持ちをストレートに伝えてくれたことがうれしかった。
あんな真正面からぶつかってきてくれる人初めてだった。
伝えたからって付き合うのかよ。
ううん。自分で決めたんだよ。
この人と付き合いたいなぁって思って。
ちゃんと自分で決めた。

実はね。私、、、ケンゾーのこと好きだったんだ。
全然素直になれなくて、、でも気まずくなるのが怖くて。
二十歳になるまではずっと、どっちつかずの状況だった。
でも、変わりたい。変わらなきゃって思ったの。
多田先生と出会って、ケンゾーに気持ちぶつけられなかったことって逃げだったんだってわかった。
だから今回は、逃げないでちゃんと多田先生と向き合おうって決めたの。
ずっと、ケンゾーのことを思っていた時期があったからこそ、今の自分があるんだって、やっと思えるようになった。
こんなダメな幼馴染みですけど、これからもよろしくお願いします。

健は礼の言葉に何も返せなかった。
ただただ聞いてるしか出来なかった。

2人とも遅いぞぉ。
あぁ、ゴメン。

えっ?
玄関にある革靴に気付く礼。
あっ、どうして?
ごめんなさい。予定変更しちゃいました。
出発明日の朝の便に変えました。
教授の新年の挨拶には間に合うと思うんですよね。
やっぱり、一年の終わりと始まりはどうしても一緒にいたいなぁ。って思って。

ん!あ゛ぁ!俺らがいること忘れてるでしょ?
えっ?
かゆいなぁ。もうムズムズするなぁ。
ごめんなさい。
場所とぉ。。。
空気でしょ。
空気。
そうだ。空気だ。
礼はいいなぁ。愛されてて。
エリだってすっごい愛されてるよ。
うしっ!今回こそ手打ち蕎麦完成させるぞ。
ねぇねぇねぇ。座ってないのか?
お前もほんとにこりねぇな。
今回はいっぱい時間あるから大丈夫。

23:58
ちらかったキッチン。
結局、年越し蕎麦はカップの蕎麦に。

あっ。もう時間やばくねぇ?
3分待ってたら年越しちゃうんだけど。
少しくらい硬くてもいいから食べちゃう?
そうだね。いただきます。
ねぇねぇねぇ。ちょっと待って待って。俺の沸いてないの!ふざけないで!
健食べないの?
あぁ。
あっ。じゃあ、俺の交換しようぜ。
食べるわ。
おい。何だよぉ。
ねぇ。そもそもさぁ、年越し蕎麦を食べないで年越したらどうなるわけ?
金運が下がるそうですよ。
あつっ
あっあっ、あの。冗談ですから。
わっかりづらいなぁ。おい
普段言わない人が言っても冗談に聞こえないよ。
あれ?もうすぐじゃない?

10、9、8、
礼の手を握る多田さん。
それを見てしまう健。
7、6、5、4、3、2、1
ハッピーニューイヤー!
イエーイ!
おめでとうございまぁす。

今年もどうぞよろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
今年もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
あっ、優子?あけおめ。うん。折り返す。

健は1人蕎麦を食べ続けた。

はい。幹雄。
俺運転だからいいわ。
かんぱぁい。
おいしいぃ。

過去のお前が彼女のことを忘れることが出来れば、今みたいな辛い思いをせずに済むと思わないか?
健はみんなが楽しんでいるなかで妖精の言葉を思い出していた。

車に乗り込む5人。
今日初日の出見れるかなぁ?
天気は大丈夫だって。
あっ、ほんと?
健。どうしたの?
ケンゾー。
俺いいわ。
えっ?
どうして?
幹雄の運転怖いし。
大丈夫だよ。死ぬときはみんな一緒だから。
用事あるからさ。
何だよ。用って。
別にいいだろ。こっちにもいろいろあんだよ。
今さら何言ってんの?
まだ後ろ乗れるぞ。
そうだ。おい。早く乗れ。
まじでいいから。
ていうか、もうこういうのよくない?
二十歳過ぎてさ。わざわざ遠出して一緒に太陽見て何なの?

幹雄が車から降りて健と話す。
お前本気でいかねぇの?
あぁ。
何もこんな日に1人でいることはないじゃないか。
いいから。ほっとけよ。
無理に忘れようと思っても無駄だと思うけどな。
すぐに忘れられないから好きってことなんじゃねぇの?
だったら、みんなで大騒ぎしてたほうがよくねぇか?

そこにクラクションが鳴る。

おい!行きたくない奴はほっとけよ。
うるさいから早く行こうぜ。
・・・
わかった。
はぁ。
健は大きく息をはいた。

海岸へ向かう車の中。
ったく何考えてんだよ。
せっかくみんなで盛り上がってたのに、あの態度はないよねぇ。
健も健なりに何かあんじゃないの?
僕お邪魔してて大丈夫ですか?
どうして?
毎年5人で新年迎えるって聞いてたんで。
こんなところまでご一緒しちゃっていいのかな?って。
いいの、いいの。どんな組織にも活性化は必要なんだから。
活性化に繋がるかはわかりませんが、あぁ、じゃあお言葉に甘えて。
どうぞ、どうぞ。

コンビニに寄った5人。
うぅ。さむっ。
また食べてんの?
ん?
食べないと育たないだろ。
年明けて最初の食事がおでんでいいのかよ。
何を食べるかが問題じゃない。誰と食べるかが重要なんだ!
あたしいらないよ。
でも、スープちょっとちょうだい。
うん。
誰が口移しで飲むのよ。
はい。
ありがとう。
礼にコーヒーを渡す多田さん。
あぁ、いいなぁ。あぁいうの。
うっ。いらないよ。鼻についたぁ!

ショーグンでテレビを見る健。
健。
ん?
お前本当行かなくていいのか?
たまには1人になりたいときだってあるでしょ。
俺はほとんどの時間、この店で1人だからな。
そんな気持ちは全く理解出来ない。
たもっちゃん、おかわり。
あぁ。

よっ。
ありがとう。
お前達が一緒にいないなんてことがあるんだな。
まぁいろいろ。
もう二十歳すぎてるし、ずっと一緒にいるなんて限界あるんじゃん?
傍から見てると40、50すぎてもつるんでそうな勢いだったけどな。
うん。。。
さっき何でかばってくれたの?
何が?
ドント・ノック・ニューヨーク。
バカヤロウお前。
あれはな。
俺のナンバー1フェイバリットブランドなんだよ。
もういいって。

海岸へ再び向かいだした車の中。
健、絶対後悔する。
ん?
やっぱ初日の出行けばよかったぁ。とかっていいそうじゃない?
そうなんですか?
高校の時、俺ら4人だけでお好み焼き食いに行ったじゃん。
あぁ、あったね。
次の日さぁ、その話してる間健だけずっと不機嫌だったの覚えてる?
たいして面白いことあったわけじゃないのにね。
何かあっただろ。ってしつこかったなぁ。
ケンゾーって、昔から自分のいないところで面白いことがあるの許せないんだよね。
昔のことをうれしそうに話し出した礼。
小学校の遠足で、遊園地に行った時さ。
熱でフラフラなのに無理して来たことがあってさ。
みんなははしゃいで大騒ぎしてるなか、自分だけムスッとしたままジェットコースター乗ったんだよねぇ。
辛いなら帰ればいいのに。
健ぽいね。
あいつ妙なとこだけ頑固だからな。
まっ、絶対後悔するな。

健は1人夜の街を歩く。
こうして礼と離れていれば、いつか忘れられるんだろうか?
礼を思い出すことない未来なんて、本当にあるのだろうか?

こんなのしかないのかよ。
センス悪いなぁ。これ、本当に。

前から歩いてくる男性達が持っている鞄に気付く健。

ドント・ノック・ニューヨークってマジであるんだ。
ていうか、たもっちゃんどんな趣味してんだよ。

ねぇ。それどこで売ってんの?
健は彼たちに話しかけた。

しかも、景品かよ。

鞄はストラックアウトの景品だった。

お願いします。
300円を出した健。
はい。どうぞ。

過去に戻ってきてまで何やってんだよ。
投げ続けながら健は思った。

礼たちは海岸に到着。
あぁ。懐かしい。
行くか!
そうだな。
よいしょ。

あぁ、まだ日の出まで3時間以上ありますよ。
この待ってる時間がいいんだよ。
さすがに寒すぎるけどね。

多田先生もいこっ。

二十歳にもなってはしゃいでんじゃねぇよ。
うるせぇ。お前。そんなこと言ってると投げるぞ。
ねぇねぇ。あれいつだっけ?鶴とさ、健がさ。相撲とったやつ。
あれ、一昨年じゃん?一昨年。
何かあったの?
波打ち際で相撲やって、2人ともびしょ濡れになったの。
あれは笑ったよね。
服とかチョー濡れてんのにさ。
勝った負けたでギャーギャー言いあってんの。
寒いし風邪ひくよ。って言っても。
そんなもんどうでもいいんだよぉ!って逆にこっちがきれられて。
勝ち負けなんてどっちでもいいっつの。
いいわけないだろ。
で、結局どっちが勝ったんですか?
もう一回とって、また2人で波に突っ込んでた。
昔を思い出し、寂しくなる4人。
健がいないとつまらん。
うん。何か違うよね。
こうやって、当たり前になっていくのかなぁ?
誰かがこの場にいなくても、それが普通になっていちゃうのかなぁ?
まだ早くない?それ。
社会人になったり結婚とかしたらしょうがないかもしれないけどさぁ。
僕もそう思います。
終わるのって簡単なんですよね。
終わるのって、ほんと簡単なんです
年をとっていけば自然となくなっているもの、たくさんあるんです。
無理してやらなくていいこととか、やる必要のないこと、たくさんあると思うんですよね。
無駄とか面倒の一言で片付けられること、これからいっぱい出てくると思います。
でも、記憶とか思い出って、そういうところで生まれるものだと思うんですよね。
もったいないと思います。
傍から見てても5人の関係って羨ましいと思ってたんで。
4人は多田さんの話を聞いて、さらに寂しくなる。
何かやだね。
このままだんだん距離が出来てきちゃうのってさ。
あぁ、さむぃ。
車戻るわ。

よし。
おいちゃん、もっかい!
健は何回も続けていた。
何でこんなことにムキになんてんだ?
ただただ、目の前に没頭することがあるという事実が、何だか無性ありがたかった。

KEN'S BEST

これいつぐらいの?
エリはMDを手に取る。
ん?高校くらいのかな?

モンゴル800の曲が流れはじめる。

もっかい。
まだやるの?
やんの!
そんなにほしいのかねぇ?

しょうがねぇなぁ。
幹雄は車を走らせた。

無心で投げ続けた。
脳裏に浮かんできたのは14年分の礼だった。

ラスト1枚。
ど真ん中。

私、、、ケンゾーのこと好きだったんだ。

涙を堪えながら最後の1球を投げた。
最後の1枚を見事抜く健。
座りこむ。

重ねてきた年月の重さに、涙が零れた。
この思いは消せない。
忘れることなんて出来ない。
やっぱり礼が好きだ。
礼のことがたまらなく大好きだ。

健は涙を流した。

はい。
おめでとう。

健はドントノックニューヨークの鞄をもらい家に帰る。
足取りは重い。

家に入ると。。。

フゥー!イエーイ!
ハッピーニューイヤー!パート2!

遅いんだよお前。
ストーブつけずに1時間半だぞ!
1人ですかしてんじゃねぇよ。
そうだよ。大人ぶっちゃってさ。
そう簡単に1人になれると思ったら大間違いだからね。
ったく、バカがいねぇと調子狂うんだよ。
おまえだろ。
全くの五分五分だな。
ケンゾーはほんと得してるよね。
いっつもドッキリしかけてもらってさ。
ちゃんとみんなに感謝しないと、のちのち後悔するからね。後悔。
ほら。俺にありがとうございます。って言え。
ありがとう。チビ!
あっ!大きくなるぞ!バカ!
あぁ~!それ!
ドント・ノック・ニューヨークじゃん。
本当にあるんだ。
だから言ったろ。
どうしたの?
買ったの。
えぇ!いくらで?
2万8200円。
たっか!
これレアモンでなかなか手に入んないの。
はい。
えっ?
やるよ。
いいよ。
ほしいっつったのお前だろ。
責任持って処分しろよ。
いいなぁ。幼馴染みだとそんなことまでしてちゃうんだぁ。
いいなぁ。いいなぁ。いいなぁ。
トイレ行ってくる。

うわぁっ!
ハッピーニューイヤー!パート3!
多田さぁん。
あぁ、ごめんなさい。驚かすつもりは全然なかったんです。
嘘ですよ。それ。
ねぇ、初日の出どうする?
大学の屋上は?
おぉ、いいねぇ。
見えるかなぁ?
見えるか見えないかは問題じゃない。誰と見るかが重要なんです。
仲間とのすごす大切な時間。プライスレス。
何言ってんだかぁ。
なれないこと言っちゃってぇ。

行く行く。

あぁ、ちょっとちょっと。
エリとぉ~!
たたんで。
いいね。
これ何か使えるかな。
おい、それ俺んだぞ。
いいじゃん、どうせ汚いんだし。
ケチぃ。
ケチぃ。
もぉ。。。
邪魔だよぉ。
俺んち。

健はうれしそうだった。
仲間といれることが本当にうれしそうだった。

大学の屋上。夏、花火を見た場所。
どっから出んのかな?ってみんな探すから楽しいんじゃないの?
一応教えといてくれない?
楽しくする感じじゃないの?
ねぇねぇねぇ。あれじゃない?あれ。
すご~い。初日の出。
おぉ~!

今日はありがとね。
あぁ、うん。こちらこそ。
礼は多田さんに話しかける。
それを見ていた健。

初日の出に手を合わせる。
過去と同じ6人での初日の出になったけど、過去よりも気分は少しだけ晴れやかだった。
ケンゾー。何祈ってたの?
いわねぇよ。
何でぇ?教えてくれたっていいでしょ。
バカ!言ったら願いが叶わなくなんだよ。
ふ~ん。そんなにかなえたい願いがあるんだ。
叶えたいに決まってんだろ。

もう一度手を合わす健。

おい。写真撮ろう。写真。
お前本当に写真好きだな。
イベントがある限り写真も続くんだよ。
いくぞ!
あっ!ちょちょ。
ふふん♪

礼はドント・ノック・ニューヨークの鞄を手に取った。

健は披露宴会場に戻る。

写真は海岸から大学の屋上に変わっていた。
そして、礼の手にはドント・ノック・ニューヨークの鞄が。
健の表情は晴れやかだった。

戻ってきても無駄だったなぁ。
えぇ?
あの時の俺は相当協力してやったのになぁ。
お前何もしてねぇだろぉ。
やっぱそう簡単には変わんないんだなぁ。

ハーレルヤハーレルヤ♪

一番辛い道を選んだな。
えっ?
やりようによってはあの時点で彼女と大きく距離を置く方法があったんだ。
ですね。
だが結局お前はここで、彼女のウエディング姿を眺める未来を選んだわけだ。

お前の辛い旅も、いよいよフィナーレだな。
どういうことですか?
次のスライドが最後だ。
最後?
フィナーレに相応しく彼女がプロポーズを受けた日というわけだ。

ラスト!ハレルヤチャンス!

時間は動き出す。
そして、最後の1枚が映し出される。

こんなにずっといるのにケンゾーは何もわかってないよ。
何もわかってない。

写真を見て健は礼に言われたことを思い出す。

礼の口からもっとも聞きたくない言葉を聞いた。
礼はそれ以来、、、一度もケンゾーと呼ばなくなった。


どの台詞が誰かはわかりにくいと思いますけど、しゃべり方とかで何となく頑張って下さいw
疲れたぁ^^;
10分進むのに台詞が多いところとかは1時間かかったりしてしまった(´;ω;`)
所要時間4時間近く。。。
プロポーズ大作戦はレビューしんどいわ(;´Д`)
セクシーボイスアンドロボならもう少し簡単だと思うから、挑戦してみよう♪

ちなみに、コメントとトラックバックは感想の方にお願いします。
感想と言ってもそんなに書いてませんけどね^^;

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キャスト

☆岩瀬健…山下智久   ☆吉田礼…長澤まさみ

☆奥エリ…榮倉奈々   ☆榎戸幹雄…平岡祐太
☆鶴見尚…濱田岳

☆妖精…三上博史(特別出演)
☆多田哲也…藤木直人

公式HP

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