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美の奇人たち ~森之宮芸大前アパートの攻防~/美奈川護(著) 読了

美の奇人たち ~森之宮芸大前アパートの攻防~/美奈川護(著)よかったけれども、
ちょっと残念にも感じたかなぁ。
全体としては満足ですけど、話一つ一つではどうなんだろう、
と思わなくもなかったり。

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
一章はよかったんですけど、
二章と三章は朱里が自分と向き合う時間が増えて、
そこに出てきた住人のことが薄くなっていたなぁ、と。

特に三章はあっさりとしすぎていた気がする。
借金の理由も理由だったし、すごく普通すぎた気がする。

四章に関しては朱里がここまでの中で色々と思うようになっての集大成だからいいけども、
一章だけしかちゃんと話が描かれていなかったんじゃないか、
という感じがしなくはなかった。
自分のしていたことに思い悩んでぶち当たって。
その中でも自分に出来ることを手探りで探していく。
そうしてアパートを去っていく、というのは読んでいてすごく気持ちがよかった。

二章も前向きではあるんですけど、一章に比べるとやっぱり物足りなさがあったというか、
朱里の方がメインになっていた感じがあったかなぁ、と。
そのせいで近江の存在が薄くなってしまってた気がする。

三章は特にそれが顕著だったかな、と。
借金はあれども川喜多は普通の人だったしね。
本人としてはあっさりではないのでしょうけど、
すごくあっさりと話が終わった。

四章では父親のこと。
最後に明かされた感じだと朱里だけじゃなく、
高羽の父親のことでもあったようですね。
女優志望で大きな劇団に、ってどう考えてもそういうことでしょうよね。
ていうか、高羽の居場所がなくなった一つの理由がお母さんにあったんかい、とね^^;
何で跡取り息子を俳優にしようとしたのかと。
その当人は高羽をかわいがってくれていたようですけどね。
それがきっかけで高羽も俳優を目指すことになったわけですが。

浮ヶ谷が朱里のお父さんに頼んで作ったもの。
何も残せていなかったと思っていた父親が残した最高の舞台。
文章からでも迫力が伝わってきました。

そんな父の後継者として高羽とともに新たな舞台を作ることにするのでしょうかね。
これまでその日暮らしで未来のことなんて考えてこなかった朱里に見えてきた様々な未来の道。
朱里はどの道を選ぶことにするんだろうかね。

ただ、おじいちゃん。
新しい住人を増やすのはあかんだろ^^;



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