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からくさ図書館来客簿 第六集 ~冥官・小野篁と雪解けの歌~/仲町六絵(著) 読了

からくさ図書館来客簿 第六集 ~冥官・小野篁と雪解けの歌~/仲町六絵(著)やっぱり最終巻だったぁ。
とてもいい終わり方だったのだけれども、
終わってしまったのが非常に寂しいです。
色々な話をもっと読んでいたかった。

同じ世界で紡がれている物語の「あやかしとおばんざい」は
続きが出るのでしょうかね?
そちらで篁と時子が出てくることはないでしょうけど、
二人が働く街での話が別の形でもまた読むことが出来たらいいなぁ。

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
今回もどの話もよかったのですけど、特に気に入ったのは
篁とその子孫になる春花との話かなぁ。
篁とよく似た顔立ちの女性。
時々、似たような顔の人がいたらしいですね。

そんな彼女のそばにいた道なしは小野小町をこよなく愛する茶人だった。
小野家をずっと見守っていたらしいですね。
で、彼の心残りは彼が作った小野小町の像を完成させなかったこと。
実際に見たことのなかった顔を彫ることが出来なかったんだそうな。
それが何の因果か巡り巡って春花の家に保管されていた、というね。

というわけで、篁が張り切って小町の赤ちゃんの頃の絵を描いたりも。
時子に対する過保護は時子だから、というわけでもなく、基本的にそういう人みたいですね。

春花は自分の偽書を作ることで協力することに。
その中で小町がいたりもしたようで、篁としてもよかったですね。

そんな話だったわけですけど、金森の偽書を生成したことで
時子が主体で問題解決のための話を進めてましたね。

その一方で子孫から篁はズバリ言われてしまったりも。
時子とどうなりたいのか、と。
その話を後で時子が聞いていた、と話してましたが、
篁の本当の気持ちというのが語られてましたね。
他の誰でもない自分の子孫からの問いだったから、素直に答えたのでしょうね。

本当に記憶を奪ってしまうことになるのが惜しいよなぁ。
春花と篁のやり取りはとてもよかったので残念でならない。

最後の話に入る前に少し描かれた別の話。
冥官が四人揃っての女の子の道なしとの話。
それぞれが思うところを彼女に重ねていた感じですね。
特に茜が強く思うところがあったようで、
こういうのを読んでいると二人以外の話も読みたかった、
と思うところですね。

そして、最後の話は伊勢神宮の最後の斎宮の祥子内親王。
唯一所在のわからない斎王だったらしい。
冥官にとっては一番の懸案事項だったようで、時子も冥官になる前に聞かされていた。
そんな彼女と二人は偶然出会うことに。
というわけで、時子が自分に憑かせて旅をしたりも。
彼女の願いは人と書について話たりすること。
それは天道へ行けば出来ることではあるわけですが、
本当にしたいことはそうじゃないんじゃないか、と時子は別の方法をとることを選んだ。

それが偶然からくさ図書館に持ちかけられていたイベント。
大塚や衣笠たちが企画したビブリオエリアだった。
ビブリオバトルというもので自分のおすすめする本を紹介しあって、勝敗を決める、
というのものはあるけれども、勝敗を決める、ということはしたくない、
でも紹介はしたい、という気持ちのある人たちへの受け皿となるイベントだった。

というわけで、その企画に参加させてもらうことに。

なんやかんやとあって、これまでに登場した人たちが勢揃い、
みたいな感じになってましたね。
それぞれが紹介する本が本当に好きなんだろうなぁ、と伝わってきました。
気に入ったというよりは、意外だったために印象に残ったのはやっぱり太田ですね。
猫がくるとはw
最初のインパクトもありましたけど、そこからさらに繋がったのが驚きでしたね。
巡ってるんだなぁ、と。

沙央里と雅也のこれからも楽しみですねぇ。

最後に時子と祥子の話。
それは彼女が経験した事実。
大切な人たち、大切な場所の話。
記録としてはおそらく残されていない話にはなるわけですが、
ここで話したことで、彼らの中で生き残り、
それが少しでも次へと繋がっていくといいですねぇ。

そして、祥子とともに彼女の想いを成し遂げた時子は剣の偽書の力を完成させることに。
一枚の紙だったものが巻物として現れるように。
それは現世の人たち、祥子内親王、篁のおかげだ、と。
この一年の間に関わった全ての人たちのおかげでしょうね、本当に。

で、その最後の話の中で篁に届けられた時子を第一位の冥官の後継者に、という話。
篁はきっと何も言わないのだろうな、と思ってましたけど、
やっぱり時子に聞かれた時に自分の気持ちは言いませんでしたね。
時子としては言ってほしかったわけですけどね。
それは篁は気付いたのかなぁ?

時子を選んだ理由は三つあったわけですけど、どれも篁に色濃く影響を受けた形でしたね。
時子にとって篁が本当に大きい存在なのだろうというのはわかってましたけど、
改めて、って感じでしたね。

そして、その手紙に対して時子は受けないということを選んだ。
篁が笑顔を隠さなかったのがいいですね。
言葉は違うことを最初はいってたけれども。
笑顔は抑えられず。
さらに、これからどうするのか、ということと合わせて篁へと伝えた。
天道で過ごした時間と同じだけ冥官として過ごした後の話。
自分が過ごした記憶を残す社家町で人として生まれ変わる、というものだった。
時子はそれに付き合ってほしい、と篁に言うつもりだったらしいけれども、
篁から自分も付き合ってもいいですか、と。

まだまだ遠い未来の話。
だから、これから少しずつ色々なことを経験していくわけで、
その中でケンカもするでしょうし、時の流れの中で変化する世界に
寂しさを覚えたりすることもあるかもしれないですしね。
でも、変わらず篁が冗談を言ったり、それに時子が呆れたり、としていてほしいですね。
生まれ変わった時にも二人が変わらず幸せであってほしいですね。

しかし、冥官として篁も一緒に務めていくのなら、
誰よりも長く冥官を務めた人ということになるのでしょうかね?^^;
そのことを知ったら晴明とかから呆れられたりしそうな気がw

本当に最後まで楽しかった。
終わってしまったのが残念でならないですけど、
これからを話し合う二人の姿がとても素敵な終わり方でした。
登場した道なしや現世の人たちのそれぞれの物語もどれもよかったですしね。
時間に余裕がある時に一から読み直したいなぁ。
楽しかった。



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仲町六絵 『からくさ図書館来客簿 第六集 〜冥官・小野篁と雪解けの歌〜』

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