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あやかしとおばんざい~ふたごの京都妖怪ごはん日記~/仲町六絵(著) 読了

あやかしとおばんざい~ふたごの京都妖怪ごはん日記~/仲町六絵(著)続きますよね?
とまず書きたい。
「からくさ図書館来客簿」ももちろん面白いですけど、
妖怪は出てくるものの怖い感じはなく、まったりゆったりとした感じがあって読みやすかったです。
ぜひ続編を書いてほしいですね。
これからどんな妖怪が出てきて、
それを直史がどのように描くのか非常に楽しみです。
まどかが描いた感じの挿絵が少しあってほしかったなぁ、
と話を読んでいて思いましたね。

京都の話ではあるものの、「からくさ図書館来客簿」とは関係ないと思って読んでいたのですが、
途中であれ?と思い、さらに進んでいくと明らかにそうだな、という感じになり、
あとがきで「からくさ図書館来客簿」と同じ世界の京都が舞台になってると書かれていました。
ということで、「からくさ図書館来客簿」を読んでいるのなら、
こちらも読んでみて損はないと思います。
篁たちが直接出てきてるわけではありませんけど、
篁たちが関わった人たちがこちらでも動いているので、
そういう部分でも楽しめると思います。

仲町さんには「からくさ図書館来客簿」と交互に新刊が出る感じでお願いしたいなぁ。
楽しかったです。

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
幼い頃に出会った白うさぎ。
二人はカラスに襲われそうになっていたうさぎを助けようとした。
その後、一人で別の場所でご飯を食べようとした直史にうさぎは声をかけてきた。
人の言葉で。

うさぎは自分をククリ姫と名乗り、彼女は18歳まで待つことを決めて姿を消した。

そして、双子の直史とまどかは進学のために京都へ。
そこで鳥居の上にいる白うさぎを見つける。

そこから直史は日常に紛れていた不思議な体験のことを思い出していく。

ということで、18歳になるのを待っていたククリ姫が再び直史の前に。
彼女がお願いしたかったのは人とあやかしを繋ぐことだった。
人の体を作るのは食べ物、心を作るのは本。
けれど、あやかしの体を作るのは本。
人によって語り継がれることであやかしたちは栄養をもらい生き続けることが出来る。
そのため、人の語り手が必要だった。
その存在にククリ姫は先代である泉鏡花からの次代の語り手探しの条件に当てはまった直史を選んだ。

本は読むだけで書くわけじゃないと最初は渋ったり、
まどかも最初は怖がっていたわけですが、
二人とも食いしん坊なところがあり、胃袋をがっちり掴まれて、
彼女からの依頼を受けることにした。

直史は語り手で、まどかは挿絵を担当することに。

そして、最初はお試しということでククリ姫の話を書くことに。
泉鏡花の作品を参考にしながら書くわけですが、
優しい感じが伝わってくるのがいいですね。
まどかや友達からヒントをもらいながら、その後も話を書いていくことに。

ということで、次に出会ったのは花送というあやかし。
草木の無念を晴らして冥府へと送り届けるあやかしだった。
20代後半の男性の姿をしていたわけですが、泉鏡花の作品では4人の女性として描かれた存在。
何で泉鏡花は彼から4人の女性を描いたんだろう?
というのが気になった。
どういう想像をした流れでそこに行き着いたのかと。

この時の話はちょっと怖い感じに作られてましたけど、
最後はほっこりする感じで。
鬼門を守る猿はそこで出てくるんだなぁ、と。

最後は小豆洗いと樋口一葉の話。
白雪姫、と聞いたら海外のお話を思い浮かべるわけですが、
日本にも白雪姫の話があったんですね。
エグい展開でもあったりするわけですけど、一つの幸せのかたちでもあるようで。
まぁ、殺された人たちがそもそも悪いわけだから、報いを受けただけですけどね。
本来は生きて幸せになれるはずだった二人を死に追い詰めたわけですからねぇ。
白雪姫の方は棚ぼたな感じで自分の幸せを手に入れたわけではあるけど。

で、小豆洗いは本当に世話焼きですね。
いい人?すぎるよねぇ。
そのせいで元々は小豆の精だったのに妖怪になっちゃったわけですからね。
でも、驚いた顔を見るのは楽しい、という性格だから、
妖怪になったのはなったでよかったみたいですね。

そんな小豆洗いと樋口一葉の出会いと別れ。
幼い頃、死期が近い頃の二人をククリ姫に見せてもらった直史は、
幼い頃の二人を物語に。
この話は泉鏡花とは全く違う話にしてありましたね。
とてもいい話だったわけですけど、いちゃもんをつけるコメントがつけられて傷ついたり。
それを小豆洗いが励ましてくれたり、
大学で出来た友達である信介の前向きな姿に力をもらったり。

京都で初めて出来た友達がいい友達だったのは幸せなことでしょうね。

直史が語り手なのでまどかの出番がちょっと少なめですけど、
まどかがメインになってくるような話も読んでみたいなぁ、と思ったりも。

後は今回はいいあやかしばかりでしたけど、そればかりではないだろうし、
今後どういうあやかしと出会って、直史がどう物語にしていくのか、
続編を楽しみにしたいですね、本当に。

元々、ククリ姫はこの世とあの世を繋いでいた女神様だったそうで。
でも、閻魔庁によって冥府が整ったので人とあやかしを繋ぐことに専念するようになった。
冥官たちが務めることが出来る人の問題とは違い、
人とあやかしを繋ぐということは、誰もが出来ることではないらしい。
結構な労力を必要とするようで、普段はうさぎの姿で寝てることが多いみたいですね。
想像するだけで可愛いなぁ、と思いました。

で、篁たちはもちろん彼女の存在を知っていて気づいてるのかな?
というところも気になりました。
「からくさ図書館来客簿」の方でも少し触れたりすることがあるのかな?
とちょっと楽しみです。

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