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初恋ロスタイム/仁科裕貴(著) 読了

初恋ロスタイム/仁科裕貴(著)どうかな、と不安がありましたが、
最後まで楽しむことが出来ました。
最初に読んだ作品はハズレだったわけですけど、
それ以降は気にいる作品が続いていていいですねぇ。
次回作も楽しみにしたい。

というわけで、突然訪れた時間が止まった世界。
そこで出会った同じように動ける少女。
止まった世界で止まっていた青春が動き出す。

ということですが、流れとしては予想通り、という部分はありますが、
それでもいい最後だったり、それは予想外だったなぁ、という部分もあったりで
楽しめましたね。

二人が二人だけの時間を思う存分楽しんでる姿を追った話なので、
暖かく見守る感じの作品になってたのかな。

後は孝司のお姉さんがいいキャラしてたとも思う。

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
出会いはあまり良くなかった二人。
なにせ孝司が彼女と出会った理由が女子とお近づきになりたかったからですからね。
しかも、欲望のままにw
だからといって、法にふれるようなことをしようとしたわけじゃなく、
隣に座ったりとかいう割と可愛らしい望みではあったんですけど。
それでもまぁ、時間停止中に黙ってという行為は女性側としてはよく思えないわな^^;

そんな二人だったわけですけど、最初はいびられながらも楽しいロスタイムを過ごすことに。

最初は事故をどうにかしようとする話だったので、
その感じがこれからもあるのかね?
と思ったわけですが、そういうのはその時だけ。
時音の必死な姿に惹かれるということを描くための一コマだったようですね。

というわけで、孝司が機転を利かせたことで大きな事故にはならずにすんだみたいですね。
それが意味があったのかなかったのかはわからなかったようですけど。
きっと意味がなかったなんてことはないと思いますね。

その後は色々とデートをしたり。
動物園では孝司がお弁当を持参。
普段から料理を作ってることで気合を入れたわけですが、
お姉さんから引かれるというね。
実際問題として、お姉さんに賛成な部分が大きい^^;
でもまぁ、それは時音にとってはそうじゃなかったわけですけどね。

それがきっかけで毎日お弁当を作って持っていくことが決まった。

ホームパーティーをしたりも。
あれは後々の言い訳とか孝司は考えてなかったのかね?
普通に考えたら明らかにおかしいからね^^;
お姉さんにはうまく?言い訳してたというか誤魔化してたけども。

ロスタイムのことを知らない人からしたらキモさ倍増してただろうなぁ^^;

そして、彼女の秘密へ。
当然の流れという感じで病気だったわけですね。
そして、ロスタイムのきっかけも彼女だった。
父親から見捨てられたということが始まり。

食事を制限して過ごしていたために最初、孝司のお弁当を断ったわけですね。
体型を気にしてとかではなく。
ウィルソン病という病気。
生体肝移植が必要なわけですが、父親がそれを拒んでいた。

というわけで、ロスタイムに動けたのは二人。
ではなかったわけですね。
きっかけを作った父親もまた動けていた。
その父親は孝司の学校の先生だったというね。
これは予想外でしたねぇ。
そこだったのか、と。

で、動けないと思っていた孝司が最初に盛大にやらかしてましたねw
あれは恥ずかしいw

でも、そんな恥ずかしさどころではないわけでね。
お姉さんが孝司の背中を押してくれましたね。
真実を知って、何も望まないという彼女。
でも、巻き込んでしまったと彼女は言った。
だったら、自分に出来ることを、と先生にロスタイム中に訴えかけた。

ただただ会ってほしいだけなんです、と。
結果は変わらないのかもしれない。
それでも、直接断って欲しい。
それが出来ないのは直接会ってしまえば断れないからじゃないですか、と。
時音に流れる本質。
それはきっと父親も持っているはずだと。

新しい家族との生活があり、ドナーにもリスクが伴う。
拒むことも一つの選択でありわからなくもないこと。
それでも、迷いがあるはずだと。

そして、孝司の賭けは成功した。
時音は手術を受けることが出来た。

ロスタイム中の別れ。
戻ってこれないかもしれないという最期の別れとして。
けれど、ロスタイムなんて引き起こした人がそんなことを言うなんてらしくない、
と孝司は送り出した。

それから会えない時間が過ぎていく。
そして、先生から呼ばれ彼女との再会。
それは本当の別れだった。

ロスタイムが短くなり、もうなくなっていた孝司。
けれど、彼女のロスタイムは日に日に長くなっていた。
ほとんど逆転しているような状況だった。
手術は成功していた。
けれど、手術が出来なかった時間が長く、体はもうボロボロだった。

彼女からの渡されたのはスケッチブック。
そして、彼女が自分を選んだきっかけを知る。
名前を知っていたのは予備校でのこともあるのかもしれない。
でも、彼女が助けを求めるのに選んだきっかけは別だったんですね。
そのスケッチブックを孝司は捨てられるわけはない。
忘れられるわけのない初恋だから。

時音は辛い記憶を植え付けてしまったことを後悔する。
けれど、永遠の時間の中で孝司がそばにいてほしかった。
そのために彼を呼び出した。
忘れられない初恋のために。

ただまぁ、永遠の時間にしばられていて正気でいられるわけもなく。
狂ってしまったんじゃないか、という状態に。
そんな彼女は唐突に目を覚ます。

時音のために孝司は頑張り続けていたみたいですね。
簡単ではなかった。
でも、孝司はそれを成し遂げた。

二人のこれからが本当に幸せであるといいなぁ。
別れで終わりなのかと思ってたんですけど、医者になりたいという親に選択された将来。
それが時音のことがきっかけで彼の本当の夢になった。
それを叶えて助けて、と本当に苦労したんだろうなぁ。

いい最後でした。


WEB書き下ろし小説
「ホワイト・ロジック」
久しぶりにWEB掲載のある作品を買いました。
バレンタインも兼ねたホームパーティーの時にもらったチョコレートケーキのお返しを
考える中でのデートの話。
最初は手袋なんかと考えていたわけですが、彼女の相変わらずの食べっぷりに
お返しは決まった。
そして、いつものようにロスタイムが終わり帰ろうとしたところを、
現実でも彼女とのデートが待っていた。

渡せなかったお返しは渡せたのでしょうかね。

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