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行列のできる不思議な洋食店~土曜の夜はバケモノだらけ~/秋目人(著) 読了

行列のできる不思議な洋食店~土曜の夜はバケモノだらけ~/秋目人(著)バケモノはちょっとしたエッセンスな感じで料理についてがメインなのかな、
と思っていたのですが、そういうわけではなく洋食店が舞台の中心になっている
話だったようです。
それぞれの話にもちろん重要な料理は登場しますが、
バケモノたちの想いや悩みが描かれた話でしたね。
どの人たちも個性的で魅力的なバケモノたちで、
読んでいて本当に楽しかったです。

その中で中心になるのは女子大生の結。
自分のことを人間だと思っていた彼女ですが、
実はそうではなかった、
というところから物語は始まっていきます。
彼女はずっと食に対して悩みを持っていた。
その理由にも繋がる彼女の本当の種族。
結のことになる最後の話がやっぱり一番よかったですね。

あとがきを読むに続きがなくもないみたいなので、
ぜひとも続編を期待したいです。

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
というわけで、結が常連客に背中を押される形ですずらんという洋食店に入ることで物語が始まる。
明らかに異様な様相をしていた常連客の蔵敷。
けれど、結はそれを異常だとはおもわなかった。
その理由はお店の周りで行われていた仮装行事。
蔵敷も仮装しているのだろうと彼女は考えたわけですね。
もちろんお店の中にいた他の人ならざる姿をした人たちも。
でも、その人たちは仮装でもなんでもなかった。

結が訪れたのは土曜日の夜。
その時だけはすずらんは特別な場所。
本来の姿でいても問題ない。
なぜなら人間は入ることが出来ないから。

結の悩みは何を食べても水のように味がしない、ということだった。
けれど、すずらんの料理だけは違った。
この秘密は結局最後までわからなかったのですが、
シェフは一体何者なのでしょうかね。
結には女性に見えるようですが、蔵敷には影のような感じに見えるらしい。
人によって全く見え方の違うシェフの謎がいつかわかるといいですねぇ。
で、そのシェフはどう料理したんだろうか?
最後には味覚が戻ったので、わからないままだったので明かされるといいねぇ。
人の血が含まれていた、とかいう話だけはなしにしてほしいですが^^;

イフリートから種族を聞かされることになったわけですが、
結の正体は吸血鬼。
ただし、「生きている」吸血鬼というかなり稀有な存在だった。

そんなこんなで結が最初に仲良くなることになるのは死神の蔵敷。
最初に仲良くなるのが死神ってまたすごいよな^^;
カレー愛好家の彼なのですが、日本でカレーが根付いた頃から食べていたけれども、
最近のカレーは洗練されてはいるものの何か物足りない、と感じていた。
その答えを結自身がカレーが嫌いではなくなった醤油というアクセントだった。
その後は色々な醤油を探して楽しんでるみたいですね。

カレーに醤油って使ったことないなぁ。
ていうか、家が定食屋とはいえ結が変に詳しかったですねw

その次は結が吸血鬼だと教えてくれたイフリート。
ランプの魔人。
ということですが、遭遇したときが怖すぎるわw
人ならざるものがいるとわかってても、あれは怖い^^;
で、結は直前に笙とやり取りをしてたこと忘れてんのかな?
と最初は思ってたんですが、覚えていて協力してたのな。
全容がイマイチわかってない状況でも断れないのは血筋だったんでしょうね。

というわけで、夫婦喧嘩というか、ある意味イチャイチャタイムだったのか、
そんな感じのやり取りでしたね^^;

バケモノたちの入国を管理する組織もあるみたいですけど、
国のお偉いさんの中にもそういう人が入り込んでたりするってことなんかな?

三つ目はユニコーン。
新しいものをなかなか受け入れられない彼らですが、
本当のところはそうじゃなく、それをなかなか打ち明けられなかった。
そんな中で結がそのきっかけを作る助けをすることに。
ユニたちのことよりは、最後の結のことの方が印象に残ってしまった感じですね。
ただ、ユニのお姉さんのコーデリアがなんかいいねぇ。
最後の撫でてくれってのも可愛かったですしね。

というわけで、最後は吸血鬼の結。
味覚障害は血を吸うことへの躊躇い、
自分を吸血鬼だと認められないことへの反動ということだった。
吸血鬼にとっての血とは食事。
だから、人としての味覚が失われてしまった、ということだった。
そんな中で解決するために会うことになったのは曾祖母であるエセル。
彼女が話した曽祖父との話がよかったねぇ。
種族を超えた純愛というのはいいね。
もし自分も吸血鬼だったら怖かった、という曽祖父のもしもの本音があったりというのもよかった。

で、二人が繋いだ家族の歴史。
結にも受け継がれる想いというのがまたよかったですね。
不器用な伝え方でも、そこに込められた想いは別の形でもちゃんと伝わっていたでしょうね。

そんなこんなで吸血鬼らしくない自分。
曽祖父の妻としての自分を認めることで、
エセルは変わった。
そして、かなり強引なやり方で結にもそれを認めさせた。
結に曽祖父の面影を感じたこともあって、エセルなりの優しさ、愛情が伝わっていてよかった。
ただまぁ、笙がすごくとばっちりを受けてましたけどね^^;
連れて来るまでにも散々振り回されてたみたいですしねぇ。

ところで、途中で起こったウンディーネと男性のいざこざはなんだったのかね?

というわけで、結は自分が吸血鬼であること、血を欲する気持ちを認めることで、
血を飲みたいという衝動をコントロール出来るように。
その後、友達とどういう関係を築くことになるのか、
続きで読めるといいですねぇ。

蔵敷の死神としての本来の面を見て、ぎこちなくなったりもしてましたけど、
その部分もしっかりと受け止めて結は変わらずいられそうですね。
ただまぁ、考え方の違いというのは残るわけで、
それが今後ぶつかることになったりもするのでしょうかね。
普段接してる分には人のいい感じなんにねぇ。

シェフも謎ですが、ウェイターも謎。
彼はどういう人なのかね?
何で怪我の治療が出来るんだろう?
ユニコーンのように角を削って、という何かの代償を払ってる感じでもなく、ですからね。
気になります。

後は笙の過去ですね。
何があったのかねぇ。
ざっくりとは話がありましたけどね。
もう少し詳しく知りたいところです。

というわけで、続編を楽しみにしたいですね。
今回出てきている人のことも知りたいですし、
今度はどんな人が登場するのかと新しい人も楽しみだし、
後は途中で出会った件の知り合いでもある親子とのこと。
奈良に行くことになって、とかいう感じの話があっても面白いですよね。
とにかくまぁ、続編を楽しみにしてます。


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