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東京すみっこごはん/成田名璃子(著) 読了

東京すみっこごはん/成田名璃子(著)後回しにせず、先に読めばよかった。
ここのところ成田さんの作品は微妙なところが多かったわけですが、
今作はデビュー作、その後のミス・アンジェリカよりもさらによかった。

様々な想いを抱え、様々な人が集まる場所。

とても変わった場所なわけですが、
すごく暖かさが伝わってくる場所になってますよね。
時代としては現代になってるわけですけど、
そこに漂ってる空気は少し昔な感じがある。
ほどこうと思えば簡単にほどけてしまう繋がりになっている場所なんだけども、
そうはならない、不思議な空気。
深くは踏み込まないけれども、互いを心配して気にかけて。
そうして繋がっていく不思議な繋がり。

結末もとてもよくて本当に楽しめました。

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東京すみっこごはん/成田名璃子(著)


以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
学校でいじめにあう楓が導かれるようにしてやってきたのは、
すみっこごはんというよくわからない場所だった。
そこには様々なルールがあり、集まった人の中からくじで料理をする人が決まる。
そのため、注意書きとしてまずい時もあります、と書かれている。

そんな場所に集う様々な人。

楓はいじめにあっているわけですが、
その理由は彼女が悪いのではなく相手が勝手に彼女をその対象にしてるだけ。
しかも、自分の想いが届かない腹いせに。
これは純也がもうちょっと周りを見てないとダメだわな^^;
多少はわかってはいたようですけど、直接自分が関係してるとは思ってなかったみたいで。
ただ、彼女が抱える問題はそちらよりも家のことが大きかったようで。
自分の顔が祖父が嫌っている父親似だったことで、自分の居場所がなくなっていたらしい。
てっきり、祖父との血の繋がりがないとかそういうことなのかと思ってましたね。

そんな中で導かれるようにしてたどり着いたのがすみっこごはん。
後々わかることですが、辿り着いた場所がすみっこごはんというのは運命だったんですね。
そうして、すみっこごはんに集まる人達の物語が描かれていくことに。

楓のことについてはいじめをしていた中心にいた子は八つ当たりだったようですね。
ただ、それに関して楓が心配する必要はないでしょうに、と。
優しい子なんだというのはよくわかるけどね。
彼女の家庭に色々あるのかもしれないけど、それが楓にあたる理由にはならないしね。
楓はよく耐えたよなぁ。
すみっこごはんという場所と出会えてなかったら本当にどうなっていたことかと。
でまぁ、いじめを一緒になってしていた子たちの方が罪が大きい気がしたなぁ、と。
後は、連絡手段が容易になったことで本当にめんどくさいことになってんなぁ、と^^;

ダメ男につかまってしまう同士の友達が結婚。
自分だけが一人なんじゃないかと焦った彼女は婚活を決意する。
結局、サボテンさんとは上手くいかなかったようですね^^;
何があったのやら?
という感じではありますが、そもそもとして気持ちはその段階で別な人に向いてましたしね。
で、そちらの恋がどうやら上手くいきそうな感じでよかった。
料理も少しずつではあるものの上手くなってるようですしね。
いつはっきりと気持ちを伝えるのか、
上手くいってほしい田上さんや丸山さんは楽しみにしてるでしょうね。

口の悪い柿本さん。
そんな彼が競馬場近くのコンビニで働くタイからの留学生・ジェップを連れてきた。
もともとホストファミリーの家が近くで通りかかったわけですが、
最初は柿本の姿を見て逃げ出し、その後、柿本さんに連れて行かれることに。
彼は生き方を見失っていた。
そんな姿を柿本さんはかつての自分と重ねていたらしい。
そして、それを救ってくれた場所に彼を連れて行ったみたいですね。
柿本さんの口は悪いけれども根は優しい感じがよかったですね。

そして、あるブログを毎晩チェックする丸山さん。
それまでの感じから考えるとすごく意外な私生活でビックリでしたねw
すみっこごはんでの料理はそのブログの女性に対して料理を振る舞っているつもりでいたらしい。
で、その女性は実は丸山さんの前の奥さんとの間にいた娘さんだった、というね。
そういうことだったのなぁ、と全く想像してなかったです。
娘さんとその後どうなったのか気になるところです。
今の奥さんが背中を押してくれもしたわけですけど、どうなったんだろうなぁ。
楓と奈央を気にかけていたのは娘さんを重ねていたからだったんですね。

その一歩を踏み出すきっかけになったのはすみっこごはんの真実を知ったから。

すみっこごはんがどのようにして出来たのか。
柿本さんがNPO法人の代表になっていたのなぁ。
なんかしら関係があるのだろうというのは途中で思ってましたが、
ガッツリ中心だったとは^^;
最初はもっと古くからあるのかと思ってましたけどね。

というわけで、ある夫婦が営んでいた小料理屋。
そこにやってきたわけありの子連れの女性。
その女性がそこで働くようになり、彼女の子供を常連客がお世話をするようになった。
そんな中で夫婦が亡くなり、女性が後を継ぐようになったわけですが、
彼女は病を抱えていた。
子を残して先に去ってしまうことに。

そんな中で残したのがレシピノートとすみっこごはんだった。
彼女の娘に自分の味を残すために、彼女が大きくなった時に困らないように。

というわけで、その女性がまさしく楓のお母さんだったというね。
本当に運命だったのだろうなぁ、と。
柿本さんはお母さんが呼び寄せた、とも言ってましたけどね。
知らず知らずのうちに楓はお母さんの味を食べ、学んでいた。
そんな秘密があったなんて読み始めた時は思いもしてなかったねぇ。
胸がとても暖かくなりました。

本当は自分の手で、という母親の想い。
けれど、それが叶わなくて別の形で残すことになった。
おいおい伝えることになっていたわけですが、
その必要なく自然と繋がっていくというのがとてもよかった。

というわけで、それぞれのその後が非常に気になるところではありますが、
最後まで楽しめました。

丸山さんと娘さんがその後どうなったのか。
すみっこごはんに連れて行ったりしたのでしょうかね。
一斗と奈央がどうなったのか。
自分のルーツを知った楓がその後どういう道を歩むことを選んだのか。

色々と本当に気になりますけど、どの人の話もよかった。
描かれなかった人たちにもなんかしら事情があったり、
過去にあったのかなぁ、というのも気になったりしますけどね。
それに、これからも何か事情を抱えた人たちがやってきたりもするのでしょうし。

すみっこごはんに集う人たちがこれからも笑顔であってほしいと願うばかりですね。

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