edit

夜蝶の檻/瀬那和章(著) 読了

夜蝶の檻/瀬那和章(著)前の二作品がいまいちだったから
と買うのをやめなくてよかった。
前の作品とは全く違う雰囲気の作品で
こちらはとても楽しめました。

明治ではなく盟治へと年号を変えた、
禁儀によって未来を変えた日本の物語。
妖魔が跋扈する日本で、妖魔を退治する退魔衆となった女性が
死を常に感じながら戦い続ける。

そんな女性・桔梗が出会うことになるのは、
ある刀を手に戦い続ける男だった。

関連記事
夜蝶の檻/瀬那和章(著)


以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
というわけで、本当に他の二作品と全然違ってびっくりしました。
あとがきを読むには電撃文庫の方ではこちらの感じで書かれていたらしいですね。
この感じだと次も楽しみにしたいと思えますね。
というか、今作の続編を期待したいですねぇ。

退魔衆の中で女性だけで組織された夜蝶。
そこに所属する生まれながらに妖魔を体に宿した桔梗が物語の中心に。

桔梗の妖魔はすごく強力な力を持っていて、
生きていることが封印になっている状況。
最後はどうなるんだろう?
と非常に心配になったわけですけど、
いつも一緒にいる楓という少女もまた妖魔を体に宿している。
その楓のおかげで桔梗は力を使うことができていたんですね。

でも、そうとわかっていても命を奪うことには変わりなく、
それを一つ一つ悲しむ優しさを知ってるから楓もまた桔梗を姉と慕うんですね。

そんな二人の任務が一振りの刀の回収。
幽匣(かくり)と呼ばれる妖気を宿したもので、
その刀は百贄の刀と呼ばれるものだった。
百人の人を斬ることで一つの願いを叶えることが出来るとされる刀。

その刀を持っている男・静馬もまた願いとは別にある目的を持っていた。
一人の鬼への復讐。
それは退魔衆が追い求め続ける龍皮と呼ばれる鬼でもあった。

というわけで、その鬼との戦いだったり、
互いを理解しあった者同士で斬り合うことになったり。

若干もう少しテンポアップして話進めて欲しかったかな、
とは思うものの、最後まで楽しめました。

静馬の願いはまぁ予想通りというところですし、
その後のことも話の中でしっかり語られてたから自然な流れで
死後の世界でのことが描かれていたり。
死後の世界であったとしても幸せになってほしいですね。

龍皮の正体はそうだったんか、と予想してなかったですね。
頭目かと思ってたんですよね。
でも、実質二番手の実力者が偽物になっていたのな。
自分たちの失態を隠すために。
隠すためには都合のいい人だったというのもあるけど、
頭目が最近まで気づけてなかった、というのはいくらなんでも問題じゃね^^;

そんな頭目と桔梗の会話では頭目が若干抜けてる部分もあったり。
本来は優しい人なんでしょうね、きっと。
でも何で、静馬に対する処遇だけはきっぱりとしてたんでしょうかね。
桔梗の知る頭目ならそんな判断はしないと確信してるような感じだったし。
そういう部分もあって龍皮が頭目なんじゃ?と考えたりしたんですけどね。

けど、本当に何で静馬へのそういう判断になったんだろうなぁ。
一度堕ちた者は堕ち続けるしかない。
確かにわかっていて、それを気のせいだとして斬りはしたわけですけど。
願いは最後まで変えなかった。
結果、でしかないですけど、静馬は堕ちきってはいなかった、
ということなんですよね。
だから余計にねぇ。

まぁ、静馬としては想い人と再会出来たのはよかったのかな。
それまでに手を血で汚しすぎてはいると思うけど、
その辺りはどう静馬は折り合いをつけていくのでしょうかね。


サイドストーリー
「死臭と簪」

桔梗と楓が出会って間もないころの話。
サイドストーリーはこういう話が一番いいですよね。
本編では楓を大切に想い、彼女の見せる笑顔に光をもらっていた桔梗ですが、
出会いからそうだったというわけではなかった。
ただただうるさいと思っていただけ。
そんな中で二人が臨んだ任務で楓に引き戻されることになった。
自分の命が危うい状況で人には生きろ、という彼女に興味をもった。

で、楓は最初から桔梗を慕っていたような感じですけど、
本当に距離が縮まるきっかけはまた別の話なんでしょうかね。
互いに過去を話すきっかけになったこと、というのがありそうだし。


というわけで、続編あれば楽しみにしたいですねぇ。

夜蝶...

夜蝶...
著者:瀬那和章
価格:680円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る


トラックバック

TB*URL

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

template by Lazy Diary

copyright © ぐ~たらにっき all rights reserved.