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いなくなれ、群青/河野裕(著) 読了

いなくなれ、群青/河野裕(著)これでシリーズ化するのか、と少し意外に思った結末でしたが、
不思議な世界に魅了されましたねぇ。
少し「サクラダリセット」に似た雰囲気があった気がしたかな。

階段島と呼ばれる島を舞台にした物語。
その島は魔女と呼ばれる者に管理される
捨てられた人が集まる場所だった。
そこで静かに暮らしていた七草が、
2年前に別れた真辺と再会したことで、
七草は彼女に振り回されることとなる。

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
捨てられた人たちが住む島。
彼らは突然やってきて、そこで暮らし始めることになる。
そこに来るまでの少しの期間の記憶をなくして、
彼らは突然島の中に放り出される。
そして、彼らは言われる。
ここは捨てられた人たちが住む島だ、と。
ここから出るにはなくしたものを見つけること。

というわけで、こんな不思議な世界だとは思いもしないで読み始めたので
若干ビックリしてましたね。
一体どんな結末になるんだろう、とより気にもなったし。

七草という少し前にやってきたばかりの少年目線で話は進み、
彼が小学校から中学二年まで一緒だった真辺という少女との再会で
物語が進んでいく。

色々とあり得ない島。
けれど、平和ではある島。

そんな中で事件が起こる。
落書き事件。

そして、島にはいなかった子供が入り込んだりも。

七草は島の秘密に気づいていて、
それでもそこでの暮らしを受け入れて暮らしていた。
悲しい現実を知っていて、
それでも不幸せでないのなら幸せだと思うことも出来る。
そんな風に思うことってなかなか出来ないですよね。

けど、真辺が来たことで平穏な生活を続けるわけにはいかなくなった。
真実を知っているからこそそれが許せなかった。

全くもって疑ってなかったw
落書き事件の犯人が七草とは微塵も思ってなかったです。
自分の過去を語るまでは。
でも、理由がわからなかったけど、島の秘密と彼の想いを知って、なるほど、と。

彼は許せなかった。
真辺がここにいることが。

捨てられた人たちの島とは、
人が成長する中で捨てられた彼らの欠点。
つまり、本当の自分はその時も元の場所で生活を続けていた。

なくしものを見つけるのは島の彼らではなく、外にいる自分。
けれど、それは捨てた欠点をもう一度取り戻すことになる。

七草は自分はそれでもよかった。
けど、真辺が自分を捨てることを許せなかった。

捨てられた欠点は彼らの強い個性でもあった。
そして、七草は真辺のその部分を大切にしていた。
たとえ手に届かなくとも。

だから、事件を起こしたり、入り込んだ少年を利用したりして、
彼女が戻らざるをえない状況をつくりだした。

結果としては失敗。
真辺はもう一人自分がいるのなら、と
現実のことはそちらの自分に任せ、
島の真辺は七草と残ることを選んだ。
そして、現実の自分が少年を助けるのを待つことを選んだ。

その選択をした真辺に素直に嬉しく思った七草。
さてはて、そんな二人がこれからどういう物語を描くことになるのでしょうかね。
第二弾を楽しみにしたいと思います。

しかしまぁ、七草はめんどくさい性格してますねぇ^^;
素直じゃない。
わかっていて、それでも受け入れられるという気持ちが本当にどうして出来るんだろう、
と不思議に思うなぁ。
けど、真辺が残ったことでどうなっていくのでしょうかね。

気になったのは七草以外は島と自分の秘密について知ってる人はいないのでしょうかね?
100万回生きた猫も知ってそうな気がするけど。
というか、だいたいの人が知ってんじゃないのか?
と思ったりもした。

必死に隠そうとはしていない感じもするんですよね。
というか、島と現実が中途半端に繋がりもあったりするし。
どういう繋がり方をしてんのかはよくわからないけど。

で、魔女が何故このような場所を作るに至ったのか、というのも知りたいですね。
何でそんなことが出来るのか、という根本的なこともあるけど。

特例として大地を島に入れた、ということは、
彼女が島に呼ぶ人を選んでる、ってことになるのかな?
選んでるとしたどういう基準なんだろうなぁ。

個性豊かな人たちが多いわけで、その人達のことももうちょっと知りたいですね。
子供たちよりは大人たちの方が気になる人が多いかな。

後は現実に戻った二人がちゃんと二人のお願い通りに動けたのかも。

次も楽しみだなぁ。

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