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お近くの奇譚~カタリベと、現代民話と謎解き茶話会~/地図十行路(著) 読了

お近くの奇譚~カタリベと、現代民話と謎解き茶話会~/地図十行路(著)なかなか楽しめました。
「かなえの八幡さま」と同じでどういうことなんだろう?
ってのはあるにはありますけど、
一つ一つの話に関してはきちんと終わらせてあるため楽しめました。

続編を楽しみにしたいですね。
クロがなぜ異界へと足を向けようとするのか。
ハルの体質の裏に何かあったりするのか。
招がハルに結びつける黒い糸は一体何をもたらすのか。
この街で語られる様々な現代の民話も楽しいので、
他にどんなものがあるのか気になりますね。
夜中に読んでると若干怖かった部分もあったりしましたけど^^;

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以下、ネタバレ含みつつ感想続けます。
異角と呼ばれる街。
そこには誰がいつ置いたのかわからない黒電話がいたるところに置いてある。
ダイヤルもボタンもない黒電話の通じる先はどれも同じ。
カタリベと呼ばれる男性が噂を語る。
その一方で彼には街の噂を語り替える力もあった。

そして、多くの人達が姿を見たこともないカタリベと直接話をする二人がいた。
郷祭事務所所長代理のハルと散歩中毒のクロだった。
二人が出会うきっかけになった話は一番最後に語られてますが、
クロの行動にビックリだよ^^;
ハルは内心で驚きつつも変わらないハルらしさで最初から接してたんですね。
そんな二人が噂の語り替えのためにカタリベから呼ばれることになるわけですが、
彼が言うのは「おいで」と一言だけ。
どこにいるかは教えない。
だから、誰も語り替えをしてもらうことが出来ないわけですが、
クロは何故だか彼の居場所を知ることが出来た。

その力もどういうことからなんでしょうかね。
クロが「おいで」という一言からカタリベを招(まねき)と呼ぶようになるわけですが、
ハルは招とクロは波長が似ているからなのか、あちら側の人だからなのかと考えたようですけど。
クロが異界を求めるのは自分のあるべき場所を求めてってことなんでしょうかね。

でもなんで、クロはそんな風に考えるようになったのでしょうかね。
家庭の事情があるようですけど。

ハルはハルで異角から離れられない理由があった。
彼は疫病神体質なんだそうな。
で、異角の土地の神様の力を借りてその力を抑えているらしい。
だから、街から出ることが出来ない。
それをきっかけに郷土愛というものが生まれたようですが、
今となっては本心からの郷土愛でしょうね。
けど、その体質は一体何なんでしょうかね。

そんな二人が語り替えのために会う招。
謎の多い人物なわけですが、昔からそういう人物が異角のもとになった村にいたらしい。
そもそもとして村の名前がカタリベだったりも。
異角という街そのものにも何かがありそうな感じですね。

で、招に語り替えを頼むときに鑑定ということをする。
その時に招がハルに黒い糸を結びつけるわけですが、
招が語り替えをするのは偽物の噂だけ。
本物の噂、怪異を招は語り替えをしない。
その真偽を誤ればハルはハルでいられなくなるらしい。
それが黒い糸の先に待っているということになる。

黒い糸の先にあるモノは少しだけ出てくることになるわけですが、
それが一体何者なのかはわからないまま。
大男であり、クロを蜘蛛から助けた男ではありそうな感じですが、
何者なのやら?
そもそもハルがハルでいられなくなるっていうのもどういうことなのかわからないですしね。
クロはそれを身代わりになるつもりらしいけど、
クロの性格を知っているハルはお見通しだったようで。
クロは今後やり方を変えるのかね?

鑑定はハルが動けない状況で行われるため、
現場に行くことは出来ない。
招の語りと彼との問答から答えを出すことになる。
ハルの異角に関する知識が大いに役立つわけですが、
大男が現れた時以外はハルの言ったとおりだった、ということなんですよね?
すごいな、おい^^;

さてはて、そんな噂話ですが「転ばせ月峠」が一番よかったかな。
というか、噂話の発端となった人のオチがなんともいえんかった。
自分が蒔いてしまった種ではあるのだけれども、これはちょっとつらいなぁ、と。
しかも意図してじゃないだけに、それで恋が終わることになるのがねぇ。
彼女も救える方法があってほしかったなぁ、と思わずにはいられなかったです。

一つ目の先生は軽いなぁ、と^^;
危険な目にあったというのに、変わらずなところは先生のいいところなんだろうと思うけど。
教え子も巻き込んでいたわけで、それでいいのか、とも。

三つ目はクロが危険な噂に巻き込まれることになったわけですが、
発端は少女の優しい想いから。
鬼のこと自体は実際にあったこと、ということになるんでしょうね。
しかしまぁ、お茶好きの鬼って何か可愛らしいですね。

というわけで、続編を楽しみにしたいですね。

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