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あなたと式神、お育てします。 第二集 ~京都西陣かんざし六花~/仲町六絵

あなたと式神、お育てします。 第二集 ~京都西陣かんざし六花~/仲町六絵さらに2人の陰陽師が式神を持つことに。
芳舟は自分の年齢から心のない式神を、という風に考えていましたが、奥さんが話していた猫という姿に。
時間の長さは関係なく宝玉はきっと幸せな日々を過ごすでしょうね。
それだけ大切に想うことがわかっているからこそ最初の話になるわけですから。

式神を持つ過程でそれぞれ宝剣の霊の話だったり、泡魂というその地に強く残る想いに触れたりも。
そして、土地を守る山犬に説明したりも。
夜雀に山犬という組み合わせは同じでも雰囲気が全く異なっていましたね。

晴人の友人の話では久しぶりに道なしに触れられていたので懐かしく感じたなぁ。
本を使うのかと期待しましたが、そこまでする必要はなかったようですね。

昌和を発端としたイワナガ様との約束。
晴明も参加した親族会議というのはすごいなぁ。
で、昌和が交わした約束を破った場合どうなるのか、というのがはっきりしていないことが問題になったりも。
昌和の人の良さが出ていた感じですが、一族に関わることだから曖昧なのは良くないですね。
確認しに行ったのだろうか。
その場ではそれぞれの判断でということにはなっていましたけど。

桃花の登場を楽しみにしていましたが、相変わらずというか若干ぐいぐいいく感じが増しているような気もしました。
ただ、晴明からの教えが続いているからなのでしょうけど、丁寧にすべきところは丁寧にと短い中にも色々な成長が感じられたかな。
観覧車に乗った話がそのまま描かれるのではなく、晴明から聞けたのが違った視点になるので良かった。
どんなやり取りがあったのかは読めるなら読みたかったですが。

茜の正体に気づいた晴人。
けれど、それを茜本人に確認しようとは思わない。
額田王ではなく今の茜への恩があるから。
総領としても現代に生きる陰陽師たちが茜の正体に触れないよう水月に頼んだ。

芳舟くらいしか気付ける人がいないだろうし、その芳舟も言いふらすような人ではないでしょうしね。
子供がいない芳舟の後継がどうなるのか気になるけど。
大変な仕事を続けてきていたわけですからね。

「からくさ図書館のある京都」のシリーズとしてはまだ続いていきますが、
晴人と茜をメインにした「あなたと式神、お育てします。」はこれで最後に。
再び篁をメインにしていくらしい。
それはそれで非常に嬉しいですけど、このシリーズも良かったので2冊でというのは寂しさがある。
晴明が行っている結界の修復は終わっていないので、晴人たちも出てくるでしょうけど。

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あなたと式神、お育てします。 ~京都西陣かんざし六花~/仲町六絵

あなたと式神、お育てします。 ~京都西陣かんざし六花~/仲町六絵「からくさ図書館のある京都」のシリーズに含まれる新しいシリーズ作品。

これまでハッキリとしたことが描かれていなかった茜が中心にいるため、茜のことをどういう風に触れていくのか楽しみですね。
そんな茜は京都の結界を修復する晴明に頼まれて陰陽師と式神を育てることに。
桃花と行ったさきがけ祭は終わったもののまだまだ先は長い。
次の段階では京都の内外で陰陽師を育てる必要があるそうで、
その一人目として選ばれたのが晴明の子孫で桔梗家の総領である晴人。

桃花と同じように茜のところの小物を苗床として使っていくわけですけど、
育てていくことも含めて茜に任せたのは何故なのか。
それでなくても忙しいのだろうとは思うけども。
というか、「おとなりの晴明さん」で出てきた話が広がっていくわけじゃなかったんですね。

基本的には晴人の視点で描かれていくのでしょうけど、他の陰陽師の視点でも話が動いたりも。
晴明の子孫に大きな影響を与える事件を起こした昌和。
その事件の直後に親族会議で赤べこを渡してくれた那月。
3人が新たに式神を育てていくことになるわけですけど昌和の式神が面白かったなぁ。
那月がくれた赤べこと息子が好きなトミカの救急車のデザインが反映されるというね。
しかも、呼び出すには詩を読んでほしい、と。
年長者が若い人がしそうなことをしているのがなんだかおかしかった。
晴人は自分からお目付け役となった観世稲荷の御使いの水月にそっくりな白い狐。
那月の兎は意外性はなかったものの金色というのは驚きました。
最後に少し出てきただけなのでどういった性格の子なのかな。

晴明の子孫を見守っていたイワナガ。
けれど、幼い昌和が神様の力を自分が使えると勘違いして過ちを犯した。
それをきっかけに晴明の子孫は20歳前後まで神や仏との接触を絶たれることになった。
相手の先生も傷つけてしまったこともありましたし、仕方のないことですね。
昌和がたまたま最初だっただけで時代が進む中で考え方は変わっていくことを思うと、
同じようなことはいずれ起こっていたでしょうしね。
むしろ真面目な昌和が問題を引き起こしたことは子孫たちにとっては救いだったんじゃないかと思える。
というわけで、イワナガが呪を解くための条件として昌和の式神と美味しいお酒。
それから一番大変なのが子供たちへの教育。
二つは示すものがありますけど、三つ目はどのようにして証明するんだろう。

星乃は後に出てくる那月の姪だったんですね。
彼女が式神を持つ日は来るのだろうか。
イワナガとの約束である教育という面で見たら彼女は不十分ですよね。
彼女なりの良さはもちろんありますけど。
むしろ星乃が成長することでイワナガへの証明になるのだろうか?
晴人は星乃と自分の繋がりを知ったわけですが、次に相対する時はどういった反応になるのかな。
足が生えて疾走するこけしの姿を想像したら非常に怖かった。

落ち込む茶室神。
茶室ということは宗旦狐が出てくるだろうと思いましたが、
ガッツリ絡んでくるわけではなく最後に少しだけというのが意外でしたね。
しかも、宗旦狐のもとに向かう途中で無事に力を取り戻したりも。
人に愛され続けたことで生まれた神様には今を生きる人の言葉が一番届くということなのかな?

その中で晴人は茜の仕事の手伝いとして那月の苗床を選ぶことに。
いくつかを見繕うことになったわけですが、那月ではなく晴人が行うことに
何か意味はあったのだろうか、と気になった。

まだまだ始まったばかりという印象が強い終わり方だったので続きが非常に楽しみ。
茜のことにどれだけ触れるのかというのもありますしね。
晴明は登場していたものの桃花は出てきていないので、今後どういった形で出てくるのかも楽しみ。

からくさ図書館も登場していましたが、それほど篁らしい部分は出ていなかったように思いますが、それでも晴人は何かを察したりも。

水月は白い狐で御使いではありますが、「神様の御用人」の黄金が浮かんできた。
近いうちに最後まで読みたいですね。

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